短編夢
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クリスマス当日。
街にはカップルで溢れていた。
そんな中周りから怪しい目で見られている男が一人。
その男は帽子を被りサングラスをしてついでにマスクも完備という
ザ・不審者丸出しである。
じろじろと見られている事を全く気にせずむしろその男はカフェの席から新聞を見る振りをして何かを凝視していた。
(くそ、何で俺は尾行みてーな事してんだ)
しかもバレないよう変装までして。
(…………あきら)
ちょうど二人が駅前で待ち合わせをしている最中だ。
あきらはそれなりにお洒落をしていてそれにデレデレしている男を見ると無性にモヤモヤしてつい新聞をくしゃりとシワを立ててしまった。
実はあきらはそんな気合いの入った服を着るつもりは無かったのだが(デート自体気乗りしていなかった為)
クリスマスに出かけると言ったところあきらの母は完全にデートだと思い込み(まぁ、実際の所そうなのだが)服を仕込まれて家を出る羽目になってしまった事は千空は知らずあきらがデートにもう乗り気なんだとショックを受けた。
のだが……
あきらの表情は重くこれからデートをするというのに全く嬉しそうな雰囲気を出してはいなかった。
相手の男は気にしていないらしく、早速行こうと誘うのを見て千空は慌てて荷物を整え数メートル離れて二人を観察する。
デートは至って普通の物だった。
ショッピングをしてゲーセンに寄ったりごく普通のデートだ。
そして尾行をしていた所、誤って通行人とぶつかってしまったのだが。
謝罪して通り過ぎようとすると千空の腕を先ほどぶつかったやつが掴んできた。
「千空、こんな所で何をしているんだ?」
ニット帽で身を隠したやつはコハクだった。
それと杠もいる。
「ほんとだ、千空くん
どうしたの?その格好?」
不審者丸出しの格好をつかれ千空は人違いだと言うが帽子を取られあっけなく正体がバレた。
「ちっ…………」
「大方千空もあきらの尾行をしに来たのだな??」
違うと言いかけて千空は少し引っ掛かった。
(千空、も……?)
「そうだ、私達も尾行をしていたのだ」
先ほどから、だがなと補足する。
「まさか、千空くんも尾行してただなんて……」
「千空、君の悪いところだ
気にならないと言うならなぜ彼女を尾行する?」
そうだ、尾行している理由など分かりきっている。
「分かった、つってももう……意味ねぇがな……」
いくら自分の気持ちに少しでも気づいたとはいえあきらは既に付き合っている。
他の男と。
橫入りしたところで自分の隙が入るところなどあるのだろうか。
「はっ、バカだな、あきらが好んでデートしてるとでも思うのか??
千空を忘れる為に……しているんだ」
相手の男は災難だがな、とコハクは言う。
「今からでも遅くはないと思うよ?千空くん」
杠とコハクに背中を押されて千空は繁華街をかけた。
話し込んでいたせいで遠く離れてしまったあきらを探す。
はあはあと息をきらして探しているとあきらの姿がちらっと映った。
そろそろ夜になる頃合いで二人はクリスマスツリーの前にいた。
相手の男はあきらの手を繋ごうとする。
胸がざわついた瞬間あきらが男の手を払った。
男は意表をつかれた表情をした後、拳を握りしめた。
「ご、ごめんなさい、その……」
拒まれた事で苛ついているのか、荒っぽい口調で話す。
「んだよ、誰でもいいんじゃなかったのかよ
結局石神の事好きなんじゃねぇか!!」
ビリビリと怒鳴られあきらは思わず身をすくんだ。
(どうしよう)
このまま私はどうすればいいのか。
千空の事を諦めきれず彼の事も傷つけてしまった。
罪悪感を感じていても尚、拒んでしまう。
苛ついた彼に殴られるのかと思った瞬間男とあきらの間に千空が割り込んだ。
「……せ、千空??」
何でこんなクリスマスムードな所に……
(千空も、他に相手が……?)
そう考えるとまた胸をチクりとさす。
一方千空はこれから起こるパターンに対して予想を組み立てていた。
(どうする……激昂して向かってきたら俺は太刀打ち出来ねぇ)
相手の男は千空よりも体格が良く喧嘩なんぞになったら歯が立たない。
思案を巡らしていると突然男が大きく溜め息をついた。
「やーーと、出てきたか……
遅いんだよ、石神」
そして、あきらに別れようぜ、いや、別れるじゃあな、と言って
あきらの返事も聞かずに去ってしまった。
「……そういう事かよ……」
(俺が尾行しているの気付いてたのか、)
それとあきらの挙動にも気付いているのは間違いない。
恐らく交際の件は普通に付き合いたくて、
申し出たのだろう。
それであきらが快く男に気持ちが向くからそれはそれでOKという事に違いない。
少し苛ついていたのはワンチャン無かったと判明したからだ。
いや、俺が中々出てこないのも苛つかせていたのかもしれないが。
「何が起こったの??
てゆうか、やっと出てきたってどういう事??」
まるで状況が分からないあきらに千空は全て話した。
「び、尾行!?!?」
気分が沈んでて全く気付かなかったとあきらは驚く。
本当に周りが見えていなかった、
しかも杠やコハクも尾行していたと言うし。
(ん?尾行??)
コハクや杠は分かる。
しかし、何故千空が……??
白い息を吐いて千空に恐る恐る訊ねる。
カチコチと時計の音がする。
時刻は間もなく7時を指そうとしていた。
「それは…………」
(ここまでいろんな奴にお膳立てされたんだ)
覚悟を決める。
「あきらが他の男と付き合うのが嫌だったからだ、
俺と付き合ってくれねぇか」
針が7時を差した。
クリスマスツリーのイルミネーションがパッと点き二人を照らす。
「…………っ」
目を潤ませるあきらに千空は付け足した。
「どこへ付き合おうって事じゃねぇぞ?
恋人になってほしいつーことだ」
「そんなの……YESしか浮かばないよ」
今日はクリスマス。
二人にとって初めてのクリスマスデートが始まろうとしていた。
街にはカップルで溢れていた。
そんな中周りから怪しい目で見られている男が一人。
その男は帽子を被りサングラスをしてついでにマスクも完備という
ザ・不審者丸出しである。
じろじろと見られている事を全く気にせずむしろその男はカフェの席から新聞を見る振りをして何かを凝視していた。
(くそ、何で俺は尾行みてーな事してんだ)
しかもバレないよう変装までして。
(…………あきら)
ちょうど二人が駅前で待ち合わせをしている最中だ。
あきらはそれなりにお洒落をしていてそれにデレデレしている男を見ると無性にモヤモヤしてつい新聞をくしゃりとシワを立ててしまった。
実はあきらはそんな気合いの入った服を着るつもりは無かったのだが(デート自体気乗りしていなかった為)
クリスマスに出かけると言ったところあきらの母は完全にデートだと思い込み(まぁ、実際の所そうなのだが)服を仕込まれて家を出る羽目になってしまった事は千空は知らずあきらがデートにもう乗り気なんだとショックを受けた。
のだが……
あきらの表情は重くこれからデートをするというのに全く嬉しそうな雰囲気を出してはいなかった。
相手の男は気にしていないらしく、早速行こうと誘うのを見て千空は慌てて荷物を整え数メートル離れて二人を観察する。
デートは至って普通の物だった。
ショッピングをしてゲーセンに寄ったりごく普通のデートだ。
そして尾行をしていた所、誤って通行人とぶつかってしまったのだが。
謝罪して通り過ぎようとすると千空の腕を先ほどぶつかったやつが掴んできた。
「千空、こんな所で何をしているんだ?」
ニット帽で身を隠したやつはコハクだった。
それと杠もいる。
「ほんとだ、千空くん
どうしたの?その格好?」
不審者丸出しの格好をつかれ千空は人違いだと言うが帽子を取られあっけなく正体がバレた。
「ちっ…………」
「大方千空もあきらの尾行をしに来たのだな??」
違うと言いかけて千空は少し引っ掛かった。
(千空、も……?)
「そうだ、私達も尾行をしていたのだ」
先ほどから、だがなと補足する。
「まさか、千空くんも尾行してただなんて……」
「千空、君の悪いところだ
気にならないと言うならなぜ彼女を尾行する?」
そうだ、尾行している理由など分かりきっている。
「分かった、つってももう……意味ねぇがな……」
いくら自分の気持ちに少しでも気づいたとはいえあきらは既に付き合っている。
他の男と。
橫入りしたところで自分の隙が入るところなどあるのだろうか。
「はっ、バカだな、あきらが好んでデートしてるとでも思うのか??
千空を忘れる為に……しているんだ」
相手の男は災難だがな、とコハクは言う。
「今からでも遅くはないと思うよ?千空くん」
杠とコハクに背中を押されて千空は繁華街をかけた。
話し込んでいたせいで遠く離れてしまったあきらを探す。
はあはあと息をきらして探しているとあきらの姿がちらっと映った。
そろそろ夜になる頃合いで二人はクリスマスツリーの前にいた。
相手の男はあきらの手を繋ごうとする。
胸がざわついた瞬間あきらが男の手を払った。
男は意表をつかれた表情をした後、拳を握りしめた。
「ご、ごめんなさい、その……」
拒まれた事で苛ついているのか、荒っぽい口調で話す。
「んだよ、誰でもいいんじゃなかったのかよ
結局石神の事好きなんじゃねぇか!!」
ビリビリと怒鳴られあきらは思わず身をすくんだ。
(どうしよう)
このまま私はどうすればいいのか。
千空の事を諦めきれず彼の事も傷つけてしまった。
罪悪感を感じていても尚、拒んでしまう。
苛ついた彼に殴られるのかと思った瞬間男とあきらの間に千空が割り込んだ。
「……せ、千空??」
何でこんなクリスマスムードな所に……
(千空も、他に相手が……?)
そう考えるとまた胸をチクりとさす。
一方千空はこれから起こるパターンに対して予想を組み立てていた。
(どうする……激昂して向かってきたら俺は太刀打ち出来ねぇ)
相手の男は千空よりも体格が良く喧嘩なんぞになったら歯が立たない。
思案を巡らしていると突然男が大きく溜め息をついた。
「やーーと、出てきたか……
遅いんだよ、石神」
そして、あきらに別れようぜ、いや、別れるじゃあな、と言って
あきらの返事も聞かずに去ってしまった。
「……そういう事かよ……」
(俺が尾行しているの気付いてたのか、)
それとあきらの挙動にも気付いているのは間違いない。
恐らく交際の件は普通に付き合いたくて、
申し出たのだろう。
それであきらが快く男に気持ちが向くからそれはそれでOKという事に違いない。
少し苛ついていたのはワンチャン無かったと判明したからだ。
いや、俺が中々出てこないのも苛つかせていたのかもしれないが。
「何が起こったの??
てゆうか、やっと出てきたってどういう事??」
まるで状況が分からないあきらに千空は全て話した。
「び、尾行!?!?」
気分が沈んでて全く気付かなかったとあきらは驚く。
本当に周りが見えていなかった、
しかも杠やコハクも尾行していたと言うし。
(ん?尾行??)
コハクや杠は分かる。
しかし、何故千空が……??
白い息を吐いて千空に恐る恐る訊ねる。
カチコチと時計の音がする。
時刻は間もなく7時を指そうとしていた。
「それは…………」
(ここまでいろんな奴にお膳立てされたんだ)
覚悟を決める。
「あきらが他の男と付き合うのが嫌だったからだ、
俺と付き合ってくれねぇか」
針が7時を差した。
クリスマスツリーのイルミネーションがパッと点き二人を照らす。
「…………っ」
目を潤ませるあきらに千空は付け足した。
「どこへ付き合おうって事じゃねぇぞ?
恋人になってほしいつーことだ」
「そんなの……YESしか浮かばないよ」
今日はクリスマス。
二人にとって初めてのクリスマスデートが始まろうとしていた。