夜桜凶一郎R夢まとめ
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「凶一郎!お酒飲もう???」
「は???」
部屋に入ってきたなり手に酒瓶を持っているあきらに凶一郎は怪訝な表情で困惑した。
酒を飲もうて、お前は飲むとすぐに寝てしまうのを忘れてたのか???と額をツンツン突いた。
「あ、違うの、えーーーと凶一郎はお酒飲むんだけど私はそうじゃなくて………」
「何が言いたいか」
「その私飲むと寝ちゃうでしょ?それで晩酌いつも一緒に出来なくて……」
「なら酒以外のを飲めばいいだろう、というかそうしてるじゃないか」
「それだと私が酔ってることにならないよ!」
そもそも凶一郎自身が全く酔わないというのはすっかり気にしていないのか酔うということに思考を奪われているのかあきらはごそごそと聞いていないのに懐から小瓶をいくつか取り出した。
「みてみてこれ、七悪に頼んで作って貰ったの
これを飲むと酔った気分になれるんだって
プラシーボ?効果だとかなんだとか」
「…………気持ちはうれしいが別に俺はお前が酔ってるところが見たいわけじゃ……」
「どれがどれだっけ?まぁいいや全部飲んじゃおう」
「おい」
凶一郎の制止も聞かずあきらは小瓶を全部一気に飲んでしまった。
とんととん、と空になった小瓶が机の上に置かれどうなってもしらんぞ………………と凶一郎がため息をつくと早速変化が見られた。
「っあっはははは!!!!!!なーーんだがすごく楽しい気分!!!!っふふふ!!!」
「…………笑い上戸か」
「凶一郎ってば飲んでるのにいつもと変わらなーーい!変!なの!!!何で変に感じてるのか分かんないけどー!!」
「おい静かにしろ」
あきらは凶一郎の周りでうろちょろして時々ひっついたり刷るものだから凶一郎は勢いよくあきらを引っ張がすと。
「っぐすっ、」
「あ」
「つめたい………………凶一郎はわたしのこと嫌いなの…………?」
「あ、いや、そうじゃなくて」
「きらい、なんだぁ………………!うぅ………………」
するとあきらはワンワン泣き初めてしまった。
声をかけても泣き止む気配が見られない。
今度は泣き上戸か……!!!元々泣きやすい方ではあるがここまで泣かれると、というか凶一郎はあきらの涙に弱い。
くそ、どうしたものか……と悩んだあげくとりあえずあきらを抱きしめることにした。
優しく頭を撫でて嫌いじゃないと言い続けると嗚咽が止み始めた。
「落ち着いたか?」
「…………うん、ありがとう」
「それは良かった」
ならそろそろ体を離そう…………としたところであきらがぴったり体をくっつけて離れない事に気づく。
「お、おい」
「凶一郎、だーーーいすき♡」
「なっ……………………」
あきらからの告白に稲妻に打たれたかのような衝撃が走る。
あきらから気持ちを伝えられるのは別に初めてではない、なのに凶一郎はめちゃくちゃ動揺していた。
というのもあきらの様子が少しおかしい。
頬を染めているのはいつものことだが、熱がこもり視線も吐息も熱い。
すりすりと凶一郎の胸元に犬みたいにすり寄って。
でろでろに甘えてきている、これは………………!
「今度は甘え上戸か…………」
「えへへへ、凶一郎の匂い…………♡好き♡♡♡
もっとぎゅっ♡♡したい♡」
「そ、そうか………………」
凶一郎は至って普通の姿勢を見せるが脳内はパンク寸前だった。
愛しい婚約者からこんなアプローチを受けて平常心で居られるわけがはい。
「凶一郎………………心臓…………バクバク♡♡私もだよ??」
「っ、は、はなれ」
「やーーー、もっと、凶一郎といちゃいちゃしたいの
ねー、ほっぺにちゅーーして、いい?」
「はっ!?!?!?」
「だめ………………?凶一郎…………?」
とろんと甘える仕草のあきらの瞳に呼吸を忘れる。
気づけばあきらの頬に自分の唇を押し当てていた。
「あっ…………」
「すまん、つい…………」
「ううん、嬉しい…………もっと…………♡♡♡」
「ああ………………」
おかしい、酒には酔わないはずなのにくらくらと目眩がする。
ソファの上で彼女と密着しちゅっちゅ、とあきらの頬にキスを続ける、あきらの方もお返しと言わんばかりにキスのお礼まで。
熱が昂ってもう今何をしているのかとかもう何も…………気にならない。
「なぁ…………頬じゃなくて…………こっちに……しよう」
「………………うん…………♡♡私の……♡♡初めて……♡♡貰って♡♡」
「ああ」
くい、とあきらの顎を上に向かせる。
真っ赤のリンゴのような頬にもう片方の手をそえて。
しっとりとした唇に己のをゆっくり…………と近づていく。
もう脳内にはあきらとたくさんいちゃついてまくって最終的に一線を越えてしまってもいい……そんな風に思っていた。
あと僅かで唇がくっつく…………その時。
「…………………あれ?」
「ん?」
「きょう、いちろう…………あ…………、あっ、わた、わたし!!!!」
「お、おい」
ぱちん、と魔法が解けたかのように正気に戻ったあきらは今まで何をしていたのか記憶は残っているらしく。
やってきた行動を少しずつ自覚していく。
「あ、あっ、…………っ!!!!!!」
そしてそのままやはり湯気を立てて気絶してしまったのだった………………
【失敗版】
あの出来事から翌日。
そう、酔っ払った気分を味わいたいと思っていろんな薬を試した翌日。
甘え上戸の時にした事はがっっっつり記憶に残っており、凶一郎も気にしないと言ってくれたものの…………
やはり気になってしまい目を合わせられない。
ああ!!あんな風にベタベタひっついて!キスを強請り!いちゃいちゃするなんてなんて破廉恥な女なのだろう!と居ても立ってもいられなくて自分を責めてしまう。
…………私って甘えるとあんな風になるんだ…………とふと思った。
その様子を思い返すだけで恥ずかしいが彼はなんと思ったのか気になったが、聞くのもまたこっ恥ずかしいのである。
それにしてもとんだ醜態を晒してしまった、いやあんな薬を自ら飲んだ自分が悪いのだが……と手元に残った甘え薬を眺める。
……………………ふと思った。
これを凶一郎が飲んだらどうなるんだろう…………?六美に対するあんな感じになるんだろうか…………
気になる………………とゆらゆら小瓶の中の液体を揺らしてはっと我に返り小瓶を懐にしまう。
何を考えているんだ、私は。
凶一郎が六美ちゃんにベタベタに甘えるのは当たり前のことで羨ましいなんて思ったことはない。
ない、けれど…………
私は小瓶を捨てるのではなくポケットに入れてしまった、いつでも取り出せるように。
胸のどこかで、愛が欲しい……と願ってしまった。
「なんだ?それは」
「え?あ、その…………新しく茶葉を買ったから淹れてみたの、飲まない?」
凶一郎は並々と紅茶が注がれたティーカップを眺める。
あきらの思惑に気づかずに、いやあきらがそんな事をするなんて露にも思っていないのか無防備にも素直に椅子に座ってティーカップを手に取る。
「…………いい香りだな…………どうした?」
「えっ、な、何が……?」
「いやさっきから微妙に表情が固まっているからな、ふっさてはうまく淹れれた自信がないな?」
「そ、そうなの………」
ほっと安堵しつつ凶一郎が飲む様子を息をのんで見守る。
じっ…………と液体を見つめてあと少しで口に入る時…………凶一郎は再び手を止めてしまった。
「………………何かおかしい、お前何か…………いれたか?」
「えっ……な、なにも…………ハイっテ……ナイヨ……??」
嘘をつくのが下手すぎる、それでもスパイか、と凶一郎はため息をついた。
やはり見通しの通りだった、さて何が入っているのか…………
「毒…………ということはないだろうが、何を淹れた?」
「だ、だから…………入って…………」
「じゃあ毒味をしろ、問題がないなら俺も飲む」
「えっ、だ、駄目!だって飲んだら…………こないだみたいに…………」
「……………………こないだ?」
うっかり!とあきらは滑った口を抑えるも遅い。
凶一郎はここに何が入ってるのか見当がついてしまった。
つまりはこないだあきらが口にした甘え薬とやらが入っている、あいつは俺が甘えるところが見たい…………と?
…………いや駄目だ、飲んで何が起こるか分かったものじゃない、危険要素は排除しておくに限る。
「なら、尚更飲めないな」
「そ、そっか…………紅茶無駄になっちゃったね…………
じゃあ……私が飲んで……」
「駄目だ!!!」
「あっ、安心して!自分の部屋で飲んで鍵をかけるから!なんなら何かロープで縛って貰ったら安全だよ」
「いやそういうわけじゃなく…………」
パタパタと紅茶を持っていこうと立ち上がって出ようとするあきらを引き留めて再びティーカップを机の上におく。
あきらはどこか理由を勘違いしているらしいが……
こないだのベタベタに甘えてくるあきらをつい思い返してしまった。
………………あの姿は非常に危険だ、危険すぎる…………と跳ね上がる心臓の音を意識した。
「とにかく、俺は飲むつもりはないからな」
「そ、そうだよね、ごめんなさい……」
「…………何で薬を盛ろうとした?」
「えっ…………た、単純な理由なんだけど…………
甘える凶一郎を見たくて………………」
やはりそうか…………と凶一郎は考え込む。
できれば願いを叶えてやりたい、だが………………嫌な予感がする。
飲んでしまえばもう後戻り出来ないような…………そんな予感が過った。
それはそれで良いのかもしれないが無責任なことはしたくない。
なら…………と凶一郎は立ち上がってあきらに近づいた。
「凶一郎…………?」
「お前の希望に応えることは出来ないが…………これで許してくれ」
くい、と体を引っ張っれば容易くあきらの体は凶一郎の胸元に収まった。
唐突なことで理解が追いつかないあきらの髪を愛おしそうに撫でる。
…………やはり危険だ、抱きしめるだけで…………胸が焦がれてしまう。
唇から、熱い吐息がもれてしまいそうに、なる。
「……………………昨日のようなお前の姿を…………誰にも見せたくない………だからこれを飲むのはやめてくれ」
「っ!………………う、うん」
こくこくと頷く動作が分かりそっと体を離すと潤んだあきらの瞳とかちあった。
赤く色づいた頬は魅力的でつい、唇を落としたくなる衝動をぐっと堪えてそっぽを向いた。
ああ…………制限というものは………………辛いものだ…………と何もない壁を見続けた。
【成功版】
「………………」
ぼんやりとしていた意識が段々はっきりとしていく。
夢から目覚めたような…………いや正気に戻りつつあるのを凶一郎は自覚せずに口を動かして……ねっとりとした何かに舌が触れるのを感じ取った。
なんだ?これは?と舌を動かすとくぐもった甘い声がする。
「んっ………………」
漏れ出る吐息に思わず口を離すとぐっしょりと全身に汗をかいている事に気づく。
しっとりとシーツには汗と違う液体が染み込み、やけに体が熱い、主に下半身が。
息を吐いて漸く凶一郎は今何が起きて自身が何をしていたのかはっきりと悟った。
そう、自分の下にはあきらがいる、凶一郎が組み敷く形で。
口を離したものの上に乗っかっている事には変わらず僅かな空間しか隔たるものがない。
凶一郎とあきらも服を纏っておらずさっきまで何をしていたのか…………と急に冷や汗が出てきた。
そう、さっきまで何をしていたのか…………段々と鮮明になっていく記憶に悪寒が走る。
全てはあの紅茶を飲んだ時から始まっていた…………
何やかんや?でお互い紅茶を半分こして飲む方向に落ち着いた。
「じゃ、じゃあそういうことで……」
「そういうことってなんだ」
悪態をつきつつ、凶一郎はティーカップの淵を掴んで口元に持っていく。
あきらも同様に飲もうとしているのかカップを両手で持ち上げているのがティーカップの向こう側に見える。
………………まぁ些か嫌な予感がするが、甘える程度だ。
些末な不安である事を祈りつつ紅茶を口に含んだ――――
「あ、砂糖いれるの忘れてた」
元々砂糖をたくさん入れる派のあきらだが、これは凶一郎用に淹れたものなので、無糖である。
角砂糖を持ってこようと席を立ち戸棚を開けて角砂糖の入った入れ物を取り出す。
今日は何個いれようかなーと鼻歌を歌いながらふと凶一郎が静かな事に気づいた。
さっき紅茶を飲んでいたはず……既に効果は出ている。
なら思ったとおり凶一郎が六美以外で甘えるなんてないのかも…………とちょっとしんみりしていたその時。
音もなく後ろから急に誰かに抱きつかれた。
「わっ!…………って凶一郎…………?」
「………………」
もしかして効果出てきた…………?と一抹の期待を抱いて振り向くと思ったよりも凶一郎の顔が近くにあって胸の鼓動が跳ねた。
凶一郎って甘えると抱きつきたくなるのかな…………?なんて都合のいいように捉えてしまう。
「あ、私もちゃんと飲むから安心して」
「いや、その必要はない」
「?」
凶一郎は何故か紅茶のティーカップをもう片方の手に持っていてそれを自身の口に運んだ。
凶一郎の行動に疑問を浮かべていると唐突にキスをされた…………
「んっ…………?!?」
無理やり口をこじ開けられてぬるま湯程度に冷めた紅茶が舌に触れる。
そのまま口内に残った紅茶を嚥下するよう舌で促されてつい飲み込んでしまった。
ぷは、と口を離されて空気を求めるもすぐさま次の紅茶がやってくる。
「む……♡♡あむ♡♡」
キスのせいか、それとも薬が入った紅茶のせいかどんどん体が熱くなってキスが欲しくなる。
砂糖なんて入ってなくてもとびっきり紅茶は甘くて身が蕩けそうなほどに酔いしれる。
「もっと……いるか……?」
「欲しい…………♡♡♡」
凶一郎に抱きついてキスを強請ればくいと、体を持ち上げられてベッドに寝かされる。
酩酊するような気分の中、凶一郎がゆっくりとベッドのスプリングをぎしりとならして上にのっかった。
後はもう………………唾液の交換をするだけだった。
無我夢中で唇を貪った後…………何をしたいかなんて体は正直に訴えかけている。
はっ♡♡はっ♡♡とあきらの瞳は熱く潤んで全て衝動にまかせたい…………♡♡と凶一郎を誘うように服をはだけさせる。
すっ…………と凶一郎の手に嵌められた黒革手袋が動き彼女の服を全て…………無くしてしまった、もちろん自分の服も。
お互い何も纏わぬ姿になって再びキスを交わし合う。
もう薬も紅茶も何も口内に残っていないはずなのに、濃密な蜂蜜でも塗りたくられているかのような錯覚がした。
「………………貰っても……いいんだな??」
「うん……♡♡凶一郎になら……♡♡」
OKを貰って…………もう一度キスをしようと顔を屈めたその時………………
酔いが………………いや、薬の効果が切れた…………
「………………」
「………………」
あきらも正気に戻ったのか、さっきまでの記憶を振り返ったことか、それとも生まれたままの姿をさらけ出していることが恥ずかしいのか真っ赤になったまま微動だにしない。
やはり、飲むべきではなかった…………もしかしてあの薬には微量の媚薬と同等の成分が含まれていたのでは…………?と凶一郎は感づく。
実際にその通りだったのだが、もう起こしてしまった事は取り返しがつかない。
キスをあんなに繰り返しあと一歩……とはいえお互いスッポンポンなのはどう取り繕っても元通りになれる気がしない。
なかったことにしてくれ……なんて言ったら彼女は泣いてしまうのだろうか…………と過ったその時。
不意に唇に温かい物が押し当てられた。
それがあきらの柔らかな唇である事を理解し、今まで以上に胸が高鳴る。
実際無理をしているのかあきらも湯気がでそうなほど顔を真っ赤にして、必死に堪えていた。
「わ、私は…………お酒とか薬とか…………関係なしに…………凶一郎と…………し、したい…………き、キス…………」
「!!!」
「きょ、凶一郎が望むなら…………それ以上だって………
いいんだよ…………?つ、続き…………し、しない…………の?…………きゃっ」
思わず再びあきらをベッドに押し戻した。
あんな事を言われて引き返す男はいない。
もう後には戻れない、いや戻りたくはない。
順序がぐちゃぐちゃだが多少前後した程度だ、あきらもきっと許してくれるだろう。
だから今は………………
「寝る時間が遅くなっても構わんか?」
「鳥の囀りが聞こえる時間でもいいよ?」
「ふっ…………その言葉…………覚えておけよ?」
濃密すぎるくらい甘い時間をベッドの上で過ごそうじゃないか。
