短編夢
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「い、行ってきます」
あきらは普段着ないスカートを履いて自宅を出た。
あきらが着ている服装だが、実は杠と琥珀が選んでくれたものだ。
映画を一緒に観に行く事になったと二人に伝えると服を買いに行こうと
誘われて杠が主に服を吟味し一日中着せ替え人形とされた。
(こんな可愛いの似合うのかな……)
普段ズボンや大人しめな服装が多いので
こんな女子感のある服を着るのは滅多にない。
さっきからやけに視線を感じるが、もしかして似合ってない?と妙に不安を感じた。
(千空もどんな反応するかな……)
いや、待て、いかにもデートを意識したような服装で来たら引かれてしまうのでは?
(杠と琥珀は大丈夫って言ってたけど自信ない~~)
待ち合わせの駅前付近についてあきらは髪をそっと整えた。
千空が来るまで待っていようと思った矢先、既に千空がいるのに気付き思わず隠れてしまった。
(え、もう??まだ20分前なんだけど)
早く来すぎたかなと思っていたのだが、千空がこんな早く来ているなんて。
(じゃあ、千空はいつから……?)
それも気になるけれど。
(……………カッコいいっ…………!)
千空の服装は至ってシンプルな格好だったけれど、それが逆に本人と合っていてドキドキする。
そして千空は何故かそわそわしていた。
腕時計を見たりスマホを確認している。
いや、まさかね。
(千空もドキドキ……なんてしないか)
待たせるのは良くないとあきらは隠れるのをやめて千空に近づいた。
「千空、お、おはよう」
スマホを確認していた千空はあきらを見ると少し動きを止めた。
「……あ、ああ」
そして、思わず口元を手で押さえた。
「ちょっと早めに来たつもりだったんだけど……千空の方が早かったね」
「俺は元々早く来る派だ」
やはりドキドキして来る時間を早くしたのではなかった。
(千空だしなあ)
「映画の時間には余裕で間に合うが……
そろそろ行くか」
「うん」
横に並んで映画館までの距離を歩く。
千空の歩くスピードは以外にもゆっくりで
着くまでにたわいのない話をした。
途中ふいにあきらの手が千空の手に触れてしまった事があった。
悪いと千空は僅かに触れた手をポケットにいれた。
(………………)
その仕草を見てあきらの胸がきゅっと痛む。
映画館についてドリンクとポップコーンを頼んで席に座った。
「そういえば、何の映画観るんだっけ?」
千空はマジかと信じられない顔をする。
「LINEで送っただろうが」
実は映画を一緒に観る事で頭がいっぱいでタイトルまでは頭に入らなかったのだ。
(恋愛……はないな、アクションとかかな?)
しかし、予想は大きくハズレた。
「ホラー映画だ」
あきらはピシッと凍りついた。
「ほ、ホラー???」
たちまちどっと嫌な汗が吹き出し楽しみにしていたのに急激に帰りたくなってきた。
実はあきらは大の怖がりでお化け屋敷はもちろんホラー映画などもってのほかだ。
「まさか、てめー苦手だったのか……?」
「いやいや、べ、別に??
普段見ないだけだって」
ハハハと笑うあきらだが、明らかに顔がひきつっている。
(せっかく一緒に映画みれるチャンスなんだ
何としてでも見ないと……!
ああ、でもやだなあ!!!)
恐怖心を無理やり押さえつけ鑑賞する。
「ひいっ!!!」
あきらは涙を浮かべて堪えたが、もう限界が近付きつつあった。
(どうしよう、まだ一時間もあるのに……!)
失神してしまうと思ったその時あきらの右手を千空が掴んだ。
「…………!?!?」
一瞬びっくりしたが、千空は固く握りしめたあきらの手をほどいて
自分の左手に重ねた。
ぎゅっと手を繋がれる。
千空はなにも言わなかったが、大丈夫だ、と言われたような気がした。
あたたかい手の温度が伝わり強ばっていた体も徐々に溶けつつあった。
ホラー映画は最後まで怖かったけれども
あきらは失神することなく映画を見終わった。
そして映画が終わって自宅に送ってもらうことになったのだが、
千空は繋いだ手を離そうとはしなかった。
「せ、千空、もう大丈夫だから
手離していいよ??」
気を遣わせてごめんねと言うと千空は手を繋ぐのは嫌かと聞いてきた。
「え、いや、別に嫌ってわけじゃあ……
千空だって嫌でしょ??」
恋人モドキとこんな事しても嬉しくないのではと付け足す。
「俺は嫌じゃない」
千空はさっきまでは普通に繋いでいた手を恋人繋ぎのように絡めた。
「せ、千空??」
「俺が気持ちはっきりと伝えてなかったのが悪かった
恋人モドキなんて思ってねぇし
…………よく聞け、
俺はあきらの事が、好きだ」
意図を理解したあきらは大粒の涙を流した。
「すまねぇ、中々伝えられなかった」
「いいの、ありがとう、千空」
恋人としては手を繋ぐなんて最初の一歩だけれど、あきらはそれだけで胸がいっぱいになった。
あきらは普段着ないスカートを履いて自宅を出た。
あきらが着ている服装だが、実は杠と琥珀が選んでくれたものだ。
映画を一緒に観に行く事になったと二人に伝えると服を買いに行こうと
誘われて杠が主に服を吟味し一日中着せ替え人形とされた。
(こんな可愛いの似合うのかな……)
普段ズボンや大人しめな服装が多いので
こんな女子感のある服を着るのは滅多にない。
さっきからやけに視線を感じるが、もしかして似合ってない?と妙に不安を感じた。
(千空もどんな反応するかな……)
いや、待て、いかにもデートを意識したような服装で来たら引かれてしまうのでは?
(杠と琥珀は大丈夫って言ってたけど自信ない~~)
待ち合わせの駅前付近についてあきらは髪をそっと整えた。
千空が来るまで待っていようと思った矢先、既に千空がいるのに気付き思わず隠れてしまった。
(え、もう??まだ20分前なんだけど)
早く来すぎたかなと思っていたのだが、千空がこんな早く来ているなんて。
(じゃあ、千空はいつから……?)
それも気になるけれど。
(……………カッコいいっ…………!)
千空の服装は至ってシンプルな格好だったけれど、それが逆に本人と合っていてドキドキする。
そして千空は何故かそわそわしていた。
腕時計を見たりスマホを確認している。
いや、まさかね。
(千空もドキドキ……なんてしないか)
待たせるのは良くないとあきらは隠れるのをやめて千空に近づいた。
「千空、お、おはよう」
スマホを確認していた千空はあきらを見ると少し動きを止めた。
「……あ、ああ」
そして、思わず口元を手で押さえた。
「ちょっと早めに来たつもりだったんだけど……千空の方が早かったね」
「俺は元々早く来る派だ」
やはりドキドキして来る時間を早くしたのではなかった。
(千空だしなあ)
「映画の時間には余裕で間に合うが……
そろそろ行くか」
「うん」
横に並んで映画館までの距離を歩く。
千空の歩くスピードは以外にもゆっくりで
着くまでにたわいのない話をした。
途中ふいにあきらの手が千空の手に触れてしまった事があった。
悪いと千空は僅かに触れた手をポケットにいれた。
(………………)
その仕草を見てあきらの胸がきゅっと痛む。
映画館についてドリンクとポップコーンを頼んで席に座った。
「そういえば、何の映画観るんだっけ?」
千空はマジかと信じられない顔をする。
「LINEで送っただろうが」
実は映画を一緒に観る事で頭がいっぱいでタイトルまでは頭に入らなかったのだ。
(恋愛……はないな、アクションとかかな?)
しかし、予想は大きくハズレた。
「ホラー映画だ」
あきらはピシッと凍りついた。
「ほ、ホラー???」
たちまちどっと嫌な汗が吹き出し楽しみにしていたのに急激に帰りたくなってきた。
実はあきらは大の怖がりでお化け屋敷はもちろんホラー映画などもってのほかだ。
「まさか、てめー苦手だったのか……?」
「いやいや、べ、別に??
普段見ないだけだって」
ハハハと笑うあきらだが、明らかに顔がひきつっている。
(せっかく一緒に映画みれるチャンスなんだ
何としてでも見ないと……!
ああ、でもやだなあ!!!)
恐怖心を無理やり押さえつけ鑑賞する。
「ひいっ!!!」
あきらは涙を浮かべて堪えたが、もう限界が近付きつつあった。
(どうしよう、まだ一時間もあるのに……!)
失神してしまうと思ったその時あきらの右手を千空が掴んだ。
「…………!?!?」
一瞬びっくりしたが、千空は固く握りしめたあきらの手をほどいて
自分の左手に重ねた。
ぎゅっと手を繋がれる。
千空はなにも言わなかったが、大丈夫だ、と言われたような気がした。
あたたかい手の温度が伝わり強ばっていた体も徐々に溶けつつあった。
ホラー映画は最後まで怖かったけれども
あきらは失神することなく映画を見終わった。
そして映画が終わって自宅に送ってもらうことになったのだが、
千空は繋いだ手を離そうとはしなかった。
「せ、千空、もう大丈夫だから
手離していいよ??」
気を遣わせてごめんねと言うと千空は手を繋ぐのは嫌かと聞いてきた。
「え、いや、別に嫌ってわけじゃあ……
千空だって嫌でしょ??」
恋人モドキとこんな事しても嬉しくないのではと付け足す。
「俺は嫌じゃない」
千空はさっきまでは普通に繋いでいた手を恋人繋ぎのように絡めた。
「せ、千空??」
「俺が気持ちはっきりと伝えてなかったのが悪かった
恋人モドキなんて思ってねぇし
…………よく聞け、
俺はあきらの事が、好きだ」
意図を理解したあきらは大粒の涙を流した。
「すまねぇ、中々伝えられなかった」
「いいの、ありがとう、千空」
恋人としては手を繋ぐなんて最初の一歩だけれど、あきらはそれだけで胸がいっぱいになった。