一章
夢小説設定
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前世の事を思い出したのはちょうど12歳の誕生日の日だった。
思い出してから数日間は信じられず、あれは夢なんだと思い込み
テレビでも見て気をまぎらわそうと電源をつけた。
今から思えば必然だったのだろうか、つけたチャンネルはNHK で
ちょうど忍たま乱太朗が放送されていた。
忍たま乱太朗に出てくるキャラ達に私はただの架空の人物とは
とても思えなかったのだ。
一人一人別のキャラが出てくる度にそのキャラとの思い出が溢れるように、しかも鮮明に蘇ってきて、何故か私はいつの間にか泣いていたらしい。
親に心配されたが、目にゴミが入っただけと誤魔化した。
それから、私は毎日欠かさず忍たま乱太朗を見続け、前世で好きだった
食満留三郎のストラップを肌身離さずつけることにした。
中学に入ると周りの人にオタクと言われ、忍たま以外のアニメはあまり
見てないし、二次元の人物に感情移入はしてないものの、
さすがに「自分の前世は忍たま乱太朗のくのたまで、
ストラップの食満留三郎は前世で好きだった人なんです」
と言えるはずもなく、肯定せざるをおえなかったのだった。
時は流れ高校一年生の時に中学から一緒の友人(忍たまから別のアニメ
まで見ているアニオタ)がこんな話をしていた。
「トリップしたいなー!あートリップして黒●スの××に会いたいー!!」と友人が叫んだ。
「トリップ?二次元に行ける方法でもあるの?」と聞くと友人は自信満々に答えた。
「そりゃあ、もちろん!!だってネットに成功した人のコメントとかあるし。」
(トリップかぁ、もし本当だとしたら向こうの世界に行けるのかな……)
すると、友人がふと思い出したのか、
「そういえばさぁ、忍たまのトリップものといえばあれ怖いよねぇー」と突然話題に出した。
私は何が怖いのか聞こうとしたが、先生が教室に入ってきたので会話は
終了してしまった。
後で聞こうと思ったが、タイミングを逃しいつの間にか忘れてしまい、
家まで帰ってきてしまった。
(まあいっか、明日すぐに聞けばわかることだし)
翌日、家を出て学校に向かおうとしたが、いつも通る道が偶然工事中で
別の道を通るはめになってしまった。
迂回中見慣れない神社が目に入った。
通りとは少し離れており全く人気がない。
「あれ?こんな所に神社なんてあったっけ?」
いつもは通らないため気付かなかったらしい。
まあ朝礼まで時間あるし覗いてみようかと神社に立ち寄る事にした。
少し歩くと賽銭箱を見つけたのでお祈りしようと思い賽銭箱に5円玉を
入れた。
「何願おっかな………
神様。私を忍たま乱太朗の世界に連れてってください…お願いします」
だが、何も起こらなかった……
「まぁ、行けるわけないか……」
肩をすくめたあきなは神社から出て学校に行こうとした瞬間。
なぜか自分は空の真っただ中にいた。
「え、えぇぇぇぇぇ!?」
思わず絶叫するもどうにもできずただ落ちていく。
「いやいやいや、この高さから落ちたら死ぬって!!
またこんな若さで死ぬのか!私!というか何で落ちてんの!?」
すると下の方に建物が見えた。
そのまま地面に激突するかと思いきや、いきなり止まったため、軽い衝撃ですんだ。
「い、痛ぁ……ここどこ?」
周りを見渡すと、そこは……
「う、そ、忍術学園………?」
自分が行きたいと願っていた場所だった。