短編夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昼休みの次の授業は何だか眠くて耳に入らない。
(あ、またあいついる)
私の席は窓際で視線を横にずらせばグラウンドが見える位置だ。
別のクラスが体育をやっていているのだが、最近とあるやつを眺めるのが日課となりつつある。
頭が白くて大根だかネギみたいな変な髪型をしているやつだ。
名前は知らないけど。
何故見ているかと言うと……。
この大根少年(勝手にあだ名をつけている)
運動が下手くそだ。
グラウンドを走る授業では早々にバテていたり、そもそも走るスピードが遅い。
(下っ手くそ)
特に面白みはないが、シャーペンをくるくる回しながら観察する。
あ、こけた。
それを見ていた一回り大きい少年が大急ぎで担いで行った。
今日は終了かと、視線を黒板に映した。
ああ、何か面白い事起こらないかな。
とある日、クラスメイトに別のクラスの体育時々見てるよね、と突っ込まれた。
真面目に受けてないと言われるかなと思いきや気になる男子がいて見ていたと思われていたらしい。
私が?あの大根少年を?
ナイナイと否定するとクラスメイト達は残念がり去っていった。
だって、活躍してるならともかく下手なやつをひらすら見ているなど恋に入るだろうか。
それからほどなくして学年全体のドッチボール大会が行われた。
クラスごとなので例の少年がいた。
トーナメント制で自分のクラスはいい線までいったものの、途中で敗北した。
でも、特に悲しみもなくああ負けたんだなと思うだけで涙は出てこない。
周りの人達が悔しさで涙を流すなか、私はぼーっと他のクラスの対戦を見ていた。
(つまんない)
上手い人も見ても下手なやつを見ても何もかもつまらない。
(今日も、同じか)
これまでと同じ灰色の景色。
趣味は悪いが、下手なやつを見て楽しめるかと思ったが、そうでもなかった。
そうこう考えている間に大根少年のクラスが対戦していた。
何と少年含めて二人しか残っていない。
(あれは……勝ち目ないよね)
大根少年の手にボールが渡り、へろへろと相手チームに向かって投げた。
(あんなスピードで投げても……
あれ?)
ボール?あれ?ボール?
何か違うような気がする。
相手チームがボールを取ると、周囲にチッチッチッと時計のような音が響き渡る。
それはただのボールではなかった。
中に爆竹のような物を詰めた爆弾なような
掟破りのドッチボール。
パパパパンと大きな音がして相手チームは吹っ飛んでしまった。
「勝ち」
大根少年は誇らしげに言ったのと同時に私は何故かガッツポーズをしてしまった。
(やった……!!)
あれ、何で私が嬉しがるのだろう。
(何で???)
よく考えたが、分からなかった。
ところで、あの大根少年、反則と見なされたらしい。
まぁ、それが普通か。
(あいつ、すごいやつだったんだ)
あのドッチボールを思い出すと頬が緩んだ。
その日の放課後。
クラスから出て帰ろうとすると、下駄箱に大根少年が突っ立っていた。
「おい、お前」
(え……?わ、私?)
「こないだからずっと俺の事見てんな?」
こっちに向かって歩いてくる。
(ヤバイ、バレた)
顔は何故か真っ赤で鼓動が早くなる。
「ご、ご、ごめんなさい!!」
勢いよく頭を下げダッシュで靴を履き替えて逃げてしまった。
「え、お、おい
あ“ーー、ちくしょう」
名前聞けなかったと言う少年の声は聞こえず走り去った。
(こういうの何だっけ??
焦り??)
それが恋による緊張だとはこの時の私は知らなかった。
それからしばらくの間大根少年に付きまとわれるのはまた別の話である。
(あ、またあいついる)
私の席は窓際で視線を横にずらせばグラウンドが見える位置だ。
別のクラスが体育をやっていているのだが、最近とあるやつを眺めるのが日課となりつつある。
頭が白くて大根だかネギみたいな変な髪型をしているやつだ。
名前は知らないけど。
何故見ているかと言うと……。
この大根少年(勝手にあだ名をつけている)
運動が下手くそだ。
グラウンドを走る授業では早々にバテていたり、そもそも走るスピードが遅い。
(下っ手くそ)
特に面白みはないが、シャーペンをくるくる回しながら観察する。
あ、こけた。
それを見ていた一回り大きい少年が大急ぎで担いで行った。
今日は終了かと、視線を黒板に映した。
ああ、何か面白い事起こらないかな。
とある日、クラスメイトに別のクラスの体育時々見てるよね、と突っ込まれた。
真面目に受けてないと言われるかなと思いきや気になる男子がいて見ていたと思われていたらしい。
私が?あの大根少年を?
ナイナイと否定するとクラスメイト達は残念がり去っていった。
だって、活躍してるならともかく下手なやつをひらすら見ているなど恋に入るだろうか。
それからほどなくして学年全体のドッチボール大会が行われた。
クラスごとなので例の少年がいた。
トーナメント制で自分のクラスはいい線までいったものの、途中で敗北した。
でも、特に悲しみもなくああ負けたんだなと思うだけで涙は出てこない。
周りの人達が悔しさで涙を流すなか、私はぼーっと他のクラスの対戦を見ていた。
(つまんない)
上手い人も見ても下手なやつを見ても何もかもつまらない。
(今日も、同じか)
これまでと同じ灰色の景色。
趣味は悪いが、下手なやつを見て楽しめるかと思ったが、そうでもなかった。
そうこう考えている間に大根少年のクラスが対戦していた。
何と少年含めて二人しか残っていない。
(あれは……勝ち目ないよね)
大根少年の手にボールが渡り、へろへろと相手チームに向かって投げた。
(あんなスピードで投げても……
あれ?)
ボール?あれ?ボール?
何か違うような気がする。
相手チームがボールを取ると、周囲にチッチッチッと時計のような音が響き渡る。
それはただのボールではなかった。
中に爆竹のような物を詰めた爆弾なような
掟破りのドッチボール。
パパパパンと大きな音がして相手チームは吹っ飛んでしまった。
「勝ち」
大根少年は誇らしげに言ったのと同時に私は何故かガッツポーズをしてしまった。
(やった……!!)
あれ、何で私が嬉しがるのだろう。
(何で???)
よく考えたが、分からなかった。
ところで、あの大根少年、反則と見なされたらしい。
まぁ、それが普通か。
(あいつ、すごいやつだったんだ)
あのドッチボールを思い出すと頬が緩んだ。
その日の放課後。
クラスから出て帰ろうとすると、下駄箱に大根少年が突っ立っていた。
「おい、お前」
(え……?わ、私?)
「こないだからずっと俺の事見てんな?」
こっちに向かって歩いてくる。
(ヤバイ、バレた)
顔は何故か真っ赤で鼓動が早くなる。
「ご、ご、ごめんなさい!!」
勢いよく頭を下げダッシュで靴を履き替えて逃げてしまった。
「え、お、おい
あ“ーー、ちくしょう」
名前聞けなかったと言う少年の声は聞こえず走り去った。
(こういうの何だっけ??
焦り??)
それが恋による緊張だとはこの時の私は知らなかった。
それからしばらくの間大根少年に付きまとわれるのはまた別の話である。