短編夢
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「寝てる……」
あきらは気づかれぬよう小声で呟いた。
あきらと千空は付き合っており、今日は家デートしに千空の家までやってきたのだが。
どうしても終わらせたいレポートがあると小一時間ほど待ってくれと頼まれ、居間でパソコンをカタカタ打つ千空の前の椅子に座り
あきらはちょうど持ってきていた文庫本を読み込む事にしたのである。
今回のような事は多々あり、キリがいい所で終わらせないとかえって悪影響を及ぼす事はあきらも分かっていていたので特に不満は無かった。
持ってきた文庫本を読み終わり、そろそろ千空の方も終わったかな、と本から視線を上げると目に映ったのは椅子に座ったまま
眠りこける千空の姿があった。
「うーーん、ぐっすり熟睡してる……」
一体いつから眠ってるのだろう、あきらは本などに熱中すると周りの音が一切聞こえなくなるのでいつからか全く分からない。
「レポートは……あとちょっとってとこか…」
千空の後ろに回りパソコンを見るとほぼ最終まで済んでいた。
(さては千空寝不足だな?)
むむむ、と眉をひそめあきらはハンガーにかけていた上着を千空の上半身にかけた。
(全く……寝不足なら、予定断ればいいのに…)
はあとため息をついたあきらだったがある事を思いついた。
ごそごそとスマホを取り出しカメラを起動する。
(千空の寝顔って結構貴重だからね、これぐらい許されるでしょ)
パシャリと撮るとちょうど千空が目を覚ましてしまったのを見て慌ててあきらはスマホを後ろに隠した。
「…?悪ぃ、寝ちまってたみてーだな」
上着がかけられているのに気づき返そうとすると千空はあきらの様子に違和感を感じた。
「い、いや、別に構わないよ、私だってさっき気づいたばっかりだから」
あきらは隠し事が上手ではない、さっきから目が右往左往している。
「………なんか隠してんな??」
カマをかけるつもりで声をかけると予想通りあきらの肩が浮く。
まあ、さっきまでの自分の状況を振り返ればすぐに分かることだ。
「あきら、スマホ見せろ」
「……やだ」
「いいだろ」
「プライバシーの侵害だよ、千空」
あきらはスマホを渡さんと後ろに隠したままだ。
千空は無言であきらに近づいた。
「…っ、や、嫌だって!!」
逃げようにも逃げれずに壁まで追い詰められてしまい、千空は手であきらの髪をかきわけ耳にそっと息を吹きかけた。
「っ、ひゃっ!」
弱点を責められ思わずするりとあきらの手から落ちたスマホを慌ててキャッチする。
あきらも奪い返そうとしたが口が塞がれ太刀打ちが出来ない。
自分のポケットにスマホを入れ空いた手であきらの体をさわさわと触る。
「ふっ、んう、駄目、こんなとこでっ」
しかし、あきらがその気になる前に愛撫は終わってしまった。
はあはあと息をつくあきらは千空を止める事は出来ずあっさりスマホは開かれてしまう。
「あーーーやっぱ寝顔撮ってんじゃねえか」
「っいいじゃん、一枚くらい…」
消すと完全に思っていたのだが、なぜか千空はスマホをあきらに返した。
「?????消さないの?」
さっぱり意味が分からない。
千空は後ろを向いて答えた。
「まあ、別に構わないぜ、一枚くらいだったらな」
まあ、機嫌がよかったのだろうと判断したあきらだったが、理由はそんな事ではないと知るよしもなかった。
(万が一これがばれた時の保険になるからな…)
千空はいくつか所有しているスマホにあきらの寝顔やら色んな写真を撮っている事は決して言わなかった。