短編夢
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今日は2月14日。バレンタインデーである。
学校が甘い空気に包まれる中、廊下を移動するある一人の女子生徒がいた。
が、歩くその女子生徒は険悪ともとれる表情をしている為周りは自ずと道を譲っていく奇妙な風景が生まれた。
その女子が纏う空気は重々しく、これからチョコを渡しにいくとは思えないほどだ。
その女子生徒は目当ての場所にたどり着くと、勢いよく戸を開けて叫んだ。
「たのもーー!!!!」
はて、ここは道場だったか、と一人の科学部員が首を傾げたがいつも通りの科学室である。
と思った矢先科学部長が実験の手を止め振り返った。
くらえ、と言わんばかりにずいっとチョコを差し出されるのを千空は素直に受け取った。
「ったく、毎年毎年静かに入れねぇのか」
「うっさい、はい、今年の義理チョコ」
事の顛末を見守っていた一年部員ははて、と疑問に思った。
(義理チョコ?)
義理チョコ。意味としては好きな相手ではない人に渡すチョコなはずだ。
でもって、反対は本命チョコ。
(どこをどう見ても……本命でしょ)
遠目から見ても分かる。
形がもろ、ハート型で、リボンは赤いし義理にはとても見えない。
千空はさっさと開封してチョコを賞味している。
チョコももちろんハート型(表面にはでかでかと義理と書かれていた)だが、千空は特に気にする様子もない。
「……どう……?」
「うまい」
「良かった
去年はケーキにしたけど今年は初心に返ろうかなって一念発起してみたの」
何て微笑ましい会話をしているが……
(いや、義理だよね???)
と思っていた矢先、後ろから声がした。
「気になる??」
声の主は浅霧幻、科学部員ではないが度々出入りする手品部の部長だ。
「いやあ、びっくりするよね
毎年あんな感じなんだよねぇ」
俺も最初はびっくりしたなあと懐かしそうに呟く幻。
と話していた二人の元にあきらがやってきた。
「はい、感謝チョコ」
「ありがと、あきらちゃん」
一年部員にも、と小さな包みが渡された。
そしてあきらは他の部員にチョコを渡しにいった。
「感謝チョコ……義理じゃないんですね」
「そうそう、俺らにくれるのは感謝チョコ
でもって義理チョコは千空ちゃんのみなんだよね」
普通そういうのは本命チョコではないだろうか……と思うのは僕だけでしょうか。
「本命チョコを誰かに渡してるとかはないんですか?」
「中学からの知り合いだけどそういった話は聞かないねぇ」
「浅霧先輩面、あの二人って付き合ってるんですか???」
部長と知り合いなのは知っていたが、全くそういう噂は聞かない。
「さて、どっちでしょーー??」
幻はへらへらと誤魔化した。
答えはどっちかは分からないが一つだけ分かる。
あの義理チョコは単なる義理チョコではないらしい。
本日一個目のチョコを手に僕もあんな風に特別なチョコを欲しいものだ、と思った。
学校が甘い空気に包まれる中、廊下を移動するある一人の女子生徒がいた。
が、歩くその女子生徒は険悪ともとれる表情をしている為周りは自ずと道を譲っていく奇妙な風景が生まれた。
その女子が纏う空気は重々しく、これからチョコを渡しにいくとは思えないほどだ。
その女子生徒は目当ての場所にたどり着くと、勢いよく戸を開けて叫んだ。
「たのもーー!!!!」
はて、ここは道場だったか、と一人の科学部員が首を傾げたがいつも通りの科学室である。
と思った矢先科学部長が実験の手を止め振り返った。
くらえ、と言わんばかりにずいっとチョコを差し出されるのを千空は素直に受け取った。
「ったく、毎年毎年静かに入れねぇのか」
「うっさい、はい、今年の義理チョコ」
事の顛末を見守っていた一年部員ははて、と疑問に思った。
(義理チョコ?)
義理チョコ。意味としては好きな相手ではない人に渡すチョコなはずだ。
でもって、反対は本命チョコ。
(どこをどう見ても……本命でしょ)
遠目から見ても分かる。
形がもろ、ハート型で、リボンは赤いし義理にはとても見えない。
千空はさっさと開封してチョコを賞味している。
チョコももちろんハート型(表面にはでかでかと義理と書かれていた)だが、千空は特に気にする様子もない。
「……どう……?」
「うまい」
「良かった
去年はケーキにしたけど今年は初心に返ろうかなって一念発起してみたの」
何て微笑ましい会話をしているが……
(いや、義理だよね???)
と思っていた矢先、後ろから声がした。
「気になる??」
声の主は浅霧幻、科学部員ではないが度々出入りする手品部の部長だ。
「いやあ、びっくりするよね
毎年あんな感じなんだよねぇ」
俺も最初はびっくりしたなあと懐かしそうに呟く幻。
と話していた二人の元にあきらがやってきた。
「はい、感謝チョコ」
「ありがと、あきらちゃん」
一年部員にも、と小さな包みが渡された。
そしてあきらは他の部員にチョコを渡しにいった。
「感謝チョコ……義理じゃないんですね」
「そうそう、俺らにくれるのは感謝チョコ
でもって義理チョコは千空ちゃんのみなんだよね」
普通そういうのは本命チョコではないだろうか……と思うのは僕だけでしょうか。
「本命チョコを誰かに渡してるとかはないんですか?」
「中学からの知り合いだけどそういった話は聞かないねぇ」
「浅霧先輩面、あの二人って付き合ってるんですか???」
部長と知り合いなのは知っていたが、全くそういう噂は聞かない。
「さて、どっちでしょーー??」
幻はへらへらと誤魔化した。
答えはどっちかは分からないが一つだけ分かる。
あの義理チョコは単なる義理チョコではないらしい。
本日一個目のチョコを手に僕もあんな風に特別なチョコを欲しいものだ、と思った。