凶一郎の婚約者さん
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何気ない会話の途中、太陽はあきらと話しているとふいに誰かの視線を感じた。
くるりと振り返ると影から伺っていた人物は太陽に気づきとててて……と去ってしまった。
何となくの気配とちらりと見えた尻尾からアイである事を察する。
そしてアイを遠くから見つめるあきらの悲しそうな瞳に太陽は何か困り事でもあるんですか?とやんわりと聞いた。
何でもなさそうに繕っていたあきらだが太陽の目線にバレちゃった?と困ったように微笑んで実はね……と太陽が不在だった時の出来事を話した。
あれはそう、アイが各々の夜桜兄弟にスパイの稽古をつけてもらっていた時のことだった。
「ちょっとお姉ちゃん!!!聞いてよ!!!
お兄ちゃんったらアイさんに酷い訓練させたの!!!」
「酷いとは聞き捨てならないな、アレも必要なことであって……ゴニョゴニョ……」
「じゃあ!!!この怯えてるアイさん見てよ!!!!
アイさん、怖かったよね……もう大丈夫だよ」
よしよし、と六美はアイの背中を擦る。
とんとん……とまるで本当に自分の子供もあやすように擦る姿はまるで母親のようだ。
その姿につい零を重ねてしまいあきらは一瞬言葉に詰まったが、すぐに笑みを浮かべてアイに近寄った。
「六美……ありがとう、もうアイさん大丈夫!!」
「うっ、何て良い子なの……!」
「でねでね、アイさんにも稽古つけてほしいの!」
尻尾をぶんぶんと振って意気揚々なアイにあきらは私?と指で自身を指すとアイはこくこく、と頷く。
稽古…………稽古か…………とあきらは思わず苦笑いになる。
「うーーん……でも皆だいたいの事は教えてそうだし……後何あるかな」
各兄弟は個々の強みを生かした訓練を化している。
なら私に出来るのは…………とあきらなりに考えた結果がこれだった。
そうだ!と閃いたあきらは懐から小刀を取り出した。
「ナイフ?あっ俊敏性ね!!」
「ううん?違うよ、こうやってーー」
あきらはテーブルに自身の手のひらを置きどすん!!!とナイフで突き刺した。
凶一郎含め全員が固まる中手から血をだらだらと流しつつあきらはぺらぺらとまるで怪我でもしていない様子で喋り続ける。
「ほら、戦闘で負傷した時に多少痛みあっても構わず動かないといけないでしょ?その時に備えてーとか……」
笑顔を浮かべながらぺらぺらと喋り続けるあきらにアイは六美の服をぎゅっと握りしめて口をハクハクとさせている。
瞳孔は乱れ恐怖で怯えるアイに気づき慌てて六美はあきらに叱咤した。
「もう!!!!お姉ちゃんもお兄ちゃんと変わらないじゃん!!!!」
「………………あれ???いい訓練になると思ったんだけど…………」
「なるわけないでしょうっ!!!?」
それ以来アイはあきらに近づかなくなってしまった。
あきらを見るとどこか怯えた目をして去ってしまう。
あきらの方もアイに対してどう距離を縮めていいか分からず今はなるべく近づかない事で彼女の平穏を守っていたようだ。
「…………当たり前だよね、目の前であんなおかしな事したら、後で凶一郎にもすっごく怒られたし」
「それはそうですよ……俺だって姉さんにそんな自分の体を傷つけることなんてさせたくありません
…………それは一旦置いとくとして……この現状を変えたいんですね?」
そう問いかけるとあきらは俯いた。
ティーカップには暗い表情の自分の顔が写し出されていた。
水面と見つめる事数秒、あきらはぽつり…と呟いた。
「せっかく一緒の家で暮らしてるんだもの、仲良くはしたいなって……でも……」
「どうすれば仲良くなるなれるか分からない……ですね?」
こくりとあきらが頷き太陽は思案した。
そして何か一緒に考えましょう、きっと何かいい方法ありますよ、と伝えるとあきらが顔を上げた。
水面に写る顔はいくらか和らいだような気がした。
「まずは何かお菓子を作って食べようと誘うのはどうでしょう?」
「わぁ、いいアイディア!何がいいかなー」
「パウンドケーキなんてどうですか?手軽って書いてありますし……あっ切り分けるのは俺がやりますね」
「じゃあ、早速作ってみよう!」
二人でレシピと格闘することしばらく。
粉を勢いよく入れて粉まみれになったり生地を回すスピードが早すぎたりなど……色々はあったがようやくオーブンで焼くとこまでやってきた。
徐々に甘い匂いがキッチンの外まで漂い始めアイは鼻がいいからか誰よりも早く気づいてその香りに誘われるようにとことことキッチンまでやってきた。
(六美がお菓子作ってるのかな??)
甘い匂いに浮足立ってアイさんが頑張ってるご褒美よ、とケーキを差し出してくるのを想像しながらひょっこりと中を覗くとそこにいたのは六美ではなくあきらと太陽だった。
(……………………!!!!)
慌ててささっと壁に隠れ中を伺うと二人はまだ気づいていないようだった。
良かった、バレてなかった……と胸に手を置いて安堵する。
二人はケーキが焼けるのを待っているようだった。
息を潜めアイは様子を見守る。
正確には2人ともアイが来ている事には気づいているがそれに気づかない振りをしているだけなのだが、アイはまだ知らない。
「上手く焼けてるかなーー」
「大丈夫ですよ、きっと上手くいってます」
「そうだといいなぁ」
二人は誰に向けてケーキを作ってるんだろう?六美?それともあの人が好きな人?うーーん…………とアイは腕を組んで考えたが結局答えは出ないままオーブンからピピッとタイマーの音が鳴り響く、ケーキが焼けたようだ。
いそいそとケーキの取り出しにかかる二人だったが唐突に太陽の驚く声が響き渡った。
「ちょ!!!姉さん!!!ミトン忘れてますよ!!」
「ミトン???あっ」
「い、一旦それ置いて!!!冷やさなきゃ!!!!」
熱い鉄板を素手で持ってしまい火傷したにも関わらずまたもや平気な表情のあきらにこっそり中を覗いていたアイはぶるぶると震えまたもや逃げてしまった。
「あっ…………失敗かぁ……」
「と、とにかく今は火傷冷やしましょう!!」
氷水に手を浸しながらも落ち込むあきらに太陽はまだチャンスありますよ、と必死に励ました。
それから……。
「そうだ、ゲームを一緒にやろうと誘うのはどうでしょう?
六美もちょっとだけならする時間増やしてもいいって言ってましたし」
「ゲームか……いいかもね」
「じゃあ、どれにしましょう?」
四怨に頼みこんであきらが持ってきたゲームソフトは明らか年齢制限がついているグロテスクなジャンルだった、しかも一人用である。
「駄目ですよ!!!!
これじゃますます怖がっちゃう!!」
「えーーでも………」
「でもじゃないです!!!というかこういうの平気なんですね?」
「ん?あーああいうスプラッタ系?自分で経験済みだから」
さらりと笑顔で言うあきらに太陽はああ……はい…………と引きつった笑顔で返事をしたのだった。
結局どの作戦も上手くいかず数日が経過した。
ベッドで寝ていたアイはふと玄関から誰かの話し声がうっすらと聞こえてきて目が覚める。
何を話しているかまでは聞こえず身を起こして玄関に向かうとあきらと六美が話していた。
「お姉ちゃん…………ほんとにいいの?」
「うん、それにそろそろ行かなくちゃいけないから」
「…………無理しないでね」
「大丈夫だよ、六美、居なくなって……」
(いなくなる………………??)
二人に見えないように隠れていたアイは目を見開いた。
二人の話し方から言うと居なくなるのはあきらの方だ。
屋敷から出ていく………………??何のために……?
明らかに仕事用ではなく大きな荷物を手に持つあきらにかつて自分が最初夜桜邸にやってきて自ら出ていこうとした時の自分の姿と重なった。
(もしかしてアイさんがあきらのこと怖がるから?
これ以上アイさんを怖がらせないように…………??)
「っ」
駄目、そんなの駄目、とアイはいつの間にか駆け出していてあきらにしがみついた。
「アイ、さん……!?」
ぎゅっとしがみつくとあきらは驚いたように目を大きく見開いていた。
「っ、いなく、なっちゃ、やだ」
「アイさん…………」
「あきら、ほんとはちょっぴりコワイ…………
でも…………アイさんを怖がらせないようにしてくれてるのちゃんと分かってる…………でも勇気が出なくて…………
ごめんなさいっ、だから……いなくならないで……!」
ぐすぐす、と嗚咽をもらすアイにあきらはどうしたらいいのか躊躇って膝をついて抱きしめ恐る恐るアイの背中をゆっくりと手で撫でた。
接し方が分からなかったのはあきらも同じでその手は若干震えていた。
「アイさん………………ありがとう……」
「もう居なくならない……?出ていかない?」
「あーー……えっとこれは別に家出とかじゃないんだけど…………別の家に帰ろうとしてただけで……」
「別?の家?ここがあきらのお家じゃないの?」
「あーー…………えっと……なんて言ったらいいのかな……」
あまり自分の境遇について詳しく語る機会がなかったな…………とあきらはどう返すか悩んでそれはまた後で説明するねとアイと目線を合わせた。
「ともかくここからずっと居なくなるわけじゃないの
数日したら帰ってくるから」
「……わかった」
「…………アイさん、帰ってきたら……私ともお友達になってくれる……?」
「………………!!……もう友達だよ」
「!アイさん……ありがとう……」
抱きしめ合う二人を六美はまるで母のような慈愛に満ちた目線で見守り微笑んだ。
アイにちょっぴりコワイ友達が出来た日だった。
くるりと振り返ると影から伺っていた人物は太陽に気づきとててて……と去ってしまった。
何となくの気配とちらりと見えた尻尾からアイである事を察する。
そしてアイを遠くから見つめるあきらの悲しそうな瞳に太陽は何か困り事でもあるんですか?とやんわりと聞いた。
何でもなさそうに繕っていたあきらだが太陽の目線にバレちゃった?と困ったように微笑んで実はね……と太陽が不在だった時の出来事を話した。
あれはそう、アイが各々の夜桜兄弟にスパイの稽古をつけてもらっていた時のことだった。
「ちょっとお姉ちゃん!!!聞いてよ!!!
お兄ちゃんったらアイさんに酷い訓練させたの!!!」
「酷いとは聞き捨てならないな、アレも必要なことであって……ゴニョゴニョ……」
「じゃあ!!!この怯えてるアイさん見てよ!!!!
アイさん、怖かったよね……もう大丈夫だよ」
よしよし、と六美はアイの背中を擦る。
とんとん……とまるで本当に自分の子供もあやすように擦る姿はまるで母親のようだ。
その姿につい零を重ねてしまいあきらは一瞬言葉に詰まったが、すぐに笑みを浮かべてアイに近寄った。
「六美……ありがとう、もうアイさん大丈夫!!」
「うっ、何て良い子なの……!」
「でねでね、アイさんにも稽古つけてほしいの!」
尻尾をぶんぶんと振って意気揚々なアイにあきらは私?と指で自身を指すとアイはこくこく、と頷く。
稽古…………稽古か…………とあきらは思わず苦笑いになる。
「うーーん……でも皆だいたいの事は教えてそうだし……後何あるかな」
各兄弟は個々の強みを生かした訓練を化している。
なら私に出来るのは…………とあきらなりに考えた結果がこれだった。
そうだ!と閃いたあきらは懐から小刀を取り出した。
「ナイフ?あっ俊敏性ね!!」
「ううん?違うよ、こうやってーー」
あきらはテーブルに自身の手のひらを置きどすん!!!とナイフで突き刺した。
凶一郎含め全員が固まる中手から血をだらだらと流しつつあきらはぺらぺらとまるで怪我でもしていない様子で喋り続ける。
「ほら、戦闘で負傷した時に多少痛みあっても構わず動かないといけないでしょ?その時に備えてーとか……」
笑顔を浮かべながらぺらぺらと喋り続けるあきらにアイは六美の服をぎゅっと握りしめて口をハクハクとさせている。
瞳孔は乱れ恐怖で怯えるアイに気づき慌てて六美はあきらに叱咤した。
「もう!!!!お姉ちゃんもお兄ちゃんと変わらないじゃん!!!!」
「………………あれ???いい訓練になると思ったんだけど…………」
「なるわけないでしょうっ!!!?」
それ以来アイはあきらに近づかなくなってしまった。
あきらを見るとどこか怯えた目をして去ってしまう。
あきらの方もアイに対してどう距離を縮めていいか分からず今はなるべく近づかない事で彼女の平穏を守っていたようだ。
「…………当たり前だよね、目の前であんなおかしな事したら、後で凶一郎にもすっごく怒られたし」
「それはそうですよ……俺だって姉さんにそんな自分の体を傷つけることなんてさせたくありません
…………それは一旦置いとくとして……この現状を変えたいんですね?」
そう問いかけるとあきらは俯いた。
ティーカップには暗い表情の自分の顔が写し出されていた。
水面と見つめる事数秒、あきらはぽつり…と呟いた。
「せっかく一緒の家で暮らしてるんだもの、仲良くはしたいなって……でも……」
「どうすれば仲良くなるなれるか分からない……ですね?」
こくりとあきらが頷き太陽は思案した。
そして何か一緒に考えましょう、きっと何かいい方法ありますよ、と伝えるとあきらが顔を上げた。
水面に写る顔はいくらか和らいだような気がした。
「まずは何かお菓子を作って食べようと誘うのはどうでしょう?」
「わぁ、いいアイディア!何がいいかなー」
「パウンドケーキなんてどうですか?手軽って書いてありますし……あっ切り分けるのは俺がやりますね」
「じゃあ、早速作ってみよう!」
二人でレシピと格闘することしばらく。
粉を勢いよく入れて粉まみれになったり生地を回すスピードが早すぎたりなど……色々はあったがようやくオーブンで焼くとこまでやってきた。
徐々に甘い匂いがキッチンの外まで漂い始めアイは鼻がいいからか誰よりも早く気づいてその香りに誘われるようにとことことキッチンまでやってきた。
(六美がお菓子作ってるのかな??)
甘い匂いに浮足立ってアイさんが頑張ってるご褒美よ、とケーキを差し出してくるのを想像しながらひょっこりと中を覗くとそこにいたのは六美ではなくあきらと太陽だった。
(……………………!!!!)
慌ててささっと壁に隠れ中を伺うと二人はまだ気づいていないようだった。
良かった、バレてなかった……と胸に手を置いて安堵する。
二人はケーキが焼けるのを待っているようだった。
息を潜めアイは様子を見守る。
正確には2人ともアイが来ている事には気づいているがそれに気づかない振りをしているだけなのだが、アイはまだ知らない。
「上手く焼けてるかなーー」
「大丈夫ですよ、きっと上手くいってます」
「そうだといいなぁ」
二人は誰に向けてケーキを作ってるんだろう?六美?それともあの人が好きな人?うーーん…………とアイは腕を組んで考えたが結局答えは出ないままオーブンからピピッとタイマーの音が鳴り響く、ケーキが焼けたようだ。
いそいそとケーキの取り出しにかかる二人だったが唐突に太陽の驚く声が響き渡った。
「ちょ!!!姉さん!!!ミトン忘れてますよ!!」
「ミトン???あっ」
「い、一旦それ置いて!!!冷やさなきゃ!!!!」
熱い鉄板を素手で持ってしまい火傷したにも関わらずまたもや平気な表情のあきらにこっそり中を覗いていたアイはぶるぶると震えまたもや逃げてしまった。
「あっ…………失敗かぁ……」
「と、とにかく今は火傷冷やしましょう!!」
氷水に手を浸しながらも落ち込むあきらに太陽はまだチャンスありますよ、と必死に励ました。
それから……。
「そうだ、ゲームを一緒にやろうと誘うのはどうでしょう?
六美もちょっとだけならする時間増やしてもいいって言ってましたし」
「ゲームか……いいかもね」
「じゃあ、どれにしましょう?」
四怨に頼みこんであきらが持ってきたゲームソフトは明らか年齢制限がついているグロテスクなジャンルだった、しかも一人用である。
「駄目ですよ!!!!
これじゃますます怖がっちゃう!!」
「えーーでも………」
「でもじゃないです!!!というかこういうの平気なんですね?」
「ん?あーああいうスプラッタ系?自分で経験済みだから」
さらりと笑顔で言うあきらに太陽はああ……はい…………と引きつった笑顔で返事をしたのだった。
結局どの作戦も上手くいかず数日が経過した。
ベッドで寝ていたアイはふと玄関から誰かの話し声がうっすらと聞こえてきて目が覚める。
何を話しているかまでは聞こえず身を起こして玄関に向かうとあきらと六美が話していた。
「お姉ちゃん…………ほんとにいいの?」
「うん、それにそろそろ行かなくちゃいけないから」
「…………無理しないでね」
「大丈夫だよ、六美、居なくなって……」
(いなくなる………………??)
二人に見えないように隠れていたアイは目を見開いた。
二人の話し方から言うと居なくなるのはあきらの方だ。
屋敷から出ていく………………??何のために……?
明らかに仕事用ではなく大きな荷物を手に持つあきらにかつて自分が最初夜桜邸にやってきて自ら出ていこうとした時の自分の姿と重なった。
(もしかしてアイさんがあきらのこと怖がるから?
これ以上アイさんを怖がらせないように…………??)
「っ」
駄目、そんなの駄目、とアイはいつの間にか駆け出していてあきらにしがみついた。
「アイ、さん……!?」
ぎゅっとしがみつくとあきらは驚いたように目を大きく見開いていた。
「っ、いなく、なっちゃ、やだ」
「アイさん…………」
「あきら、ほんとはちょっぴりコワイ…………
でも…………アイさんを怖がらせないようにしてくれてるのちゃんと分かってる…………でも勇気が出なくて…………
ごめんなさいっ、だから……いなくならないで……!」
ぐすぐす、と嗚咽をもらすアイにあきらはどうしたらいいのか躊躇って膝をついて抱きしめ恐る恐るアイの背中をゆっくりと手で撫でた。
接し方が分からなかったのはあきらも同じでその手は若干震えていた。
「アイさん………………ありがとう……」
「もう居なくならない……?出ていかない?」
「あーー……えっとこれは別に家出とかじゃないんだけど…………別の家に帰ろうとしてただけで……」
「別?の家?ここがあきらのお家じゃないの?」
「あーー…………えっと……なんて言ったらいいのかな……」
あまり自分の境遇について詳しく語る機会がなかったな…………とあきらはどう返すか悩んでそれはまた後で説明するねとアイと目線を合わせた。
「ともかくここからずっと居なくなるわけじゃないの
数日したら帰ってくるから」
「……わかった」
「…………アイさん、帰ってきたら……私ともお友達になってくれる……?」
「………………!!……もう友達だよ」
「!アイさん……ありがとう……」
抱きしめ合う二人を六美はまるで母のような慈愛に満ちた目線で見守り微笑んだ。
アイにちょっぴりコワイ友達が出来た日だった。
