伊作はあきらの今までの行動を思い返し、他の4人に自分の考えを伝えた。
「皆がどう思ってるのは分からないけど……僕はあきらちゃんのことをとても今までの天女と同じとは思えない、理由はちゃんとある」
「伊作……！！！」
仙蔵は伊作の胸ぐらを掴んだ。
「言っておくけど、僕は正気だ、
もちろん留三郎もね
それとも皆このまま永遠に繰り返したいの？
この生活をさ」
「それは……」
仙蔵が答えようとすると、
「伊作先輩！！！！！！」
乱太郎が慌てて走ってきた。
「乱太郎…？」
伊作は走ってきた乱太郎の顔が強張っているのを見て、何か緊急事態が
起きているを察した。
「い、伊作先輩！！あの！！！」
「乱太郎、落ち着いて、ゆっくり話すんだ
何かあったんだよね？」
伊作は慌てて走ってきた乱太郎を落ち着かせようとなだめた。
「しんべえと喜三太が！！
曲者に人質にされてしまったんです！！」
「え！？！？！？」
乱太郎の言葉に六年達に緊張が走った。
「用具委員会の仕事が終わるのを待ってたんですけど、しんべえと喜三太の二人が離れた瞬間に茂みから曲者が飛び出してきて……
食満先輩が私が一番早いから助けを呼んでこいって……！！」
涙をこぼしながら必死に伝える乱太郎に小平太が強く背中を叩いた。
「乱太郎、安心しろ！！！
私がイケイケドンドンで助けてやる！！！」
「ちょっ、小平太そんな強く叩いたら乱太郎の骨が折れちゃうよ！」
「仙蔵……」
「ああ…間違いない、やつらの目的は……
天女であるあきらだ、天女の力を外部に利用されるわけにはいかない、どうするかは後で話すとして、今は救出が最優先だ！！」