短編夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「混んでるね」
「混んでるな」
休日のとある日に繁華街へとやってきた二人は呟いた。
「仕方ねぇ、とっとと用事済ますぞ」
観光客や春休みになったことで街が人でごったがしている。
しかし、こちらも用事がある以上帰るわけにもいかないのだ。
ロケットの材料を買いに来たのだがこんなに混んでいるとは。
大樹や杠は別に用事があり代わりに連れてきたのがこいつだ。
今朝頭にふととある文字がよぎったが、そんな下らない文字はさっさと消すに限る。
が、服装をみたらまたよぎった。
いけねぇと思いスマホのメモを見て再確認をする。
「まずはこの店から……“あ??」
隣を見るといるはずの人物はこつぜんと姿を消し全然知らないやつが立っていた。
「どこに行ったんだ、あいつ……」
LINEでどこにいるとメッセージを打つとコンビニと返ってきた。
「いやーーごめんね
はぐれちゃって」
「コンビニ行くなら行くで一言言え」
ぎろりと睨むと謝罪が返ってきたのでとりあえずよしとした。
「何の為の荷物持ちだ、ったく」
しかし、それ以降も。
「次は……また居ねぇじゃねぇか……」
気を抜くとまたこつぜんと姿を消してしまうのだ。
「“あ~~~くそ、探しにくいったらありゃしねぇ!」
身長が低くこの混雑した集団の中から探しだすのは一苦労した。
別に方向音痴でもないが、小柄な体型な為人に押されて移動してしまうらしい。
服の裾でも掴んでもらおうとしたが、結局同じ事だった。
「やぁ、千空」
よっと、手を上げて合図にしたあきらは街路樹の下で待っていた。
「やぁ、じゃねぇ
はぁ、これで何回目だ??」
「うーん、5回は越えてるのでは?」
千空は7回目だと、訂正しつつ渇いた喉を水で潤した。
「ねぇ、千空
パーツも揃ってきた事だし私帰るね」
ペットボトルを口から離して千空は追及しようとしたが、表情を見て勘づいた。
「あ、これは持って帰るから
次会った時に渡せばいいだけだし
後は千空一人でもいけるでしょ?」
「…………」
千空は黙って話を聴いていた。
「何回も探してもらうの気がひけるし」
確かにこれ以上付き添って貰わなくても用事は済む。
荷物を持ったまま彷徨くよりはいいだろう。
合理的に考えればいい案だ。
千空は心の中で己に問いかけた。
それでいいのか、と。
「いいわけ、ねぇだろうが」
ボソッと落とした言葉にあきらが顔を上げた。
「買い物以外にテメーに用件があんだよ
それが終わるまでは離さねぇ
礼だ、礼。付き添ってもらった礼してねぇからな
スイーツでも何でも奢ってやる
だから帰んな」
「千空……でも迷子になったら……」
迷惑かけることになるし、と声をすぼめて肩を落としたあきらに千空は手を差し出した。
「手、繋げば済む話だろうが」
ほら、と差し出された手におずおずと重ねると固くぎゅっと繋がれた。
自分とは大きさも肌の感触も違う事に対し少し気恥ずかしさを感じた。
「ありがとう、千空」
「またどこで迷子になろうと必ず見つけ出してやる、だから気にやむな」
千空はそう言うと手を引っ張った。
とにかく顔をみられたくなかったのだ。
あんな台詞ただの友人にかける言葉じゃないと突っ込みつつ足を動かした。
チラリと後ろを盗み見ると手は繋がれたままだった。
迷子になるよりはマシだと思うが別の意味では大変だ。
脳内で消したあの言葉が再び読みがってくる。
(だからデートじゃねぇ)
「混んでるな」
休日のとある日に繁華街へとやってきた二人は呟いた。
「仕方ねぇ、とっとと用事済ますぞ」
観光客や春休みになったことで街が人でごったがしている。
しかし、こちらも用事がある以上帰るわけにもいかないのだ。
ロケットの材料を買いに来たのだがこんなに混んでいるとは。
大樹や杠は別に用事があり代わりに連れてきたのがこいつだ。
今朝頭にふととある文字がよぎったが、そんな下らない文字はさっさと消すに限る。
が、服装をみたらまたよぎった。
いけねぇと思いスマホのメモを見て再確認をする。
「まずはこの店から……“あ??」
隣を見るといるはずの人物はこつぜんと姿を消し全然知らないやつが立っていた。
「どこに行ったんだ、あいつ……」
LINEでどこにいるとメッセージを打つとコンビニと返ってきた。
「いやーーごめんね
はぐれちゃって」
「コンビニ行くなら行くで一言言え」
ぎろりと睨むと謝罪が返ってきたのでとりあえずよしとした。
「何の為の荷物持ちだ、ったく」
しかし、それ以降も。
「次は……また居ねぇじゃねぇか……」
気を抜くとまたこつぜんと姿を消してしまうのだ。
「“あ~~~くそ、探しにくいったらありゃしねぇ!」
身長が低くこの混雑した集団の中から探しだすのは一苦労した。
別に方向音痴でもないが、小柄な体型な為人に押されて移動してしまうらしい。
服の裾でも掴んでもらおうとしたが、結局同じ事だった。
「やぁ、千空」
よっと、手を上げて合図にしたあきらは街路樹の下で待っていた。
「やぁ、じゃねぇ
はぁ、これで何回目だ??」
「うーん、5回は越えてるのでは?」
千空は7回目だと、訂正しつつ渇いた喉を水で潤した。
「ねぇ、千空
パーツも揃ってきた事だし私帰るね」
ペットボトルを口から離して千空は追及しようとしたが、表情を見て勘づいた。
「あ、これは持って帰るから
次会った時に渡せばいいだけだし
後は千空一人でもいけるでしょ?」
「…………」
千空は黙って話を聴いていた。
「何回も探してもらうの気がひけるし」
確かにこれ以上付き添って貰わなくても用事は済む。
荷物を持ったまま彷徨くよりはいいだろう。
合理的に考えればいい案だ。
千空は心の中で己に問いかけた。
それでいいのか、と。
「いいわけ、ねぇだろうが」
ボソッと落とした言葉にあきらが顔を上げた。
「買い物以外にテメーに用件があんだよ
それが終わるまでは離さねぇ
礼だ、礼。付き添ってもらった礼してねぇからな
スイーツでも何でも奢ってやる
だから帰んな」
「千空……でも迷子になったら……」
迷惑かけることになるし、と声をすぼめて肩を落としたあきらに千空は手を差し出した。
「手、繋げば済む話だろうが」
ほら、と差し出された手におずおずと重ねると固くぎゅっと繋がれた。
自分とは大きさも肌の感触も違う事に対し少し気恥ずかしさを感じた。
「ありがとう、千空」
「またどこで迷子になろうと必ず見つけ出してやる、だから気にやむな」
千空はそう言うと手を引っ張った。
とにかく顔をみられたくなかったのだ。
あんな台詞ただの友人にかける言葉じゃないと突っ込みつつ足を動かした。
チラリと後ろを盗み見ると手は繋がれたままだった。
迷子になるよりはマシだと思うが別の意味では大変だ。
脳内で消したあの言葉が再び読みがってくる。
(だからデートじゃねぇ)