凶一郎の婚約者さん
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ふと、街でいちゃついているカップルを見かけた。
睦まじそうに彼氏にくっついている彼女を見て、少しうらやましいような感覚に襲われる。
きっと自分にはああいう行動はできない。
だって彼はそうしてほしくはないだろうから。
「あきらお姉ちゃん、新薬ちょっと飲んでほしいんだけどいい?」
「いいよ、七悪
これは何の薬?」
えっとねーと七悪が説明する。
「心を分離する薬!」
心って分離出来たっけ。
「あっでもそのままの意味じゃなくてね
その人が抱えてる思いとか思念とかを分離化させる効果なんだ」
「へ、へぇーーそうなんだ……」
七悪はほんとは…と心の中で思う。
(本当は葉桜の成分を抽出したいけど……
まだサンプル集まらないし、とりあえず分離の方を色々試してみよう)
分離の方法がいくつか成功できれば、葉桜にも応用出来るかもしれない。
そんな七悪の思いを知らずあきらは試験管に入った液体を一気に飲み干す。
「味はどう?」
「ん〜〜、ちょっとだけ苦い、かな?」
「ちょっとだけ苦い、ね」
メモメモ、と七悪は紙に書いたが彼女の味覚は当てにならない。
何故なら幼少期から夜桜汁を飲み続けたせいで苦みに関して鈍くなってしまい、彼女が苦いというなら置き換えるとすごく苦いということになる。
(まぁ、ちょっとだけ苦いなら、飲めなくもないかな?)
後誰に実験だ……いや、お手伝いを頼もうかなーと七悪が思った瞬間、家族全員に謎の悪寒が走ることは言うまでもない。
「特に、変化はないけど……」
と言った瞬間カッとあきらの体が光り、煙が立ち込めた。
もくもくと煙がはれ、二人分のシルエットが浮かび上がる。
「大丈夫!?」
「「びっくりした、でも何ともないよ、七……ん?」」
煙が晴れるとあきらが二人いた。
「「わ、私!?!?」」
びっくりする二人のあきらに七悪はそうなるんだ〜〜〜と元凶にも関わらず実験の効果を纏めている。
「あともう一人誰か協力してくれないかな、凶一郎兄ちゃんなら……」
「七悪、それよりも戻して……」
七悪が凶一郎と名前を言うともう一人のあきらがぴくりと反応し実験室から出ていってしまった。
どうしよう、あれ追った方がいいのかな……
「ねぇ、七悪、あれって自然に消えるの……?」
「うーーん、どうだろう」
「………………」
開いたままのドアを見つめあきらはもう一人の自分を追った。
居間にてダークスイートを飲み寛いでいた凶一郎の元にバン!!と大きく音を立ててあきらが飛び出てきた。
あきららしからぬ大げさな行動に若干面くらいつつどうした?と聞くと何とあきらが抱きついてきた。
驚きのあまり持っていたカップを落とす凶一郎。
「お、おい、どうし」
何か様子がおかしいと思った凶一郎の身に更に襲いかかる。
「凶一郎!だーいすき!」
あきらは抱きついたまま、ちゅっと、凶一郎の頬にキスをした。
凶一郎含め他兄弟に衝撃が走る。
一度のみでは飽き足らず何ともキスを繰り返すあきらに信じられない……と六美は驚いた。
「あの恥ずかしがり屋のお姉ちゃんが……」
皆呆然と眺める中、本当のあきらが突入してきた。
「やっぱりここにいた………………わぁ!!!!」
分身が凶一郎にべったり引っ付いてキスを繰り返すさまを見てあきらは絶叫する。
「え!!?あきらお姉ちゃんが二人!?!?」
「っ、はな、れて!!!!!」
ぐいぐいと分身を引っ張るがびくともしないどころかあきらは分身を見るとほくそ笑んだ。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!このっ!」
そこにあきらを追ってきた七悪がやってきて事情を説明する。
「じゃあ、あのお姉ちゃんは抱えてる想いが分離化したような物なんだ」
「どんな思いが分離してんだ?」
「さぁ……そこまでは……」
でも何となく理解出来る兄弟達だった。
そして、あきらは必死に剥がそうと格闘しているものの全く離れる気配がない。
肝心の凶一郎といえば、あまりにも大きな衝撃だったのかカップを持つ体勢のまま石化していた。
こうなったら……とあきらは刀をぬき分身に降りかかると相手も自分と同じ刀をぬいて応戦してきた。
自分vs自分だから力量は拮抗し、鍔迫り合いになる。
普段の様子からは考えられないあまりにも険悪な雰囲気に兄弟達は驚いた。
「そこまで怒るようなもん?だって自分じゃん」
「自分!でも!何か嫌なの!!!」
埒があかない、このまま戦闘を続けたところで無意味だと刀を鞘に収める。
すると分身は私の勝利と言わんばかりに凶一郎に再び擦り寄り……そして口に接近した。
「…………!!!」
それは、それだけは。いけない。
「やめて」
ゆっくりと分身が近づいていく。
「お願いっ」
分身は止まってくれず、あきらは拳を握りしめて叫んだ。
「私だって!!凶一郎といちゃいちゃしたりしたいのに!!!」
羞恥心と彼に嫌われるのではと思い封じ込めていた思いをぶちまけてあきらは啜り泣いた。
ぎゅっと瞑った目を開けると、分身の姿が透けていた。
ぎりぎり、口に触れないところで。
そしてそのままこちらに微笑んだところ、ふっと霞のように分身は消えてしまった。
「え?」
良かった、消えたと安堵していると後ろからニヤついた視線が向いている事に気づいた。
「あ、あの、さ、さっきのは」
「まさかそんなにクソ長男とイチャつきたいなんて思ってたとはな〜〜」
「だ、だから違うって!!」
「もう一回あの薬飲む?お姉ちゃん」
「っ、二度と飲まない!!!」
あきらをからかう兄弟をよそにまだ放心していた凶一郎だった。
睦まじそうに彼氏にくっついている彼女を見て、少しうらやましいような感覚に襲われる。
きっと自分にはああいう行動はできない。
だって彼はそうしてほしくはないだろうから。
「あきらお姉ちゃん、新薬ちょっと飲んでほしいんだけどいい?」
「いいよ、七悪
これは何の薬?」
えっとねーと七悪が説明する。
「心を分離する薬!」
心って分離出来たっけ。
「あっでもそのままの意味じゃなくてね
その人が抱えてる思いとか思念とかを分離化させる効果なんだ」
「へ、へぇーーそうなんだ……」
七悪はほんとは…と心の中で思う。
(本当は葉桜の成分を抽出したいけど……
まだサンプル集まらないし、とりあえず分離の方を色々試してみよう)
分離の方法がいくつか成功できれば、葉桜にも応用出来るかもしれない。
そんな七悪の思いを知らずあきらは試験管に入った液体を一気に飲み干す。
「味はどう?」
「ん〜〜、ちょっとだけ苦い、かな?」
「ちょっとだけ苦い、ね」
メモメモ、と七悪は紙に書いたが彼女の味覚は当てにならない。
何故なら幼少期から夜桜汁を飲み続けたせいで苦みに関して鈍くなってしまい、彼女が苦いというなら置き換えるとすごく苦いということになる。
(まぁ、ちょっとだけ苦いなら、飲めなくもないかな?)
後誰に実験だ……いや、お手伝いを頼もうかなーと七悪が思った瞬間、家族全員に謎の悪寒が走ることは言うまでもない。
「特に、変化はないけど……」
と言った瞬間カッとあきらの体が光り、煙が立ち込めた。
もくもくと煙がはれ、二人分のシルエットが浮かび上がる。
「大丈夫!?」
「「びっくりした、でも何ともないよ、七……ん?」」
煙が晴れるとあきらが二人いた。
「「わ、私!?!?」」
びっくりする二人のあきらに七悪はそうなるんだ〜〜〜と元凶にも関わらず実験の効果を纏めている。
「あともう一人誰か協力してくれないかな、凶一郎兄ちゃんなら……」
「七悪、それよりも戻して……」
七悪が凶一郎と名前を言うともう一人のあきらがぴくりと反応し実験室から出ていってしまった。
どうしよう、あれ追った方がいいのかな……
「ねぇ、七悪、あれって自然に消えるの……?」
「うーーん、どうだろう」
「………………」
開いたままのドアを見つめあきらはもう一人の自分を追った。
居間にてダークスイートを飲み寛いでいた凶一郎の元にバン!!と大きく音を立ててあきらが飛び出てきた。
あきららしからぬ大げさな行動に若干面くらいつつどうした?と聞くと何とあきらが抱きついてきた。
驚きのあまり持っていたカップを落とす凶一郎。
「お、おい、どうし」
何か様子がおかしいと思った凶一郎の身に更に襲いかかる。
「凶一郎!だーいすき!」
あきらは抱きついたまま、ちゅっと、凶一郎の頬にキスをした。
凶一郎含め他兄弟に衝撃が走る。
一度のみでは飽き足らず何ともキスを繰り返すあきらに信じられない……と六美は驚いた。
「あの恥ずかしがり屋のお姉ちゃんが……」
皆呆然と眺める中、本当のあきらが突入してきた。
「やっぱりここにいた………………わぁ!!!!」
分身が凶一郎にべったり引っ付いてキスを繰り返すさまを見てあきらは絶叫する。
「え!!?あきらお姉ちゃんが二人!?!?」
「っ、はな、れて!!!!!」
ぐいぐいと分身を引っ張るがびくともしないどころかあきらは分身を見るとほくそ笑んだ。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!このっ!」
そこにあきらを追ってきた七悪がやってきて事情を説明する。
「じゃあ、あのお姉ちゃんは抱えてる想いが分離化したような物なんだ」
「どんな思いが分離してんだ?」
「さぁ……そこまでは……」
でも何となく理解出来る兄弟達だった。
そして、あきらは必死に剥がそうと格闘しているものの全く離れる気配がない。
肝心の凶一郎といえば、あまりにも大きな衝撃だったのかカップを持つ体勢のまま石化していた。
こうなったら……とあきらは刀をぬき分身に降りかかると相手も自分と同じ刀をぬいて応戦してきた。
自分vs自分だから力量は拮抗し、鍔迫り合いになる。
普段の様子からは考えられないあまりにも険悪な雰囲気に兄弟達は驚いた。
「そこまで怒るようなもん?だって自分じゃん」
「自分!でも!何か嫌なの!!!」
埒があかない、このまま戦闘を続けたところで無意味だと刀を鞘に収める。
すると分身は私の勝利と言わんばかりに凶一郎に再び擦り寄り……そして口に接近した。
「…………!!!」
それは、それだけは。いけない。
「やめて」
ゆっくりと分身が近づいていく。
「お願いっ」
分身は止まってくれず、あきらは拳を握りしめて叫んだ。
「私だって!!凶一郎といちゃいちゃしたりしたいのに!!!」
羞恥心と彼に嫌われるのではと思い封じ込めていた思いをぶちまけてあきらは啜り泣いた。
ぎゅっと瞑った目を開けると、分身の姿が透けていた。
ぎりぎり、口に触れないところで。
そしてそのままこちらに微笑んだところ、ふっと霞のように分身は消えてしまった。
「え?」
良かった、消えたと安堵していると後ろからニヤついた視線が向いている事に気づいた。
「あ、あの、さ、さっきのは」
「まさかそんなにクソ長男とイチャつきたいなんて思ってたとはな〜〜」
「だ、だから違うって!!」
「もう一回あの薬飲む?お姉ちゃん」
「っ、二度と飲まない!!!」
あきらをからかう兄弟をよそにまだ放心していた凶一郎だった。