短編夢
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はーっと息を吐くと白い息が出てくる。
もう12月半ばでだいぶ寒い。
廊下を歩いていると他の生徒がクリスマスどうするかと浮き足立っているを見て千空は眉を寄せた。
(そろそろクリスマスか……)
現在高校2年の千空は恐らく友達が開催するであろうクリスマスパーティーに無理矢理連れてかれるだろうと思ったが、問題はそこではない。
中学の頃から自分の事が好きであろう女子に定期的にアピールされるのだが、千空は恋愛には興味はない。
科学実験をしている方が好きだしそもそも恋愛など科学的に証明出来る訳でもない。
今年もクリスマスにどこか行かないか、と誘われるのだろう。
自分としては早々に諦めてほしい為、何度もスルーしたりしているのだが、思った以上にしつこい。
(知り合ってから3年以上立つがいつまで立っても諦めてくんねぇな)
まぁ、本人が告白せずに気づかせようとするのが、原因でもある。
すると、近くから男子の声が聞こえてきた。
「五十嵐さん!俺と付き合ってください!」
告白されている女子はさっき上げた俺の事が好きな五十嵐あきらだ。
まぁ、返答は決まっている。と思ったのだが。
「いいよ」
何とあきらはその男子の告白をOKした。
思わず千空は耳を疑う。
(は??何であいつ告白OKしてんだ)
あきらは俺の事が好きである。
それは周囲の杠等も周知のはずだ。
するとその男子も知っていたのかその事について聞いた。
「OKしてくれたことはうれしいんだけど……五十嵐さんって確か石神の事好きだったよな?」
ああ、それねとあきらは淡々と言う。
まるで過去の事を言うように。
「諦める事にしたから」
千空は段々と自分の心が冷えきっていくのを感じた。
いや、心なんてどこにあるかと言われれば証明出来ないが。
(諦める……?あいつが……?)
きっと諦めるふりをして俺の気を引く作戦なんだろう。
少し呆然としていたらしい
クラスの方へ戻ると、あきらが杠、コハクと話していた。
「そういえば、そろそろクリスマスですな~」
「うむ、今年も皆で集まるのだろう?
あきらも参加するだろう?」
コハクは聞いたがあきらの顔が曇った。
「それなんだけど、先約が入って無理だと思う」
杠とコハクは顔を見合わせ喜んだ。
「やっと、千空に告白したのだな」
「私たちは構わないから二人で楽しんできて?」
祝福する二人にあきらは申し訳なさそうに説明した。
「実は……相手千空じゃないの」
えっと、二人が驚く。
「ちょ、ちょっと待って!?
千空くんに告白したんじゃないの!?」
「違うクラスの××っていう人に告白されて付き合う事になったの、
だから千空じゃないよ」
それはおかしいとコハクが突っ込む。
「しかし、あきらは千空の事が好きだろう?何故だ」
あきらは口をつぐんだ。
「単純に疲れたの、ずっと……千空の事が好きで……
なるべく一緒に帰ろうとしたり、アピールしてみたりしたけど……」
その結果は散々だ。
全く意識すらしてくれない。
「気づいたんだ、千空はきっと私の事を好きにはなってくれないって
だから……私の事好きになった人と付き合う方が良いのかなって
思ったの」
杠、コハク、ごめんね、とあきらは悲しそうな目で謝った。
その夜、千空はベッドに寝転がりながら一部始終を思い返していた。
「くそっ」
あきらの事を思い返すたびに胸が締めつけられる。
何でこうも思い返すたびに痛むのか理解出来なかった。
俺はあきらの事を好きではないはずだ。
しかし、同時に嫌いと思った事はなかった。
「痛てぇ……」
心臓が僅かに痛む。
ふと、知り合いのゲンの言葉を思い出す。
「ねぇ、千空ちゃん、人間ってね~
手に入ったかと思ったものを失うのが一番惜しくなるっていう心理実験があって~」
その時の千空はほーんと興味なさそうにしていたが、言葉は覚えていた。
「…………………………………………」
(惜しくなる、ね…………)
もう12月半ばでだいぶ寒い。
廊下を歩いていると他の生徒がクリスマスどうするかと浮き足立っているを見て千空は眉を寄せた。
(そろそろクリスマスか……)
現在高校2年の千空は恐らく友達が開催するであろうクリスマスパーティーに無理矢理連れてかれるだろうと思ったが、問題はそこではない。
中学の頃から自分の事が好きであろう女子に定期的にアピールされるのだが、千空は恋愛には興味はない。
科学実験をしている方が好きだしそもそも恋愛など科学的に証明出来る訳でもない。
今年もクリスマスにどこか行かないか、と誘われるのだろう。
自分としては早々に諦めてほしい為、何度もスルーしたりしているのだが、思った以上にしつこい。
(知り合ってから3年以上立つがいつまで立っても諦めてくんねぇな)
まぁ、本人が告白せずに気づかせようとするのが、原因でもある。
すると、近くから男子の声が聞こえてきた。
「五十嵐さん!俺と付き合ってください!」
告白されている女子はさっき上げた俺の事が好きな五十嵐あきらだ。
まぁ、返答は決まっている。と思ったのだが。
「いいよ」
何とあきらはその男子の告白をOKした。
思わず千空は耳を疑う。
(は??何であいつ告白OKしてんだ)
あきらは俺の事が好きである。
それは周囲の杠等も周知のはずだ。
するとその男子も知っていたのかその事について聞いた。
「OKしてくれたことはうれしいんだけど……五十嵐さんって確か石神の事好きだったよな?」
ああ、それねとあきらは淡々と言う。
まるで過去の事を言うように。
「諦める事にしたから」
千空は段々と自分の心が冷えきっていくのを感じた。
いや、心なんてどこにあるかと言われれば証明出来ないが。
(諦める……?あいつが……?)
きっと諦めるふりをして俺の気を引く作戦なんだろう。
少し呆然としていたらしい
クラスの方へ戻ると、あきらが杠、コハクと話していた。
「そういえば、そろそろクリスマスですな~」
「うむ、今年も皆で集まるのだろう?
あきらも参加するだろう?」
コハクは聞いたがあきらの顔が曇った。
「それなんだけど、先約が入って無理だと思う」
杠とコハクは顔を見合わせ喜んだ。
「やっと、千空に告白したのだな」
「私たちは構わないから二人で楽しんできて?」
祝福する二人にあきらは申し訳なさそうに説明した。
「実は……相手千空じゃないの」
えっと、二人が驚く。
「ちょ、ちょっと待って!?
千空くんに告白したんじゃないの!?」
「違うクラスの××っていう人に告白されて付き合う事になったの、
だから千空じゃないよ」
それはおかしいとコハクが突っ込む。
「しかし、あきらは千空の事が好きだろう?何故だ」
あきらは口をつぐんだ。
「単純に疲れたの、ずっと……千空の事が好きで……
なるべく一緒に帰ろうとしたり、アピールしてみたりしたけど……」
その結果は散々だ。
全く意識すらしてくれない。
「気づいたんだ、千空はきっと私の事を好きにはなってくれないって
だから……私の事好きになった人と付き合う方が良いのかなって
思ったの」
杠、コハク、ごめんね、とあきらは悲しそうな目で謝った。
その夜、千空はベッドに寝転がりながら一部始終を思い返していた。
「くそっ」
あきらの事を思い返すたびに胸が締めつけられる。
何でこうも思い返すたびに痛むのか理解出来なかった。
俺はあきらの事を好きではないはずだ。
しかし、同時に嫌いと思った事はなかった。
「痛てぇ……」
心臓が僅かに痛む。
ふと、知り合いのゲンの言葉を思い出す。
「ねぇ、千空ちゃん、人間ってね~
手に入ったかと思ったものを失うのが一番惜しくなるっていう心理実験があって~」
その時の千空はほーんと興味なさそうにしていたが、言葉は覚えていた。
「…………………………………………」
(惜しくなる、ね…………)