短編夢
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(…………何故こんな事に……)
千空とイヤホンを半分こに曲を聴いていたあきらはどうしてこうなった、と混乱した。
振り替える事、事は約30分前に巻き戻る。
少し遠出をして図書館にいっていたあきらは電車に揺られ、
最寄り駅まで帰る途中だった。
このまま揺られ続けるのも暇なのでスマホに入っている曲を聴きながら目を瞑りそのままうたた寝をしていた。
5分くらい経った頃だろうか、ふいに肩をつんつんつつかれ思わず飛び起きた。
「…………!?!?せ、千空!?」
よお、とにやっと笑った千空は当然のごとくあきらの横に座る。
隣座っていいか、など言わずに。
(別にいいけど)
友達が隣に座っている横で音楽を聴くのも失礼かなと思いあきら
はイヤホンを外そうとしたのだが。
「何、聴いてんだ」
ぐいっと千空が顔を近づけ聞いてきた。
「えっ、あー、邦楽だけど」
ふーんと返事をするな否や手を差し出した。
「何?」
「イヤホン、片方貸せ」
それは聴きあいっこをしろという事なのだろうか。
「普段あんま聴かねえからな
ちょうどいい」
あきらは片方のイヤホンを渡すと千空はそれを自分の左耳につけた。
ほーん、と今はこんなのが流行ってんのか、といまどきの男子高校生
らしからぬ感想を言うのを見てあきらも自分の耳にイヤホンをかける。
そして、話は冒頭に戻った。
千空は至って普通に音楽を聴いているがあきらはそれどころではない。
イヤホンを半分こということはつまりあれだ。
コードの長さには限りがあるし、二人の距離は自ずと縮まる。
でも、肩が触れるか触れないの距離で近いとも遠いともなんとも微妙な距離感である。
イヤホン的にはもうちょっと密着した方がいいのだけれど、それは恥ずかしいし千空も嫌かもしれない。
冷房が効いているはずなのに、体はじっとり汗をかいて顔が火照る。
降りる駅まであと数分。
出来ればもう少しこのままーー。
そんな事を思いながら恥ずかしくて見れてなかったが、そっと、千空の方をチラリと見るとふいに視線が交差した。
したり顔でうすら笑いをしている千空はこちらを見ているのに気づく。
「何だ?」
思わずぷいっと顔を反らしてしまったが、あきらの顔は真っ赤になっているのが分かる。
「べ、別に何でもない……」
そう言うと同時にあきらの降りる駅に着いた。
(ああ、名残惜しいこの時間も終わりか)
あきらと別れ、帰路に着いた千空は改めて手のひらを見た。
(汗ばんでるの気付いてねーといいがな…)
ちなみにあきらを何度もチラチラ見ていたので、顔が赤く染まっていたのは最初から知っていた。
その表情を心のなかで思い返すと、どこかがかっと熱くなった。
その頬に触れたい、とも思った。
(ククク、こんな感情抱くとはな)
あまり邦楽は聴かないが接近するチャンスをくれた事には感謝しなきゃなと、千空は心の中で思った。
千空とイヤホンを半分こに曲を聴いていたあきらはどうしてこうなった、と混乱した。
振り替える事、事は約30分前に巻き戻る。
少し遠出をして図書館にいっていたあきらは電車に揺られ、
最寄り駅まで帰る途中だった。
このまま揺られ続けるのも暇なのでスマホに入っている曲を聴きながら目を瞑りそのままうたた寝をしていた。
5分くらい経った頃だろうか、ふいに肩をつんつんつつかれ思わず飛び起きた。
「…………!?!?せ、千空!?」
よお、とにやっと笑った千空は当然のごとくあきらの横に座る。
隣座っていいか、など言わずに。
(別にいいけど)
友達が隣に座っている横で音楽を聴くのも失礼かなと思いあきら
はイヤホンを外そうとしたのだが。
「何、聴いてんだ」
ぐいっと千空が顔を近づけ聞いてきた。
「えっ、あー、邦楽だけど」
ふーんと返事をするな否や手を差し出した。
「何?」
「イヤホン、片方貸せ」
それは聴きあいっこをしろという事なのだろうか。
「普段あんま聴かねえからな
ちょうどいい」
あきらは片方のイヤホンを渡すと千空はそれを自分の左耳につけた。
ほーん、と今はこんなのが流行ってんのか、といまどきの男子高校生
らしからぬ感想を言うのを見てあきらも自分の耳にイヤホンをかける。
そして、話は冒頭に戻った。
千空は至って普通に音楽を聴いているがあきらはそれどころではない。
イヤホンを半分こということはつまりあれだ。
コードの長さには限りがあるし、二人の距離は自ずと縮まる。
でも、肩が触れるか触れないの距離で近いとも遠いともなんとも微妙な距離感である。
イヤホン的にはもうちょっと密着した方がいいのだけれど、それは恥ずかしいし千空も嫌かもしれない。
冷房が効いているはずなのに、体はじっとり汗をかいて顔が火照る。
降りる駅まであと数分。
出来ればもう少しこのままーー。
そんな事を思いながら恥ずかしくて見れてなかったが、そっと、千空の方をチラリと見るとふいに視線が交差した。
したり顔でうすら笑いをしている千空はこちらを見ているのに気づく。
「何だ?」
思わずぷいっと顔を反らしてしまったが、あきらの顔は真っ赤になっているのが分かる。
「べ、別に何でもない……」
そう言うと同時にあきらの降りる駅に着いた。
(ああ、名残惜しいこの時間も終わりか)
あきらと別れ、帰路に着いた千空は改めて手のひらを見た。
(汗ばんでるの気付いてねーといいがな…)
ちなみにあきらを何度もチラチラ見ていたので、顔が赤く染まっていたのは最初から知っていた。
その表情を心のなかで思い返すと、どこかがかっと熱くなった。
その頬に触れたい、とも思った。
(ククク、こんな感情抱くとはな)
あまり邦楽は聴かないが接近するチャンスをくれた事には感謝しなきゃなと、千空は心の中で思った。