用具委員会一行とあきらは落とし穴を順調に埋めていった。

落とし穴を埋める際には、誰かいないと確認しないといけないので声かけが必須だ。
留三郎が「おーい、誰かいないかー？」
と落とし穴を見ると
「食満先輩！！」
「乱太郎！！」
保健委員会一年の乱太郎が落ちていた。
「よし、ロープを垂らすぞ、捕まれ乱太郎」
留三郎が垂らしたロープを使い、乱太郎が落とし穴から上がってきた。
「すみません……いつも……」
乱太郎が申し訳なさそうに謝るので、留三郎は
「なあに、いつもの事だ、気にしなくていい」
と乱太郎の頭を撫でて笑った。

「あ、もう皆救出されてたんだ
あれ？？伊作先輩は………？？」
既に保健委員会のメンバーのほとんどは救出されていたが、残る保健委員長の善法寺伊作だけが、居なかった。
「食満先輩、今日伊作先輩外出なさってませんよね？？」
「ああ、特に今日は聞いてないな…」
善法寺伊作は超不運を持っている。そのせいで何かあったのではと留三郎は不安に思い、顔色を悪くした。
「まさか……何かすごい不運があって伊作は忍術学園の外に飛ばされたのか！？！？」

「何 で そ う な る」

あきらはついツッコミをしてしまった。
「だって…！伊作だぞ！？何かあってもおかしくないだろう！！」
「そりゃ、伊作の不運ならありえそうだけど…伊作が小松田さんをまいて外出出来るとは思えない」
留三郎は確かに…と思った。
事務員の小松田秀作は忍術学園に入る物出る物に厳しく、必ずサインを求めてくる。(サインすればいいので簡単に曲者が出入り出来てしまう所はガバガバだと思うbyあきら)

「これでだいたい落とし穴埋めたし、小松田さんに伊作が外出してるか聞いてこよう」
「そうだな」
留三郎とあきらは後の作業を作兵衛達に任せて正門に向かった。