朝方早くから用具委員会全員に召集がかかった。
作兵衛は友が起きない事を祈り急いで向かった。
「食満委員長！すみません！遅れました！」
「気にするな、作兵衛
こいつらもやっと起きたばかりだ」
既に下級生の3人は集まっていて眠たそうに目蓋をこすっている。
恐らく無理やり起こされたのだろう。
とおもったのと同時に同じく用具委員のあきらが居ない事に気付いた。
(そういえば誰かが保健室に運ばれたって夜更けに聞いたような……？)
もしかして、それは先輩なのだろうか。
ああ、これから向かうのは保健室でお見舞いなんだと作兵衛は思った。


留三郎を先頭に作兵衛、しんべえ、喜三太、平太と続き保健室の手前までやってしたところで留三郎は一旦足を止めた。

「皆、これから目にするかと思うが
どうか受け止めてほしい」

「えっ？？食満、先輩……？」

留三郎は襖を開けるのを躊躇ったが、ゆっくりと開いた。
「……、そんな」
憧れと淡い恋心をかすかに忍ばせて。
気持ちが伝わるとか両思いになるとかそんな事は望んでいなかった。
ただ、あの人が幸せでいればそれでいいって思ってたのに。

どうして。

なんで。

と思いが脳裏をよぎった。

そんなちっぽけな願いさえ叶わないのだう。