凶一郎の婚約者さん
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「太陽、太陽、お祭りいこ!!!」
「祭り??」
「そう、お祭り、昔から皆で行ってるお祭りなんだけど……太陽も行かない?」
太陽は祭り……か、と遠い昔の事を思い出した。
今は無き家族で行った縁日。
お人好しの両親は迷子になった子供の親を探して今度は太陽達が迷子になったり……と色々あったな、と少し寂しそうに笑う太陽を見て六美はぐいっと手を引っ張った。
「お、おい、六美」
「行くなら早速準備しなきゃね!!」
強制的に浴衣に着替えさせられた太陽は地元の祭りの会場に着いた。
「太陽、すっごく似合ってる!!」
「そ、そうか…………む、六美も浴衣似合ってるぞ」
「え、えへへ」
睦まじい二人に兄弟が微笑んでいると仮面を被った凶一郎が太陽を脅かした。
「わ!!!!!びっくりした…………」
「もーーお兄ちゃんいつもやめてって言ってるでしょ?」
ふん、とそっぽを向く凶一郎はスーツではなく黒の浴衣を着ている。
そして普段からゴスロリ姿の二刃も同様だ。
「あきらはまだ来ていないのかい?」
「もうすぐ来るらしいが……」
「凶一郎〜〜〜」
やっと来たかと、声がした方向に目を向けると窮屈そうに人混みをかき分けてあきらが出てきた。
「すごい人だね……はっ!」
あきらは凶一郎の姿を見て頬を染める。
スーツ姿ばかりの凶一郎の珍しい姿に胸をキュンキュンしているのかあきらは心の声でかっこよいいよぉ〜〜〜〜と叫んでいた。
一方凶一郎といえば無言で立ち尽くしている。
凶一郎と同じく黒の浴衣を着て髪を結い上げてうなじがチラリと見える。
艶やかな姿に何と言うべきか迷っていると妹弟からのニヤついた視線を感じた。(主に四怨と嫌五)
凶一郎はごほん、と咳をする。
「合流したことだし、出店を回るとするか」
「射的だって!太陽!やろ?」
「そうだな、わっ!!!」
「よぉ…………朝野太陽……的は…………お前自身だあああああ!!!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!」
違う!!俺の知ってる射的と違う!!!!
わたわたしながら避けていると射的の店主はちっと舌打ちした。
「くそっ、当てれたら賞金貰えるって夜桜の長男が言ってたのによ…………」
「お兄ちゃん??ちょっと話があるんだけど」
「奇遇だね、六美、そこのバカ待ちな」
「ふっ…………祭りと言えども浮かれるなという俺からのプレゼントだ」
さらりと髪を払いのたまう凶一郎だったが当然妹弟が許してくれるはずもなく無事制裁をうけた。
「全く…………いつもいつも…………ん?あれ?あきら姉ちゃんは?」
「ほんとだ、いねーな」
「どうしよう……はぐれちゃったのかな……」
「二刃、六美を頼む」
と言うと二刃はいいよ、行っておいでと手をひらひらと振る。
「すまん、すぐ戻る」
祭りの会場から離れた神社でカメラを構えている男がいた。
とあるゴシップ雑誌の記者である男は熱気から離れた静かな場所でとある家族の光景を写真に収めていた。
そんな男に命の危機が迫る。
ひゅ……っと首筋に冷たい殺気が通り仰け反ると先程まで首あった所を刃が通る。
「こそこそと写真撮って……何のつもり?」
避けられたものの、あきらは男を逃がすつもりはなく、浴衣がズレて肌が見えても気にせず追い詰めた。
返答次第では胴体を真っ二つにしかねないあきらに男はほくそ笑む。
「……何がおかしいの」
不可解に思っていると真上の木々からバシャバシャとシャッター音が聞こえた。
そ、そこにもカメラが!?!?ばっと上を見ると人はおらず遠隔操作用のカメラがたくさん設置してあった。
何のために……と一瞬気を取られた隙に男が脱出して追いかけようとすると忠告された。
「おっと、嬢ちゃんそれ以上動くと大事なとこ見えちゃうぜっよっしゃ!貴重なセクシーショットゲット!!
ありがとな、わざと罠にかかってくれて!」
はっと男の言葉にあきらは大胆に浴衣がズレている事に気づく。
いつもの仕事服と同じように動いてしまって肌が見えてしまっている。
確かにこれ以上動くと更にはだけそうだ。
でも、写真!写真消さないと!ああ、でも更にはだけちゃう!!と混乱したあきらに男はあばよ、と消えようとした時持っていたカメラが粉々になった。
「…………?ああああ!!!!俺のカメラ!!!
すっげぇ高い!の、に…………」
男はあきらの後ろに立つ凶一郎の様子を見て青ざめた。
あきらの後ろに立っている為あきらからはどんな顔をしているか分からないが威圧感だけは感じとった。
「隠し持ってる予備を渡せ、メモリーカードもだ」
男はひゅっと喉をならし震える手で持っている全ての仕事道具を地面に投げ出した。
「…………これで全部か?」
「あ、ああ、本当だ!!!!命だけは勘弁してくれ!!!!!」
土下座で謝る男に凶一郎は近づき胸ぐらをつかむ。
「二度とするな、次は容赦しないからな」
「っ!!!!、すい、ませんでした!!!!!」
転げ落ちるように男は静まった神社から逃げていく。
凶一郎は念入りにカメラとメモリーカードを塵にして振り返らずあきらに声をかけた。
「大丈夫か」
「あっ、う、うん…!あの……」
「礼はいい、早く服装を整えろ
他に誰がいるか分からないからな」
神社の隅っこであきらは乱れていた浴衣を整えた。
「お待たせ、凶一郎っ、ごめんね、助けてもらって……」
「……今回ばかりはお前が悪い、ほいほい罠に引っかかって……全く……俺が助けに来てなかったらどうなっていた事か……まぁいい、そろそろ花火も始まる
この話は一旦置いとくか、後で帰ったら説教だからな」
うっ……と背筋を凍らせたあきらは早く皆の元に帰らないと……と急ごうとしたが凶一郎が手を繋いできて思わず足を止めた。
「きょ、凶一郎?」
「……急いでも花火を一緒に見れんだろうからな
ここで二人で見よう」
ぐいっと引っ張って神社の階段に並んで座らせる。
「ここからならちょうど景色が良さそうだからな」
「た、確かにそう、だね」
手を繋いでいることが恥ずかしくてつい赤面してしまう。
花火が打ち上がるまであと数分。
人気のない神社に二人きり。
誰も邪魔する者は、いない。
凶一郎はじっとあきらの瞳を見つめる。
「凶一郎……?」
どきりと胸を高鳴らせて見つめてくるあきらの瞳に自分の姿が映る。
まるで魔法にでもかかったかのように普段閉じ込めている思いが溢れた。
「………………きだ」
溢れるのと同時に盛大な花火が打ち上がる。
花火の大きな音の後、火花が散る音の中あきらは口を開いた。
「えっと……ごめん、よく聞こえなかった、何?」
「……………………」
凶一郎は思わずあんぐりと口を開けた。
あきらのこの様子だと本当に聞こえていない。
かといって仕切りなおして言えるほど凶一郎は素直ではない。
「っ、なんでもない、大したことじゃない、気にするな」
それより花火を見ようと凶一郎は握っていた手をはなしてあきらの体を引き寄せた。
「…………!!!」
更に距離が近くなって何を言ってたかどころではなくなってしまったあきらに凶一郎は誤魔化せたか…………と安堵する。
……花火はまだ続く。
凶一郎は引き寄せる力を強めて花火と向き合ったのだった。
「祭り??」
「そう、お祭り、昔から皆で行ってるお祭りなんだけど……太陽も行かない?」
太陽は祭り……か、と遠い昔の事を思い出した。
今は無き家族で行った縁日。
お人好しの両親は迷子になった子供の親を探して今度は太陽達が迷子になったり……と色々あったな、と少し寂しそうに笑う太陽を見て六美はぐいっと手を引っ張った。
「お、おい、六美」
「行くなら早速準備しなきゃね!!」
強制的に浴衣に着替えさせられた太陽は地元の祭りの会場に着いた。
「太陽、すっごく似合ってる!!」
「そ、そうか…………む、六美も浴衣似合ってるぞ」
「え、えへへ」
睦まじい二人に兄弟が微笑んでいると仮面を被った凶一郎が太陽を脅かした。
「わ!!!!!びっくりした…………」
「もーーお兄ちゃんいつもやめてって言ってるでしょ?」
ふん、とそっぽを向く凶一郎はスーツではなく黒の浴衣を着ている。
そして普段からゴスロリ姿の二刃も同様だ。
「あきらはまだ来ていないのかい?」
「もうすぐ来るらしいが……」
「凶一郎〜〜〜」
やっと来たかと、声がした方向に目を向けると窮屈そうに人混みをかき分けてあきらが出てきた。
「すごい人だね……はっ!」
あきらは凶一郎の姿を見て頬を染める。
スーツ姿ばかりの凶一郎の珍しい姿に胸をキュンキュンしているのかあきらは心の声でかっこよいいよぉ〜〜〜〜と叫んでいた。
一方凶一郎といえば無言で立ち尽くしている。
凶一郎と同じく黒の浴衣を着て髪を結い上げてうなじがチラリと見える。
艶やかな姿に何と言うべきか迷っていると妹弟からのニヤついた視線を感じた。(主に四怨と嫌五)
凶一郎はごほん、と咳をする。
「合流したことだし、出店を回るとするか」
「射的だって!太陽!やろ?」
「そうだな、わっ!!!」
「よぉ…………朝野太陽……的は…………お前自身だあああああ!!!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!」
違う!!俺の知ってる射的と違う!!!!
わたわたしながら避けていると射的の店主はちっと舌打ちした。
「くそっ、当てれたら賞金貰えるって夜桜の長男が言ってたのによ…………」
「お兄ちゃん??ちょっと話があるんだけど」
「奇遇だね、六美、そこのバカ待ちな」
「ふっ…………祭りと言えども浮かれるなという俺からのプレゼントだ」
さらりと髪を払いのたまう凶一郎だったが当然妹弟が許してくれるはずもなく無事制裁をうけた。
「全く…………いつもいつも…………ん?あれ?あきら姉ちゃんは?」
「ほんとだ、いねーな」
「どうしよう……はぐれちゃったのかな……」
「二刃、六美を頼む」
と言うと二刃はいいよ、行っておいでと手をひらひらと振る。
「すまん、すぐ戻る」
祭りの会場から離れた神社でカメラを構えている男がいた。
とあるゴシップ雑誌の記者である男は熱気から離れた静かな場所でとある家族の光景を写真に収めていた。
そんな男に命の危機が迫る。
ひゅ……っと首筋に冷たい殺気が通り仰け反ると先程まで首あった所を刃が通る。
「こそこそと写真撮って……何のつもり?」
避けられたものの、あきらは男を逃がすつもりはなく、浴衣がズレて肌が見えても気にせず追い詰めた。
返答次第では胴体を真っ二つにしかねないあきらに男はほくそ笑む。
「……何がおかしいの」
不可解に思っていると真上の木々からバシャバシャとシャッター音が聞こえた。
そ、そこにもカメラが!?!?ばっと上を見ると人はおらず遠隔操作用のカメラがたくさん設置してあった。
何のために……と一瞬気を取られた隙に男が脱出して追いかけようとすると忠告された。
「おっと、嬢ちゃんそれ以上動くと大事なとこ見えちゃうぜっよっしゃ!貴重なセクシーショットゲット!!
ありがとな、わざと罠にかかってくれて!」
はっと男の言葉にあきらは大胆に浴衣がズレている事に気づく。
いつもの仕事服と同じように動いてしまって肌が見えてしまっている。
確かにこれ以上動くと更にはだけそうだ。
でも、写真!写真消さないと!ああ、でも更にはだけちゃう!!と混乱したあきらに男はあばよ、と消えようとした時持っていたカメラが粉々になった。
「…………?ああああ!!!!俺のカメラ!!!
すっげぇ高い!の、に…………」
男はあきらの後ろに立つ凶一郎の様子を見て青ざめた。
あきらの後ろに立っている為あきらからはどんな顔をしているか分からないが威圧感だけは感じとった。
「隠し持ってる予備を渡せ、メモリーカードもだ」
男はひゅっと喉をならし震える手で持っている全ての仕事道具を地面に投げ出した。
「…………これで全部か?」
「あ、ああ、本当だ!!!!命だけは勘弁してくれ!!!!!」
土下座で謝る男に凶一郎は近づき胸ぐらをつかむ。
「二度とするな、次は容赦しないからな」
「っ!!!!、すい、ませんでした!!!!!」
転げ落ちるように男は静まった神社から逃げていく。
凶一郎は念入りにカメラとメモリーカードを塵にして振り返らずあきらに声をかけた。
「大丈夫か」
「あっ、う、うん…!あの……」
「礼はいい、早く服装を整えろ
他に誰がいるか分からないからな」
神社の隅っこであきらは乱れていた浴衣を整えた。
「お待たせ、凶一郎っ、ごめんね、助けてもらって……」
「……今回ばかりはお前が悪い、ほいほい罠に引っかかって……全く……俺が助けに来てなかったらどうなっていた事か……まぁいい、そろそろ花火も始まる
この話は一旦置いとくか、後で帰ったら説教だからな」
うっ……と背筋を凍らせたあきらは早く皆の元に帰らないと……と急ごうとしたが凶一郎が手を繋いできて思わず足を止めた。
「きょ、凶一郎?」
「……急いでも花火を一緒に見れんだろうからな
ここで二人で見よう」
ぐいっと引っ張って神社の階段に並んで座らせる。
「ここからならちょうど景色が良さそうだからな」
「た、確かにそう、だね」
手を繋いでいることが恥ずかしくてつい赤面してしまう。
花火が打ち上がるまであと数分。
人気のない神社に二人きり。
誰も邪魔する者は、いない。
凶一郎はじっとあきらの瞳を見つめる。
「凶一郎……?」
どきりと胸を高鳴らせて見つめてくるあきらの瞳に自分の姿が映る。
まるで魔法にでもかかったかのように普段閉じ込めている思いが溢れた。
「………………きだ」
溢れるのと同時に盛大な花火が打ち上がる。
花火の大きな音の後、火花が散る音の中あきらは口を開いた。
「えっと……ごめん、よく聞こえなかった、何?」
「……………………」
凶一郎は思わずあんぐりと口を開けた。
あきらのこの様子だと本当に聞こえていない。
かといって仕切りなおして言えるほど凶一郎は素直ではない。
「っ、なんでもない、大したことじゃない、気にするな」
それより花火を見ようと凶一郎は握っていた手をはなしてあきらの体を引き寄せた。
「…………!!!」
更に距離が近くなって何を言ってたかどころではなくなってしまったあきらに凶一郎は誤魔化せたか…………と安堵する。
……花火はまだ続く。
凶一郎は引き寄せる力を強めて花火と向き合ったのだった。
