凶一郎の婚約者さん
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「いい加減開けろ!!授業が始まるだろう……!」
「無理な物は無理……!!いくら凶一郎でもこればっかりは……!!き、着替えられてないし……」
「ふん、嘘だな
大方着たものの直前になって羞恥心が勝ったとかだろう」
「うっ…………」
図星を当てられあきらはドアを閉めようとする力を緩めかけて開こうとする隙間を慌てて再び閉じた。
パタンと扉が閉まり扉を1枚隔てた向こう側では凶一郎が上手くいかなかったかと舌を巻く姿が浮かび上がる。
明らかに年齢に合わない女子生徒の制服を着たあきらが何故こうして凶一郎と争っているかというと……
夜桜一家にとある女子高での潜入捜査の依頼が来たからである。
比較的年齢が近い四怨は潜入捜査に向いていなく二刃は幼すぎてどう見ても子供に見られるから返って怪しまれ……
意気揚々と手を上げた嫌五はそもそもあんた男でしょ、と即却下された為残ったのがあきらしか居なかったのである。
そんなこんなで潜入先の女子高の制服を渡され一夜制服とにらみ合っこし自分がやらなくては……と着たものの高校に通わなかった自分にとっては五年以上久しぶりな制服なわけで。
改めて姿鏡に映った制服姿の自分を見るだけで羞恥心で死にそうだ。
これ本当に紛れても大丈夫なの!?バレないの!?!?というかそれ以前に年下に見られてようがなかろうがこの服を着てるだけで恥ずかしい!!!と叫びたくなる。
…………とすんすん泣いていると凶一郎がこんこん、とノックをして準備が出来たかと聞いてきた。
準備?そんなの出来てないに決まっている。
やっぱりいけない……と嘆いているとガチャガチャとドアノブを回して開けようとする音が聞こえた。
そして話は冒頭に戻る。
一向に開ける気がないあきらに諦めたのか凶一郎の込める力が消えた。
それはそれでなんだか申し訳ないなと思っているとドアの向こう側から空白をおいてぽつりと声がかかった。
「すまなかった」
「…………?何のこと?任務の話?」
「……いや、高校の話だ、最初は行く予定だっただろう、それなのに……
俺が中学卒業後家業に専念すると聞いてお前は進学の話を白紙に戻したな…………懐かしい話だ
今回の任務の件俺は正直嬉しいと思った、諦めさせた償いが出来るのだと……」
これは罠だ、こうして自ら出ていかせる罠なのだと。
そう分かっているのにあきらは何も言い返せなかった。
「何も俺に合わせる必要はないのに……
結婚した時に向けて花嫁修業をしなければならないのだの言い訳をして……」
「それは違うよ!!!」
ガチャリとドアを開けて凶一郎の瞳をしっかりと見る。
凶一郎は勢いよく出てきたあきらに驚いたのか普段閉じている瞳を開けていた。
「私…………凶一郎の支えになりたかったの
その為には高校に行ってる暇なんてないもの…………
…………ありがとう、ちょっと恥ずかしいけど……着れなかった制服を着れて……実はちょっと嬉しかったの」
似合う?とスカートを持ち上げて首を傾げるあきらに凶一郎はあきら…………と少し微笑んでくっとニヤリと笑った。
「………………出てきたな???」
「あ」
しゅるるる……と鋼蜘蛛が体を巻いてあっという間に雁字搦めにされる。
抗議する間もなくあきらは拘束されてしまった。
しまった!!と言う隙もなくあれよあれよと言う間にあきらは高校へと連行されたのである。
観念して自分よりも年下の同級生に自己紹介をして自分の席に座る。
どこからやってきたの??と質問責めにあい適当に返して授業が始まるとあきらは再び驚くことになった。
何故なら急遽今日から赴任してきたという昼川という教師が教鞭をとっていたからである。
昼川というのは凶一郎の偽名の一つだ。
太陽と六美の学校では教頭ということになっているが……
どうしてこの女子校にまでいるんだろう……
きっと羞恥心で潜入捜査が出来ないと思われているに違いない。
ともやもや考えていると偽名である苗字を呼ばれた。
「おい、ちゃんと聞いているか?」(任務ちゃんと覚えているか?)
「は、はい……すみません……」(ごめんなさい、ちょっとぼーとしてた)
ならいいと凶一郎が黒板に背を向けてコツコツとチョークで文字が書かれていく。
その様子にぽやぽやと再びあきらは見惚れてしまっていた。
(先生してる凶一郎…………かっこいいなぁ……)
「…………………………」
授業終わり今日は何も目立ったことは起きなかったなぁ……と整える。
まぁ初日だし流石に尻尾は出さないか……と思っていると凶一郎にちょっとこい、と声をかけられる。
「なに?凶一郎」
いつも通りに笑顔で近寄ると凶一郎はぐいっと肩を掴んで睨んできた。
「ほう……初日から俺の名を呼ぶとは…………」
「あっ…………」
やってしまったとたらりと冷や汗をかく。
それも当然いきなりあの子初日から先生のこと呼び捨てだよ……と周りの女子が遠巻きに見ていたのだから。
「この転入生は礼儀がなっていないようだな????
昼川、せ、ん、せ、い、……だろう???」
「は、はい…………ヒルカワ、センセイ」
「声が小さい、もう一回」
「昼川先生…………」
「……………………………………」
凶一郎は何かを堪えるような仕草を取った後、これで勘弁してやると言って去っていった。
はぁ〜〜〜と力が抜けると遠巻きに見守っていた女子のうち数人が話しかけてきた。
もしや何か気づかれた!?とひやひやしたが怖かったよね、大丈夫?と逆に心配されそれがきっかけで何人かと交友を持つことが出来た。
それから地道に聞き込みをすること1週間…………
目ぼしい生徒にあたりをつけて目的の任務は果たした。
これでこの制服ともおさらばか…………と自室に戻り脱ごうとして……何となく捨てるのを躊躇ってしまった。
あきらはそっと制服をしまった。
「…………………………」
今日は六美他皆出払っている。
今ならば誰も部屋を訪れないだろうとそわそわしながら服に身を通す。
そして鍵をかけるのをすっかり忘れていたからかたまたま用事があって早く帰ってきた凶一郎にもっかい制服を着ているのを見られてしまった。
「…………………………」
「…………………………」
「…………すまん、失礼した」
「ち、違うの!!!!ま、またもう一回潜入捜査がくるかもと思って!!!ふ、太ったかもしれないから!さ、サイズ合わなかったから調整しないとって!」
サイズも何もお前体型そんなに変わらないだろうという凶一郎の目線が痛い。
「きょ、凶一郎…………っに見られたああ…………」
恥ずかしい……死んじゃう…………と手で顔を覆って言うあきらに凶一郎は気にしていないと肩にぽんと手を置く。
「ほんと???凶一郎……」
「ああ…………それよりも……」
凶一郎はじっっっ……とあきらの制服姿を見つめる。
じっくりと見られて恥ずかしいあきらは早く要件を言ってほしくて急かすと凶一郎はあきらを壁に追い詰めた。
「凶一郎…………?」
「凶一郎じゃない、凶一郎、先生……だろう」
「えっ、で、でも今は……家で……」
心なしか凶一郎との距離が近い。
顎をすっと手で持ち上げられ、凶一郎は物覚えの悪い生徒には指導が必要だな、と接近しようとした時他兄妹がが帰宅した音が聞こえた。
「あっ、皆帰ってきたみたいだね、わっ、びっくりした……いきなりチョップしないで……」
痛くないけどとりあえず頭を擦ると凶一郎はふん、とぶっきらぼうな表情で行ってしまった。
指導ってチョップのことだったのかな?と首を傾げたあきらははっと制服を着たままである事に気付いて慌てて元の服に着替えた。
「…………危ない危ない…………これは永久保存だ…………」
といいつつ何故かもう一回着る羽目になったのはだいぶ後の話である。
「無理な物は無理……!!いくら凶一郎でもこればっかりは……!!き、着替えられてないし……」
「ふん、嘘だな
大方着たものの直前になって羞恥心が勝ったとかだろう」
「うっ…………」
図星を当てられあきらはドアを閉めようとする力を緩めかけて開こうとする隙間を慌てて再び閉じた。
パタンと扉が閉まり扉を1枚隔てた向こう側では凶一郎が上手くいかなかったかと舌を巻く姿が浮かび上がる。
明らかに年齢に合わない女子生徒の制服を着たあきらが何故こうして凶一郎と争っているかというと……
夜桜一家にとある女子高での潜入捜査の依頼が来たからである。
比較的年齢が近い四怨は潜入捜査に向いていなく二刃は幼すぎてどう見ても子供に見られるから返って怪しまれ……
意気揚々と手を上げた嫌五はそもそもあんた男でしょ、と即却下された為残ったのがあきらしか居なかったのである。
そんなこんなで潜入先の女子高の制服を渡され一夜制服とにらみ合っこし自分がやらなくては……と着たものの高校に通わなかった自分にとっては五年以上久しぶりな制服なわけで。
改めて姿鏡に映った制服姿の自分を見るだけで羞恥心で死にそうだ。
これ本当に紛れても大丈夫なの!?バレないの!?!?というかそれ以前に年下に見られてようがなかろうがこの服を着てるだけで恥ずかしい!!!と叫びたくなる。
…………とすんすん泣いていると凶一郎がこんこん、とノックをして準備が出来たかと聞いてきた。
準備?そんなの出来てないに決まっている。
やっぱりいけない……と嘆いているとガチャガチャとドアノブを回して開けようとする音が聞こえた。
そして話は冒頭に戻る。
一向に開ける気がないあきらに諦めたのか凶一郎の込める力が消えた。
それはそれでなんだか申し訳ないなと思っているとドアの向こう側から空白をおいてぽつりと声がかかった。
「すまなかった」
「…………?何のこと?任務の話?」
「……いや、高校の話だ、最初は行く予定だっただろう、それなのに……
俺が中学卒業後家業に専念すると聞いてお前は進学の話を白紙に戻したな…………懐かしい話だ
今回の任務の件俺は正直嬉しいと思った、諦めさせた償いが出来るのだと……」
これは罠だ、こうして自ら出ていかせる罠なのだと。
そう分かっているのにあきらは何も言い返せなかった。
「何も俺に合わせる必要はないのに……
結婚した時に向けて花嫁修業をしなければならないのだの言い訳をして……」
「それは違うよ!!!」
ガチャリとドアを開けて凶一郎の瞳をしっかりと見る。
凶一郎は勢いよく出てきたあきらに驚いたのか普段閉じている瞳を開けていた。
「私…………凶一郎の支えになりたかったの
その為には高校に行ってる暇なんてないもの…………
…………ありがとう、ちょっと恥ずかしいけど……着れなかった制服を着れて……実はちょっと嬉しかったの」
似合う?とスカートを持ち上げて首を傾げるあきらに凶一郎はあきら…………と少し微笑んでくっとニヤリと笑った。
「………………出てきたな???」
「あ」
しゅるるる……と鋼蜘蛛が体を巻いてあっという間に雁字搦めにされる。
抗議する間もなくあきらは拘束されてしまった。
しまった!!と言う隙もなくあれよあれよと言う間にあきらは高校へと連行されたのである。
観念して自分よりも年下の同級生に自己紹介をして自分の席に座る。
どこからやってきたの??と質問責めにあい適当に返して授業が始まるとあきらは再び驚くことになった。
何故なら急遽今日から赴任してきたという昼川という教師が教鞭をとっていたからである。
昼川というのは凶一郎の偽名の一つだ。
太陽と六美の学校では教頭ということになっているが……
どうしてこの女子校にまでいるんだろう……
きっと羞恥心で潜入捜査が出来ないと思われているに違いない。
ともやもや考えていると偽名である苗字を呼ばれた。
「おい、ちゃんと聞いているか?」(任務ちゃんと覚えているか?)
「は、はい……すみません……」(ごめんなさい、ちょっとぼーとしてた)
ならいいと凶一郎が黒板に背を向けてコツコツとチョークで文字が書かれていく。
その様子にぽやぽやと再びあきらは見惚れてしまっていた。
(先生してる凶一郎…………かっこいいなぁ……)
「…………………………」
授業終わり今日は何も目立ったことは起きなかったなぁ……と整える。
まぁ初日だし流石に尻尾は出さないか……と思っていると凶一郎にちょっとこい、と声をかけられる。
「なに?凶一郎」
いつも通りに笑顔で近寄ると凶一郎はぐいっと肩を掴んで睨んできた。
「ほう……初日から俺の名を呼ぶとは…………」
「あっ…………」
やってしまったとたらりと冷や汗をかく。
それも当然いきなりあの子初日から先生のこと呼び捨てだよ……と周りの女子が遠巻きに見ていたのだから。
「この転入生は礼儀がなっていないようだな????
昼川、せ、ん、せ、い、……だろう???」
「は、はい…………ヒルカワ、センセイ」
「声が小さい、もう一回」
「昼川先生…………」
「……………………………………」
凶一郎は何かを堪えるような仕草を取った後、これで勘弁してやると言って去っていった。
はぁ〜〜〜と力が抜けると遠巻きに見守っていた女子のうち数人が話しかけてきた。
もしや何か気づかれた!?とひやひやしたが怖かったよね、大丈夫?と逆に心配されそれがきっかけで何人かと交友を持つことが出来た。
それから地道に聞き込みをすること1週間…………
目ぼしい生徒にあたりをつけて目的の任務は果たした。
これでこの制服ともおさらばか…………と自室に戻り脱ごうとして……何となく捨てるのを躊躇ってしまった。
あきらはそっと制服をしまった。
「…………………………」
今日は六美他皆出払っている。
今ならば誰も部屋を訪れないだろうとそわそわしながら服に身を通す。
そして鍵をかけるのをすっかり忘れていたからかたまたま用事があって早く帰ってきた凶一郎にもっかい制服を着ているのを見られてしまった。
「…………………………」
「…………………………」
「…………すまん、失礼した」
「ち、違うの!!!!ま、またもう一回潜入捜査がくるかもと思って!!!ふ、太ったかもしれないから!さ、サイズ合わなかったから調整しないとって!」
サイズも何もお前体型そんなに変わらないだろうという凶一郎の目線が痛い。
「きょ、凶一郎…………っに見られたああ…………」
恥ずかしい……死んじゃう…………と手で顔を覆って言うあきらに凶一郎は気にしていないと肩にぽんと手を置く。
「ほんと???凶一郎……」
「ああ…………それよりも……」
凶一郎はじっっっ……とあきらの制服姿を見つめる。
じっくりと見られて恥ずかしいあきらは早く要件を言ってほしくて急かすと凶一郎はあきらを壁に追い詰めた。
「凶一郎…………?」
「凶一郎じゃない、凶一郎、先生……だろう」
「えっ、で、でも今は……家で……」
心なしか凶一郎との距離が近い。
顎をすっと手で持ち上げられ、凶一郎は物覚えの悪い生徒には指導が必要だな、と接近しようとした時他兄妹がが帰宅した音が聞こえた。
「あっ、皆帰ってきたみたいだね、わっ、びっくりした……いきなりチョップしないで……」
痛くないけどとりあえず頭を擦ると凶一郎はふん、とぶっきらぼうな表情で行ってしまった。
指導ってチョップのことだったのかな?と首を傾げたあきらははっと制服を着たままである事に気付いて慌てて元の服に着替えた。
「…………危ない危ない…………これは永久保存だ…………」
といいつつ何故かもう一回着る羽目になったのはだいぶ後の話である。