冬のある日。

大学生生活を送っていた千空の元にあるチケットが届いた。

「何だこりゃ」

それはとある温泉宿のチケット。
千空は数ヶ月前に懸賞に応募していた事を思い出した。

「温泉ねぇ……」

チケットはペアチケット。
千空には彼女がいて誘う相手はいる。

(正直に話すか……？)

うーんとしばし考え彼女の性格上隠した方がいいと判断した。

当日、千空とあきらは温泉街へとやってきた。
辺りに湯気がもくもくと出ている。

「わー、すごい数の温泉……」

あきらは周りを見渡した。
千空と二人で温泉旅行。
付き合って数年になるが旅行となると
親が文句は言いそうだが、千空レベルだと文句は出ないらしい。

「あ“あ、せっかく来たんだ」

千空は早速入るかというとあきらは熱すぎて逆上せないでね？と返す。

あ“あと返事をした千空だが、あきらはまだ内容を知らない。
当然温泉街の温泉も入れる、が。

当たったのはペアチケット。


しかも、部屋に付属した温泉付きの。

(ククク、そうと来たら……なあ？？
一緒に入るしか、ねぇなあ？？)

そうなったらやる事は一つしかない。

温泉に浸かりながらや、入った後に延長戦をするのもよいとチケットを手にした時からずっとシュミレーションをしていた。

脳内で乱れる姿を思い描きながら内容を隠すのは大変だった。

温泉宿のパンフレットやらネットやら見られたら内容がバレてしまう。

ただ、泊まりである以上あきらも何が起こるかなんて想像はつくはず。

(例えば……勝負下着とかか？)

その服の下に一体どんな物を履いてるのかと思うと剥ぎ取りたくなる衝動に駆られるのを必死に押さえた。

(後、少し……)

部屋についたら押し倒して……

(ああ、楽しみだ)

千空は口角を吊り上げた