あきらが手当てを受けに保健室に向かったのを見ていた五年生一同は唖然としていた。

「なあ…三郎…あの天女何か妙じゃなかったか？」
尾浜勘右衛門は同じ学級委員会の鉢谷三郎に
問いかけた。
「曲者に向けたあの殺気……
未来は争いもなく、平和だと聞いていたが……
ただ者ではなさそうだ」
「俺も同意見だ、とは言えあんまり接点がないからどう判断するかなあ」
竹谷は頭をかき、久々知を見るとどこから
出しか分からないが、携帯食料の豆腐を食べていた。
「兵助…何食べてるんだ」
「？？豆腐だけど？？ちょうど小腹が空いた
から、あ、八左ヱ門も食べるか？」
(マイペース過ぎる……)
会話を戻そうと鉢谷は不破に話しかけたが、
不破は何故か上の空だった。
「雷蔵？どうかしたのか？」
「僕……好きになっちゃったのかもしれない…」
ボーッとして言った不破に一同は驚いた。
「す、好きになったって…まさか天女！？」
鉢谷が聞くと不破はこくりと頷いた。
「何てゆうか、あの活躍を見たら…
急に雷に撃たれたみたいにビリビリってきて…
これは恋なのかな？？」
「ららららら雷蔵が…………恋…………」
「わー！！！！！三郎が失神した！！！！！！
しっかりしろー！！！！」
ショックのあまり失神してしまった鉢谷を
慌てて尾浜が支えた。
「てゆうか、天女に恋って……
まさか術！？他にもかかってないだろうな！」
竹谷が慌てると久々知が答えた。
「俺はかかってないぞ、理由はちゃんとある」
「理由？」
竹谷が聞き返すと久々知は語りだした。
「そう、あれは、こないだの放課後……」
(何か回想始まった…………)
「俺は自作の豆腐を食べてもらう人がちょうど見つからなくて、たまたま通ったあきらさんに頼んだんだけど…………
豆腐はそこまで好きじゃないからって断られたんだ！！！！」

(あーーいつもの兵助だ…………)
何故か安心した5年だった。
一方不破は
(あきらさんかっこよかったな…………)
一人上の空のままだった。