短編夢
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あきらは少々困り果てていた。
千空がいるという研究所にやってきて受付の人にここで待っているようにと言われたのだが。(多分合っているはず……)
たまたまそこを通りかかった男の人があきらに話しかけてきたのだ。
いわゆるナンパというやつである。
会話の苦手意識が抜けないあきらにとっては苦行だった。
(困ったなあ……)
「おい、センクウ
またトムのやつがナンパしてるらしい」
「はあ?またかよ」
共同実験棟で研究を行ってた千空は怪訝な顔をする。
トム、というのは同じ研究所のメンバーなのだがところ構わずナンパをするというのが悪い癖だ。
「俺は仲裁にはいかねーぞ、もう懲り懲りだ」
「そのナンパされてるっていう日本人の女性がどうもセンクウに会いたいらしいんだが」
「日本人?」
日本人の女性で千空の知り合い……というと。
(杠……か?)
こっちにくるという連絡は無かったはずだが。
でも万が一ということもある。
杠は千空の親友、大樹の妻だ。
彼女に何かあったら大樹に顔向け出来ない。
杠が何故一人でこっちに来たのかは分からないが……まぁ仕事の都合上一人で海外に飛ぶこともあるしな……と千空は納得した。
「分かった、いきゃいーんだろ」
はあ……とため息をついて千空は作業を中断する。
(それにしてもトムのやつほんと見境ねぇな
相手いてもお構い無しかよ、いたいた、ったく)
千空はナンパを止めようと近づきそのトムに言い寄られている女性が誰なのか気づいた。
(嘘だろ)
どうしても会いたくて、会いたくなかった人物がそこにいる。
その存在に気づいた千空はトムの肩に手を置いた。
「悪ぃが、それは俺のツレだ、諦めてくれ」
睨むとトムはすまねぇとあっさり帰っていった。
なるほど相手がいるやつにはアタックしないのか。
せん、くう、と懐かしい声がする。
あきらの首にはイルカのネックレスがかけられていて千空は目を細めた。
「よおあきら、何か用か?」
「千空、私……やっぱり千空の事」
と言いかけたあきらの体を千空は力いっぱい抱き締めた。
「それは俺から言わせてくれ」
抱き締めていた力をゆるめ少し離す。
「もう一回俺と……」
どこかで祝福の鐘がなったような気がした。
千空がいるという研究所にやってきて受付の人にここで待っているようにと言われたのだが。(多分合っているはず……)
たまたまそこを通りかかった男の人があきらに話しかけてきたのだ。
いわゆるナンパというやつである。
会話の苦手意識が抜けないあきらにとっては苦行だった。
(困ったなあ……)
「おい、センクウ
またトムのやつがナンパしてるらしい」
「はあ?またかよ」
共同実験棟で研究を行ってた千空は怪訝な顔をする。
トム、というのは同じ研究所のメンバーなのだがところ構わずナンパをするというのが悪い癖だ。
「俺は仲裁にはいかねーぞ、もう懲り懲りだ」
「そのナンパされてるっていう日本人の女性がどうもセンクウに会いたいらしいんだが」
「日本人?」
日本人の女性で千空の知り合い……というと。
(杠……か?)
こっちにくるという連絡は無かったはずだが。
でも万が一ということもある。
杠は千空の親友、大樹の妻だ。
彼女に何かあったら大樹に顔向け出来ない。
杠が何故一人でこっちに来たのかは分からないが……まぁ仕事の都合上一人で海外に飛ぶこともあるしな……と千空は納得した。
「分かった、いきゃいーんだろ」
はあ……とため息をついて千空は作業を中断する。
(それにしてもトムのやつほんと見境ねぇな
相手いてもお構い無しかよ、いたいた、ったく)
千空はナンパを止めようと近づきそのトムに言い寄られている女性が誰なのか気づいた。
(嘘だろ)
どうしても会いたくて、会いたくなかった人物がそこにいる。
その存在に気づいた千空はトムの肩に手を置いた。
「悪ぃが、それは俺のツレだ、諦めてくれ」
睨むとトムはすまねぇとあっさり帰っていった。
なるほど相手がいるやつにはアタックしないのか。
せん、くう、と懐かしい声がする。
あきらの首にはイルカのネックレスがかけられていて千空は目を細めた。
「よおあきら、何か用か?」
「千空、私……やっぱり千空の事」
と言いかけたあきらの体を千空は力いっぱい抱き締めた。
「それは俺から言わせてくれ」
抱き締めていた力をゆるめ少し離す。
「もう一回俺と……」
どこかで祝福の鐘がなったような気がした。