凶一郎の婚約者さん
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バン!!!!と大きく音を立てて凶一郎が部屋に入ってきた。
びっくりしていると凶一郎の片手にある物体を見てああなるほど、とあきらは納得する。
「あきら!!!雪ちゃんスフレを食べるぞ!!!」
いそいそとケーキを食べる準備をする凶一郎にふふ、と微笑みながらあきらは紅茶をいれる準備を始めた。
雪ちゃんスフレとは名の通り雪だるまの形をしたケーキであり兼業スパイの老舗ケーキ屋が販売している限定商品である。
そのケーキは格別に美味でとても人気が高い為滅多に買えない代物なのだ。
七悪が買ってきてくれたらしく今回の雪ちゃんスフレは桜味だ。
ちなみに味は色々あって凶一郎は紅茶味が最新気に入っているようだ。
「凶一郎、紅茶いれたよ」
「ああ、ありがとう、あきら、では食べるとするか」
椅子に座り、二人ともケーキを食べる。
「やはり紅茶と雪ちゃんスフレの相性は格別だな……」
ふっと笑う凶一郎を見てあきらも嬉しくなり微笑んだ。
「俺としては両方紅茶なのが一番だが……お前もそうだろう?」
と聞かれ、うん、と答えると凶一郎は嬉しそうに口角が上がる。
「…………さて、突入まであと3日か」
「あっという間だね」
七悪はそれもありケーキを買ってきてくれたんだろう。
家族が任務に気を負わないように。
「出来た弟だ、それに比べて太陽は……」
「ストップ」
「…………ふん」
凶一郎は腕を組みそっぽを向いた。
「………………聖司から聞いたがお前俺たちと別行動するらしいな」
「嘘、いつの間にバレてたの?っていうか告げ口……
言わないでって約束したのに……」
凶一郎はちょっと怒っているらしく顔をそむけたままだ。
「何が気に食わん」
「え?いや別にそうじゃないけど…………」
あきらは空になったティーカップを見つめる。
言おうか言わないべきか迷いあきらはへらりと笑う。
「あーーーほら保険、万が一敵幹部が逃げ出したら真っ先に追いつけるでしょ?逃げ出すとは思わないけど…………」
まだ家族の一員じゃないから、とは言えずあきらは咄嗟に言い訳をした。
「…………確かにその可能性はある
研究データを密かに持ち出そうとする輩もいるかもな」
最もらしい言い訳をしたからか凶一郎は納得してくれたらしい。
ほっと安堵すると凶一郎はこっちをみてくれた。
「……お前が何を気にしているか分からんが
俺も家族もお前の事を仲間外れにしたいと思っているわけじゃない、それだけは覚えておいてくれ」
[chapter:手紙は届かない]
「せ、生徒会長!!!」
見知らぬ男子生徒に話しかけられ凶一郎は振り返る。
自ら好んで凶一郎に話しかける者は少ないので珍しいなと思っていると男子生徒が一通の手紙を差し出した。
明らかにラブレターぽい手紙に引いていると男子生徒は違います!!と否定する。
「生徒会長ではなく…………五十嵐さんに渡してくれませんか」
五十嵐と聞いて凶一郎の眉がぴくりと動く。
「…………何故俺に頼む
俺が引き受けるとでも思うのか?」
「え、だって会長付き合ってないんですよね?
なら、ワンチャンないかなって……」
確かに凶一郎はあきらと付き合っているわけではない。
ない、が………………。
男子生徒は真っ正直に告白するのはすぐ断られそうでーーなどと言い抜かしている。
勝手に手紙を押し付けられ男子生徒は去っていき凶一郎はため息をついた。
というか普段のあきらの様子からよくワンチャンあると思えるなと凶一郎が逆に感心するも手紙を渡すつもりはさらさらない。
凶一郎は生徒会室に移動して手紙を鋼蜘蛛で粉々にした。
字も読めないくらいに塵になりゴミを片付ける。
あきらが自分以外に振り返ることは決してないが、それはそれとして不安の芽は潰しておくことにこしたことはない。
「凶一郎何してるの?焚き火?
ちょうど寒くなってきたからあったかいや〜〜
何燃やしてたの?」
「ん?ああ、ちょっと紙をな」
凶一郎は恋文と言う名の雑紙を一つ残らず火に焚べた。
紙は跡形もなく燃えていく。
あれ以来あきらにラブレターが届くことは決してない。
[chapter:恋は盲目]
「太陽、俺の任務に着いてこい」
と言われ太陽はデジャヴを感じつつしぶしぶ着いていくとやはり買い物をする六美のごえ…………ストーカーだった。
六美はもう慣れているのか気にせず買い物をしているが太陽はその隣にあきらもいる事に気づいた。
「今度何練習する?お姉ちゃん」
「んーー今度は何作ろうかな……」
どうやら料理の練習の材料も買いに来ているらしく二人は商品を吟味していた。
あきらは凶一郎が喜んでくれそうな料理は何かなーーと思案している。
その様子を凶一郎はいつもと変わらぬ笑顔で見ているが若干口角が緩んでいる気がした。
そんな凶一郎に太陽はふと疑問が生じて通話越しに話しかける。
『あの凶一郎兄さん』
『何だ、太陽、俺は今六美を見るのに忙しいんだ
手短に言え』
言葉はキツイものの一応聞いてくれるらしい。
『あきら姉さんって人の気配に鋭かったと思うんですが…………あの感じ全然気づいてないですよね……?』
太陽の記憶ではあきらはそんなイメージだったが六美でさえ気づいているのにあきらが気づかぬはずがない。
『何だ知らんのか、あきらは俺が側にいたり俺の事を思ってたりするとポンコツになるんだ
全く、ここまで来ると困ったものだな』
が、凶一郎は全く困ったような表情ではなかった。
慈しむような……そんな雰囲気を太陽は感じ取った。
そんな時六美がくるりと振り返り、凶一郎と太陽の名を呼んだ。
「太陽、凶一郎兄ちゃん今日お肉安いから二人とも一個ずつ買ってね!」
「……え!?!?凶一郎!?!?嘘!?!?
え!?いつから!?!?」
キョロキョロと見渡すあきらに太陽はほんとに気づいてなかったんだな…………と苦笑いした。
びっくりしていると凶一郎の片手にある物体を見てああなるほど、とあきらは納得する。
「あきら!!!雪ちゃんスフレを食べるぞ!!!」
いそいそとケーキを食べる準備をする凶一郎にふふ、と微笑みながらあきらは紅茶をいれる準備を始めた。
雪ちゃんスフレとは名の通り雪だるまの形をしたケーキであり兼業スパイの老舗ケーキ屋が販売している限定商品である。
そのケーキは格別に美味でとても人気が高い為滅多に買えない代物なのだ。
七悪が買ってきてくれたらしく今回の雪ちゃんスフレは桜味だ。
ちなみに味は色々あって凶一郎は紅茶味が最新気に入っているようだ。
「凶一郎、紅茶いれたよ」
「ああ、ありがとう、あきら、では食べるとするか」
椅子に座り、二人ともケーキを食べる。
「やはり紅茶と雪ちゃんスフレの相性は格別だな……」
ふっと笑う凶一郎を見てあきらも嬉しくなり微笑んだ。
「俺としては両方紅茶なのが一番だが……お前もそうだろう?」
と聞かれ、うん、と答えると凶一郎は嬉しそうに口角が上がる。
「…………さて、突入まであと3日か」
「あっという間だね」
七悪はそれもありケーキを買ってきてくれたんだろう。
家族が任務に気を負わないように。
「出来た弟だ、それに比べて太陽は……」
「ストップ」
「…………ふん」
凶一郎は腕を組みそっぽを向いた。
「………………聖司から聞いたがお前俺たちと別行動するらしいな」
「嘘、いつの間にバレてたの?っていうか告げ口……
言わないでって約束したのに……」
凶一郎はちょっと怒っているらしく顔をそむけたままだ。
「何が気に食わん」
「え?いや別にそうじゃないけど…………」
あきらは空になったティーカップを見つめる。
言おうか言わないべきか迷いあきらはへらりと笑う。
「あーーーほら保険、万が一敵幹部が逃げ出したら真っ先に追いつけるでしょ?逃げ出すとは思わないけど…………」
まだ家族の一員じゃないから、とは言えずあきらは咄嗟に言い訳をした。
「…………確かにその可能性はある
研究データを密かに持ち出そうとする輩もいるかもな」
最もらしい言い訳をしたからか凶一郎は納得してくれたらしい。
ほっと安堵すると凶一郎はこっちをみてくれた。
「……お前が何を気にしているか分からんが
俺も家族もお前の事を仲間外れにしたいと思っているわけじゃない、それだけは覚えておいてくれ」
[chapter:手紙は届かない]
「せ、生徒会長!!!」
見知らぬ男子生徒に話しかけられ凶一郎は振り返る。
自ら好んで凶一郎に話しかける者は少ないので珍しいなと思っていると男子生徒が一通の手紙を差し出した。
明らかにラブレターぽい手紙に引いていると男子生徒は違います!!と否定する。
「生徒会長ではなく…………五十嵐さんに渡してくれませんか」
五十嵐と聞いて凶一郎の眉がぴくりと動く。
「…………何故俺に頼む
俺が引き受けるとでも思うのか?」
「え、だって会長付き合ってないんですよね?
なら、ワンチャンないかなって……」
確かに凶一郎はあきらと付き合っているわけではない。
ない、が………………。
男子生徒は真っ正直に告白するのはすぐ断られそうでーーなどと言い抜かしている。
勝手に手紙を押し付けられ男子生徒は去っていき凶一郎はため息をついた。
というか普段のあきらの様子からよくワンチャンあると思えるなと凶一郎が逆に感心するも手紙を渡すつもりはさらさらない。
凶一郎は生徒会室に移動して手紙を鋼蜘蛛で粉々にした。
字も読めないくらいに塵になりゴミを片付ける。
あきらが自分以外に振り返ることは決してないが、それはそれとして不安の芽は潰しておくことにこしたことはない。
「凶一郎何してるの?焚き火?
ちょうど寒くなってきたからあったかいや〜〜
何燃やしてたの?」
「ん?ああ、ちょっと紙をな」
凶一郎は恋文と言う名の雑紙を一つ残らず火に焚べた。
紙は跡形もなく燃えていく。
あれ以来あきらにラブレターが届くことは決してない。
[chapter:恋は盲目]
「太陽、俺の任務に着いてこい」
と言われ太陽はデジャヴを感じつつしぶしぶ着いていくとやはり買い物をする六美のごえ…………ストーカーだった。
六美はもう慣れているのか気にせず買い物をしているが太陽はその隣にあきらもいる事に気づいた。
「今度何練習する?お姉ちゃん」
「んーー今度は何作ろうかな……」
どうやら料理の練習の材料も買いに来ているらしく二人は商品を吟味していた。
あきらは凶一郎が喜んでくれそうな料理は何かなーーと思案している。
その様子を凶一郎はいつもと変わらぬ笑顔で見ているが若干口角が緩んでいる気がした。
そんな凶一郎に太陽はふと疑問が生じて通話越しに話しかける。
『あの凶一郎兄さん』
『何だ、太陽、俺は今六美を見るのに忙しいんだ
手短に言え』
言葉はキツイものの一応聞いてくれるらしい。
『あきら姉さんって人の気配に鋭かったと思うんですが…………あの感じ全然気づいてないですよね……?』
太陽の記憶ではあきらはそんなイメージだったが六美でさえ気づいているのにあきらが気づかぬはずがない。
『何だ知らんのか、あきらは俺が側にいたり俺の事を思ってたりするとポンコツになるんだ
全く、ここまで来ると困ったものだな』
が、凶一郎は全く困ったような表情ではなかった。
慈しむような……そんな雰囲気を太陽は感じ取った。
そんな時六美がくるりと振り返り、凶一郎と太陽の名を呼んだ。
「太陽、凶一郎兄ちゃん今日お肉安いから二人とも一個ずつ買ってね!」
「……え!?!?凶一郎!?!?嘘!?!?
え!?いつから!?!?」
キョロキョロと見渡すあきらに太陽はほんとに気づいてなかったんだな…………と苦笑いした。
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