短編夢
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「最近何かやけに視線を感じるんだよね」
「えーなにそれ怖い、ストーカー?」
お昼ごはんの最中あきらは友人に悩みを打ち明けていた。
「でもそれらしき人につけられてる気配もなくて……」
「じゃあ、もしかして幽霊!?」
わいわいと友人達はポルターガイストだの何だのはしゃいでいる。
こんなに滅入っているというのに。
人影もないところでも視線を感じた事があるから人じゃないかもしれないけど、そもそも生まれてこのかた幽霊のゆの字も見たことがないくらい霊感はない。
急に霊感がついたなどありえないのだ。
「じゃあ、錯覚とか勘違いじゃないのー」
確固たる証拠もなし、変な人物に話しかけられたでもなし、で私の話は勘違いの一言で片付けられてしまった。
いや、本当に勘違いならいいんだけど。
とはいえ何の被害もないし警察に相談しても同じ事か。
そう考え込みながら帰宅しているとまた背筋がぞわぞわと嫌な感じがした。
また、だ。
誰かに見られているような感覚がする。
しかも今度はこっちに迫ってきているような気がして、あきらは街中を走った。
周囲にぶつかって謝りながらも足を進めた。
気付けば路地裏に入り込んでいて自分でもどこに居るのか分からなくなってしまった。
(ど、どうしよう)
スマホを開いて現在地を調べようとした時コツンと誰かの足音が聞こえた。
「だ、だれ?」
恐る恐るその方向を見ると知らない男がたっていた。
黒い髪、黒いコート、靴も黒。
服装から何もかもが真っ黒で。
でも瞳は赤く彷彿とカラスを連想させた。
その男はスマホをポケットに入れると急に自己紹介をし始めた。
「“あーそういや、初めましてになるのか
俺の名前は……いや後でいいか」
その男の口から出た言葉を聞いた瞬間背筋が凍った。
どうして私の名前を知っているのか。
全く見たこともない、知り合いであるはずがないのだ。
男が私に一歩近づいた。
「こ、来ないで!!」
そうだ、逃げればいい。
街中に戻って誰かに助けを求めるんだ。
走って逃げたあきらを見て男はしゃあねぇなとまたスマホを覗いた。
「何もそんな逃げなくていいだろ、なあ」
「どうして……?」
さっかからこうだ。
私の行く先にはあの男が待ち受けている。
まるで私の通る道が分かっているかのように。
「いい加減疲れてきたろ」
走って息が上がり疲れているのは承知だ。
でも本能が告げていた。
捕まってはいけない、と。
嫌な予感がする。
じりじりと後退し逃げ道を探していると男が言った。
「逃げ道なんかねぇよ、用意するわけねぇだろ」
はっと後ろを見るとそこは壁だった。
もう、逃げれない。
「や、やだ……!!」
どんどん男が近づいてくる恐怖心であきらは意識を失った。
「っと、危ねぇな」
崩れ落ちた体を男が支える。
「“あーー重めぇ……」
実は男は体力がなく先ほどのおっかけっこすら重労働だった。
「……が、ようやく会えたな
ずっと探してたぜ」
顔をニタリと歪ませ男はあきらの頬にキスを落とした。
「えーなにそれ怖い、ストーカー?」
お昼ごはんの最中あきらは友人に悩みを打ち明けていた。
「でもそれらしき人につけられてる気配もなくて……」
「じゃあ、もしかして幽霊!?」
わいわいと友人達はポルターガイストだの何だのはしゃいでいる。
こんなに滅入っているというのに。
人影もないところでも視線を感じた事があるから人じゃないかもしれないけど、そもそも生まれてこのかた幽霊のゆの字も見たことがないくらい霊感はない。
急に霊感がついたなどありえないのだ。
「じゃあ、錯覚とか勘違いじゃないのー」
確固たる証拠もなし、変な人物に話しかけられたでもなし、で私の話は勘違いの一言で片付けられてしまった。
いや、本当に勘違いならいいんだけど。
とはいえ何の被害もないし警察に相談しても同じ事か。
そう考え込みながら帰宅しているとまた背筋がぞわぞわと嫌な感じがした。
また、だ。
誰かに見られているような感覚がする。
しかも今度はこっちに迫ってきているような気がして、あきらは街中を走った。
周囲にぶつかって謝りながらも足を進めた。
気付けば路地裏に入り込んでいて自分でもどこに居るのか分からなくなってしまった。
(ど、どうしよう)
スマホを開いて現在地を調べようとした時コツンと誰かの足音が聞こえた。
「だ、だれ?」
恐る恐るその方向を見ると知らない男がたっていた。
黒い髪、黒いコート、靴も黒。
服装から何もかもが真っ黒で。
でも瞳は赤く彷彿とカラスを連想させた。
その男はスマホをポケットに入れると急に自己紹介をし始めた。
「“あーそういや、初めましてになるのか
俺の名前は……いや後でいいか」
その男の口から出た言葉を聞いた瞬間背筋が凍った。
どうして私の名前を知っているのか。
全く見たこともない、知り合いであるはずがないのだ。
男が私に一歩近づいた。
「こ、来ないで!!」
そうだ、逃げればいい。
街中に戻って誰かに助けを求めるんだ。
走って逃げたあきらを見て男はしゃあねぇなとまたスマホを覗いた。
「何もそんな逃げなくていいだろ、なあ」
「どうして……?」
さっかからこうだ。
私の行く先にはあの男が待ち受けている。
まるで私の通る道が分かっているかのように。
「いい加減疲れてきたろ」
走って息が上がり疲れているのは承知だ。
でも本能が告げていた。
捕まってはいけない、と。
嫌な予感がする。
じりじりと後退し逃げ道を探していると男が言った。
「逃げ道なんかねぇよ、用意するわけねぇだろ」
はっと後ろを見るとそこは壁だった。
もう、逃げれない。
「や、やだ……!!」
どんどん男が近づいてくる恐怖心であきらは意識を失った。
「っと、危ねぇな」
崩れ落ちた体を男が支える。
「“あーー重めぇ……」
実は男は体力がなく先ほどのおっかけっこすら重労働だった。
「……が、ようやく会えたな
ずっと探してたぜ」
顔をニタリと歪ませ男はあきらの頬にキスを落とした。