過去編
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あきら先輩が亡くなった。
耐え難い事実がのし掛かっていてもなお日常は続く。
忍術の勉強はあるし試験の練習もしないといけない。
誰かが掘った穴は埋めないといけないし塀の補修だってそうだ。
食満先輩はこれまで通り委員会活動を再開し始めた。
でも、下級生はそうはいかない。
そんな急に作業を続けられるわけがない。
でも食満先輩は落ち着くまで委員会の事は気にしなくてもいいとおっしゃった。
俺は食満先輩の事をなんて薄情な人なんだろうと軽蔑してしまった。
亡くなった姿を見ても涙する事はなく淡々としていてそう思ってしまった。
でも、違った。
そうせざるをおえないのだ。
委員長という立場、上級生として自分が混乱していては示しがつかないと思ってそうしているのだと気づいた。
そう気づいた途端がらりと見る目が変わった。
今の食満先輩は空っぽだった。
自分のやるべき事をなすだけの人形のようだった。
まるで覇気がないのだ。
実技を見ても気持ちが籠っていないのは同然だった。
下級生の自分が気付くくらいである。
同級生の先輩や先生方はとっくに察しているらしい。
今朝、潮江先輩と揉めている所を見た。
腑抜けていると。
誰かが亡くなったくらいで動じているようでは忍は勤まらんと言っていたが食満先輩はただ、そうだな、と返すだけだった。
このままでは忍術学園から消え去ってしまうような気がしたが、自分に何が出来るだろうか。
先輩を叱咤し救い出せるのはそれこそあきら先輩に違いない。
ああ、でも。
苦しい事にその人はもうこの世にはいないのだ。
耐え難い事実がのし掛かっていてもなお日常は続く。
忍術の勉強はあるし試験の練習もしないといけない。
誰かが掘った穴は埋めないといけないし塀の補修だってそうだ。
食満先輩はこれまで通り委員会活動を再開し始めた。
でも、下級生はそうはいかない。
そんな急に作業を続けられるわけがない。
でも食満先輩は落ち着くまで委員会の事は気にしなくてもいいとおっしゃった。
俺は食満先輩の事をなんて薄情な人なんだろうと軽蔑してしまった。
亡くなった姿を見ても涙する事はなく淡々としていてそう思ってしまった。
でも、違った。
そうせざるをおえないのだ。
委員長という立場、上級生として自分が混乱していては示しがつかないと思ってそうしているのだと気づいた。
そう気づいた途端がらりと見る目が変わった。
今の食満先輩は空っぽだった。
自分のやるべき事をなすだけの人形のようだった。
まるで覇気がないのだ。
実技を見ても気持ちが籠っていないのは同然だった。
下級生の自分が気付くくらいである。
同級生の先輩や先生方はとっくに察しているらしい。
今朝、潮江先輩と揉めている所を見た。
腑抜けていると。
誰かが亡くなったくらいで動じているようでは忍は勤まらんと言っていたが食満先輩はただ、そうだな、と返すだけだった。
このままでは忍術学園から消え去ってしまうような気がしたが、自分に何が出来るだろうか。
先輩を叱咤し救い出せるのはそれこそあきら先輩に違いない。
ああ、でも。
苦しい事にその人はもうこの世にはいないのだ。