短編夢
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千空が救急車で運ばれたと知らせを受けて私は持っていたコップを落とした。
急いで病院に向かうと既に友人たちや千空の父親の白夜がいた。
「すみません、千空は……」
「今見てもらってる
……俺も一緒にいたわけじゃねぇから詳細は知らねぇんだ」
白夜によると千空は午前中に出掛けてくると言い家を出てから数時間が経った頃電話で息子が病院に送られたと聞いたらしい。
通報者は通りがかった他人で動かなくなった千空に気付き病院に連絡したとの事だ。
「交通事故とかじゃあねぇって聞いたが……」
すると、病院の医師が訪れ患者の意識が戻ったと知らせが届いた。
良かったと、全員が喜んだ。
とりあえず保護者である白夜が面会を行うことになり、一旦病院の待合室で待つ事になった。
一時間後、会っても大丈夫だと白夜が伝えにきたので全員で会いにいったのだが。
わいわいと大人数で訪れたせいか病室はぎゅうぎゅうで代わる代わる顔をみせる事にした。
「千空ー!!心配したぞ!!」
「良かった、皆心配してたんだよ?」
「うん、ともあれ意識が戻って安心したよ、千空」
「千空ちゃん、ジーマーでびっくりしたよ~~」
「ハッ、いつもの変わらなさそうだな」
「おう、千空、研究どうすんだよ?」
「しばらくは入院じゃないのか?」
「って言っても千空なら病室でも研究しそうだね~」
そろそろ話しかけてもいいかなと思い周囲に断りを入れて千空の前に行くと千空は驚いた顔をした。
「千空、具合大丈夫?」
千空は私の顔を凝視している。
そんなに驚く事でもないと思うんだけど……
「テメー……誰だ??」
「え……??」
誰って……頭が真っ白になって言葉が出てこない。
「誰って、千空ちゃん何言ってんの?
ほら……同級生のさ」
「こんなやついたか?」
千空に名前を告げたが、千空は相変わらず知らないと言い張る。
何を言っているのだろう。
「っ、とぼけた振りして
忘れたとでも言いたいの!?」
千空の肩を掴むと振りほどかれてしまった。
「……知らねぇ、ほんとに覚えてねぇんだ
悪いが、帰ってくんねぇか」
「……っっ」
千空のまるで他人行儀のような扱いに苦しくなって帰るとも言わずに病室から逃げてしまった。
杠、コハクは後を追い男性陣のみが残された。
「千空、あの言い方はないだろう」
白夜が諌めたが千空はそっぽを向いたままだった。
「千空ちゃん、覚えてないの?」
「俺を除く全員がそう言うなら知り合いなんだろうってうすうす気付いてた
本当に……これっぽっちも覚えちゃいねぇんだ」
千空は彼女との記憶を、出会いから今日までに至る日々の思い出を。
ぽっかりと無くしてしまっていたのだ。
面会時間が終わりぞろぞろと病室から帰っていく。
検査の為あと何日か入院しなければいけない。
「じゃあな、千空
……と、これ落ちてたってよ」
千空が握りしめていたと白夜は言った。
それは赤いレースで包まれた小さな箱だった。
「プレゼントか、何かか?」
「……思いだしたわ、これ買いにいった時に……」
プレゼントを買い気分が少し上昇していた千空はつい箱を小さく投げたのだが、指の先端に落ちて危うく地面に落とすところだった。
落としてはいけないと慌ててキャッチしたところ目の前には壁があった。
「打ち所が悪かったな
軽い脳震盪ってとこか」
そーか、と白夜は言ったところで面会時間がとっくに過ぎてると看護師から注意を入れられ慌てて病室から出ていった。
慌ただしい父親に苦笑した千空は手元の箱に目を移した。
「……プレゼント……」
箱の中にはアクセサリーのネックレスが入っている。
どう見ても自分用ではない。
「誰、だったけな」
その答えは明らかにはならなかった。
急いで病院に向かうと既に友人たちや千空の父親の白夜がいた。
「すみません、千空は……」
「今見てもらってる
……俺も一緒にいたわけじゃねぇから詳細は知らねぇんだ」
白夜によると千空は午前中に出掛けてくると言い家を出てから数時間が経った頃電話で息子が病院に送られたと聞いたらしい。
通報者は通りがかった他人で動かなくなった千空に気付き病院に連絡したとの事だ。
「交通事故とかじゃあねぇって聞いたが……」
すると、病院の医師が訪れ患者の意識が戻ったと知らせが届いた。
良かったと、全員が喜んだ。
とりあえず保護者である白夜が面会を行うことになり、一旦病院の待合室で待つ事になった。
一時間後、会っても大丈夫だと白夜が伝えにきたので全員で会いにいったのだが。
わいわいと大人数で訪れたせいか病室はぎゅうぎゅうで代わる代わる顔をみせる事にした。
「千空ー!!心配したぞ!!」
「良かった、皆心配してたんだよ?」
「うん、ともあれ意識が戻って安心したよ、千空」
「千空ちゃん、ジーマーでびっくりしたよ~~」
「ハッ、いつもの変わらなさそうだな」
「おう、千空、研究どうすんだよ?」
「しばらくは入院じゃないのか?」
「って言っても千空なら病室でも研究しそうだね~」
そろそろ話しかけてもいいかなと思い周囲に断りを入れて千空の前に行くと千空は驚いた顔をした。
「千空、具合大丈夫?」
千空は私の顔を凝視している。
そんなに驚く事でもないと思うんだけど……
「テメー……誰だ??」
「え……??」
誰って……頭が真っ白になって言葉が出てこない。
「誰って、千空ちゃん何言ってんの?
ほら……同級生のさ」
「こんなやついたか?」
千空に名前を告げたが、千空は相変わらず知らないと言い張る。
何を言っているのだろう。
「っ、とぼけた振りして
忘れたとでも言いたいの!?」
千空の肩を掴むと振りほどかれてしまった。
「……知らねぇ、ほんとに覚えてねぇんだ
悪いが、帰ってくんねぇか」
「……っっ」
千空のまるで他人行儀のような扱いに苦しくなって帰るとも言わずに病室から逃げてしまった。
杠、コハクは後を追い男性陣のみが残された。
「千空、あの言い方はないだろう」
白夜が諌めたが千空はそっぽを向いたままだった。
「千空ちゃん、覚えてないの?」
「俺を除く全員がそう言うなら知り合いなんだろうってうすうす気付いてた
本当に……これっぽっちも覚えちゃいねぇんだ」
千空は彼女との記憶を、出会いから今日までに至る日々の思い出を。
ぽっかりと無くしてしまっていたのだ。
面会時間が終わりぞろぞろと病室から帰っていく。
検査の為あと何日か入院しなければいけない。
「じゃあな、千空
……と、これ落ちてたってよ」
千空が握りしめていたと白夜は言った。
それは赤いレースで包まれた小さな箱だった。
「プレゼントか、何かか?」
「……思いだしたわ、これ買いにいった時に……」
プレゼントを買い気分が少し上昇していた千空はつい箱を小さく投げたのだが、指の先端に落ちて危うく地面に落とすところだった。
落としてはいけないと慌ててキャッチしたところ目の前には壁があった。
「打ち所が悪かったな
軽い脳震盪ってとこか」
そーか、と白夜は言ったところで面会時間がとっくに過ぎてると看護師から注意を入れられ慌てて病室から出ていった。
慌ただしい父親に苦笑した千空は手元の箱に目を移した。
「……プレゼント……」
箱の中にはアクセサリーのネックレスが入っている。
どう見ても自分用ではない。
「誰、だったけな」
その答えは明らかにはならなかった。