短編夢
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バレンタインデーからはや1ヶ月。
今日は待ちに待ったホワイトデーの当日だ。
先月渡したチョコの返しを私はいまかいまかと待ちわびていた。
同じタイミングで登校してきた彼を見つけ勇気をだして後ろから声をかけた。
「お、おはよう、千空」
「おはよう」
平常心を取り繕い彼の隣に並んでちらりと横を見る。
果たして千空はお返しをくれるのだろうか。
でも流石にこちらから聞くわけにもいかないのでここは辛抱強く待つしかない。
教室にたどり着いたところでやっと千空からその手の話題が出た。
「あ”ーーそういや、今日ホワイトデーだったか」
ほらよ、と千空から小袋を渡され思わず微笑みがもれてしまった。
「あ、ありがとう」
胸に抱いてお礼を言うと千空は照れたのかそっぽをむいた。
そういえば、中身は何だろう。
「っと、クッキーだからすぐには腐んねぇだろうが早めに食べろよ」
「うん、…………クッキー……?」
クッキーと聴こえた途端私はビシッと石化したように凍りついた。
ホワイトデーにおけるクッキーの意味。
それは『友達』という意味だ。
つまり千空は友達以上の気持ちは持っていない、ということを意味さす。
そうなれば先月渡したチョコの返答も決まっているようなもので…………
それからの会話はあまり覚えていない。
気づけば放課後になっていた。
その日の放課後千空は杠の元を訪れた。
目的は先月貰った義理チョコの返しを渡す為である。
とはいえ杠の付き合いは長い。
恒例のクッキーを渡し用事が済んだ為科学室へと帰ろうとすると杠が引き留めた。
「そういえば、もうお返し渡したの?」
と言われて浮かぶのは同じくクラスメイトのあいつだ。
「登校した時に会ったからな
もう渡した」
「へえへえ、そうなんだ
反応は??」
ずいずいと聞いてくる杠にたじろぎつつも答える。
「喜んでる……と思ったんだがあのあと話しかけてもずっと上の空だったな……」
クッキーはおきに召さなかったのか……と呟くと杠が待ったをかけた。
「ちょっと待って……?
千空くん、クッキー渡したの??」
「??それがどうした、ふつーだろ」
いままでもそれで何の問題も無かったはずだ。
「私の場合は問題ないけど…………」
とにかく、と杠は現状起きている事を千空に説明した。
家までの帰り道をとぼとぼと、歩き私はためいきをついた。
元々望みは薄いと分かっていたけれどはっきりと分かるとこんなにも気持ちが沈むなんて思ってもいなかった。
明日からどんな顔をして会えばいいのやら。
目の端が潤みかけたその時背後から誰かに自分の名前が呼ばれたような気がした。
気のせいだろうか、と後ろを振り向くと私は驚いた。
「はあ、っ、やっと追い付いた……」
何と千空だった。
学校から走ってきたのが見てとれるほど息切れしている。
こんなにも慌てて走ってくるなんて珍しい。
「ど、どうしたの」
ぜえぜえまともに喋れない千空はポケットから何かを出し私の口に突っ込んだ。
「これ、渡すの忘れてたわ」
口の中に甘みが広がるのを感じ、これは飴だと気付く。
飴つまりキャンディーの送る意味は……
いやいや、そんなことまさか、と心の中で否定するも心臓はバクバクと速く動いている。
「あ、あの、千空これってーー」
「…………それ特注品だから大事に食えよ
てめえ分しか作ってねぇからな、特別だ」
意味は分かってんな、と真っ直ぐに見つめられる。
さっきまで苦いビターのような1日だと思っていたが甘い1日になりそうだ。
今日は待ちに待ったホワイトデーの当日だ。
先月渡したチョコの返しを私はいまかいまかと待ちわびていた。
同じタイミングで登校してきた彼を見つけ勇気をだして後ろから声をかけた。
「お、おはよう、千空」
「おはよう」
平常心を取り繕い彼の隣に並んでちらりと横を見る。
果たして千空はお返しをくれるのだろうか。
でも流石にこちらから聞くわけにもいかないのでここは辛抱強く待つしかない。
教室にたどり着いたところでやっと千空からその手の話題が出た。
「あ”ーーそういや、今日ホワイトデーだったか」
ほらよ、と千空から小袋を渡され思わず微笑みがもれてしまった。
「あ、ありがとう」
胸に抱いてお礼を言うと千空は照れたのかそっぽをむいた。
そういえば、中身は何だろう。
「っと、クッキーだからすぐには腐んねぇだろうが早めに食べろよ」
「うん、…………クッキー……?」
クッキーと聴こえた途端私はビシッと石化したように凍りついた。
ホワイトデーにおけるクッキーの意味。
それは『友達』という意味だ。
つまり千空は友達以上の気持ちは持っていない、ということを意味さす。
そうなれば先月渡したチョコの返答も決まっているようなもので…………
それからの会話はあまり覚えていない。
気づけば放課後になっていた。
その日の放課後千空は杠の元を訪れた。
目的は先月貰った義理チョコの返しを渡す為である。
とはいえ杠の付き合いは長い。
恒例のクッキーを渡し用事が済んだ為科学室へと帰ろうとすると杠が引き留めた。
「そういえば、もうお返し渡したの?」
と言われて浮かぶのは同じくクラスメイトのあいつだ。
「登校した時に会ったからな
もう渡した」
「へえへえ、そうなんだ
反応は??」
ずいずいと聞いてくる杠にたじろぎつつも答える。
「喜んでる……と思ったんだがあのあと話しかけてもずっと上の空だったな……」
クッキーはおきに召さなかったのか……と呟くと杠が待ったをかけた。
「ちょっと待って……?
千空くん、クッキー渡したの??」
「??それがどうした、ふつーだろ」
いままでもそれで何の問題も無かったはずだ。
「私の場合は問題ないけど…………」
とにかく、と杠は現状起きている事を千空に説明した。
家までの帰り道をとぼとぼと、歩き私はためいきをついた。
元々望みは薄いと分かっていたけれどはっきりと分かるとこんなにも気持ちが沈むなんて思ってもいなかった。
明日からどんな顔をして会えばいいのやら。
目の端が潤みかけたその時背後から誰かに自分の名前が呼ばれたような気がした。
気のせいだろうか、と後ろを振り向くと私は驚いた。
「はあ、っ、やっと追い付いた……」
何と千空だった。
学校から走ってきたのが見てとれるほど息切れしている。
こんなにも慌てて走ってくるなんて珍しい。
「ど、どうしたの」
ぜえぜえまともに喋れない千空はポケットから何かを出し私の口に突っ込んだ。
「これ、渡すの忘れてたわ」
口の中に甘みが広がるのを感じ、これは飴だと気付く。
飴つまりキャンディーの送る意味は……
いやいや、そんなことまさか、と心の中で否定するも心臓はバクバクと速く動いている。
「あ、あの、千空これってーー」
「…………それ特注品だから大事に食えよ
てめえ分しか作ってねぇからな、特別だ」
意味は分かってんな、と真っ直ぐに見つめられる。
さっきまで苦いビターのような1日だと思っていたが甘い1日になりそうだ。