夜桜凶一郎R夢まとめ
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「はぁ〜〜〜〜〜〜彼氏が欲しい!!!!」
ダン!!!と拳をテーブルに叩きつけると友人(同業者)が迷惑だよと注意したので佇まいを直した。
「で、彼氏が欲しいって?」
「そ、生まれてこの方出来たことないんだから……!」
店内でいちゃつく知らないカップルを睨む。
「でも全くもてナイってわけでもないでしょ
いっそのこと告白してきた人と付き合ったら?」
「んーーそうしようとしたこともあったんだけど……
なんかいつも急に相手が態度変えるんだよね……」
なんでかなぁと首を傾げる私に友人は、あっと思い出した。
「ほら、昔からの付き合いっていう夜桜の長男はどうかなの?」
「…………ないない、だってあいつ私の事嫌いだし…
昔っから何かとちょっかい出されて嫌がらせしてくるし……私に他の男と話そうとすると必ず邪魔してくるの
はーー人の恋路潰して何が楽しいのかな、あ、そうか潰すのが生きがいなのかあいつ」
「ねえ、それって……」
「ねー何かいい人知り合いにいない?」
そう聞くと友人はスマホを取り出しとあるサイトを見せた。
「これ、同業者のみ専用の婚活アプリ
ちょうど次の週末合コンやるらしいよ
あっ!金級の人も来るんだって!」
「へーー金級かぁ」
金級と聞いてスーツ姿のヤツがつい連想してしまうが頭から追い払う。
「よし!!決めた!
私その合コンで運命の人を見つける!!」
流石のあの長男も合コンにまぎれてなんていないだろう。
と思ったが。
「なんでいるの……」
「おっ、奇遇だな」
合コン会場に着くと偉そうに椅子にふんぞり返っている夜桜凶一郎がいた。
まさかの夜桜長男の参加に周りはざわざわと騒がしい。
ちなみに他に金級のスパイもいたようで自分が一番目立つつもりだったのに完全に話題を奪われ隅っこでしょげくれている。
……まさか凶一郎も婚活に興味があったとは驚きだと思っていると幹事役のスパイが手を上げた。
「皆さんおそろいな様なので自己紹介を……じゃあ俺から「無論しっているだろうが夜桜凶一郎だ」
幹事役の男が固まる。
こいつ中心なのは俺だろ?といわんばかりだ!!!と男スパイ達に緊張が走る。
ヘタをすると全てこいつに持っていかれる!!
「好きな物は六美、好きなタイプは六美
愛しているのは六美、六美が全て、以上」
とんだ自己紹介をした凶一郎に全員がこいつ何しにきたんだろうと思った。
それから自己紹介も全員に行き渡り各々気になる人にアタックするターンが回っていた。
最初目星つけていた金級の男スパイは全く反応されず隅っこで膝を抱えている。
さて、どの人に声かけようかなと合図がなった瞬間、私は凶一郎の鋼蜘蛛に捕まえられた。
「え??」
「じゃ、俺は帰るからな
ついでにこいつも連れていく」
「は??」
派手に合コン会場の壁を吹き飛ばし凶一郎は私を抱えて合コン会場から出ていってしまった。
そして壁が無くなったその他の参加者は啞然としたのだった。
「………………」
「おいおい、そんなに怒ることないだろう」
解放され、怒りのあまりずんずんと突き進む私を凶一郎が余裕たっぷりと言わんばかりに歩いて追いかけてくる。
「いやーーまさかお前も合コンに参加してるとはなー
驚いた」
「…………あのさあ」
ビタリと足を止めて振り返ると凶一郎はなんだ?と笑う。
「何がしたいの」
「何……とは?」
「すっとぼけないで!!ずーーっとずーーーーっと!、
私が恋人出来そうになるとあんたはいっっつも邪魔してくる!!何の恨みがあって……!こんなことするのよ!」
「………………」
思いを全部吐ききってさぞ笑っているんだろうと凶一郎を見ると苦虫を踏み潰したような表情をしていて、戸惑った。
……こんな表情みたことない。
「…………お前がずっと俺の事を見てくれないから……って言ったらどうする?」
「えっっ」
……そんなの、それってつまり凶一郎が。
全く予想していなかった状況に戸惑い鼓動が跳ね上がる。
あれ、なんでこんなに体が熱いんだろうと、黙ってしまった私に凶一郎は。
「なーーんてな!冗談だ」
「なっ」
「ふっ、この俺がお前に惚れているとでも思ったか?」
ハハハ、と笑って凶一郎は私を追い越す。
でも、その背中は哀愁を感じさせた。
なまじ長年一緒にいたせいか先ほどのからかいは嘘だと思った。
「あのさ」
「なんだ」
凶一郎は振り返らない。
「……私今絶賛彼氏募集中なんだけど」
「そうか」
私は大きく深呼吸をした。
「ど、どこかに江戸時代から続くスパイ一家の長男で
金級で…………この世の何よりも妹が好きで
ことあるごとに人の恋路じゃまする鋼蜘蛛使いの人っていないかなーー?」
「ほう、まるで俺のような条件だな」
凶一郎は振り返り、したり顔で笑い近寄ってきた。
「で、その俺のような条件の恋人が欲しいということか?」
「そういうこと、知らない?」
「生憎だが知らんな」
そっか、というと凶一郎はじっと私を見る。
「代わりといってはなんだが、俺は今フリーだ
付き合って見るか?」
「また邪魔したりしないなら」
「どこの世界に自分の恋を邪魔する男がいるんだ」
確かに、と納得すると凶一郎が手を差し出してきたので応える。
彼との関係が別の名前になり、それが変化する時もそう遠くはないだろう。