短編夢
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「ほら、千空頑張って
あとちょっとだよ」
ぜぇぜぇ疲れた様子の千空に発破をかけ促した。
今日はとある山にある旅館に泊まりにきていて最寄りのバスから徒歩で歩いている途中である。
徒歩でも行ける距離なので日頃運動不足な千空にはちょうどいいと思い徒歩にした。
しかし千空には予想外にしんどかったらしく既に息が上がっていた。
「せめて休憩させろ……」
と言うと地面に座りこんでしまった。
「ちょっと、千空こんなところで……」
と言ったが他に人通りは居ないしまぁいいかと自分も休憩する事にしたのだが。
その時自身の体の違和感に気付いた。
「…………!」
「どうした」
何か慌てた様子に気付いて千空が聞いた。
「いや、その蚊に刺されちゃった……
多分……」
「どこだ、痒み止めは持ってるから塗れよ」
「いや……その……お腹の辺り」
千空は思わずはぁ!?と叫んだ。
腕とかならまだしも腹かよと呆れている。
しかも本日の服装はワンピースだ。
「こんなところで脱ぐわけにもいかないし……」
しょうがないと諦めようとしたとき千空が声をかけた。
「しゃあねぇな、俺がやってやる」
「いやいやいや、無理!!」
何を言っているのか、この男は。
「いや、だって外だし、ワンピースめくる事になるし……」
「さっきから人見掛けてねぇだろ
気にすんな、お互い裸見せあった仲だろうが
こんなんで恥じらうんじゃねぇ」
それは確かにそうなんだけど……とぼやきついた。
「ほら、見せろ」
赤い瞳に魅せられあきらはワンピースをつまんで上げた。
かっと羞恥すると共に泊まりのお蔭で見せられる下着を履いてきたことに安堵する。
早く早くと思ったが千空は何故かじっくりと凝視していた。
千空はそのまま見つめて喉をごくりと唸らせ微動だにしない。
「っ、せ、千空?」
「あー、悪い悪い、患部の場所を確かめてた」
よく使われる痒み止めの蓋を開け患部にピトリと当てると冷たさにピクリと体が動いた。
「ひゃっ」
「動くな、塗れねぇじゃねぇか」
つい手をおろしてしまい持ち上げられてただはい、と頷くのみ。
「ん、ふぅ」
千空の手の動きの度体が震え息が漏れる。
何だっけこれは、私は今何をされているのだっけと心の中で思う。
ただ痒み止めを塗られているだけなのに。
あきらの奥が熱くなっていく。
頭はくらくらしてお湯にも入っていないのにのぼせそうな感覚がした。
心なしか千空の息も上がっているような気がする。
「……終わったぞ」
ぼーっとしていたあきらは声をかけられてはっと我に返った。
「……っ、う、うん、ありがとう……」
ぱっと手から服を離したが、以前体の火照りは冷めぬままだった。
この火照りをどうしようかと悩んでいたら千空が口を開いた。
「なあ、旅館に着いたら、何だが」
ぐいっと手をひかれ急に顔を近づけられた。
「熱いから冷やさねぇか」
唇をなぞられ更に熱が上昇した。