凶一郎の婚約者さん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いつか僕が大人になったら……」
けたたましい鳥形の目覚まし時計に気づき慌てて太陽はベットから身を起こし時計を止めた。
爆発しない時計に安堵しつつ身支度をしてリビングに下りると見知らぬ女性が座っていた。
我が家同然といわんばかりに寛ぐその女性は髪の色は茶髪、長さはセミロングで黒を主体とした服装に身を包んでいて太陽は思わず義理の長男を連想し身震いを起こす。
しかしこんな人は見たことがない。
六美と結婚し敵から六美を守る為特訓してもらう為に一ヶ月間夜桜邸に住むことになった太陽だが今までこの人とは一度も顔を合わしたことはない。(ちなみに現在2週間目)
六美の家族とは既に全員会っているし……もしや入り込んだ敵か……!?と思った太陽に緊張感が走る。
そんな太陽の様子に気づいたのか女性はすっと椅子から立ち上がり僅かながらも口角を上げてにこりと笑った。
「おはよう、いや初めまして……かな?太陽くん?」
「!どうして俺の名前を……!?」
と驚く太陽。
するとリビングのドアが開き義理の姉である二刃が入ってきた。
二刃は太陽……ではなく茶髪の女性の元へとかつかつと靴を鳴らして歩いていき柔らかに微笑んだ。
「おかえり、あきら」
「ただいま、二刃」
出張ご苦労様、労いの言葉をかける二刃を他所に太陽は頭がこんがらがっていた。
もしや自分が知らないだけで他にも兄妹が?
「ああ、そうだ
太陽にも説明しないとね
こっちはあきら
あのクソ長男……もとい凶一郎の婚約者だよ」
「改めてまして、太陽くん
凶一郎の婚約者のあきらです」
「ああ、そうだったんですか
凶一郎義兄さんの……え??えー!!!?
こ、こ、婚約者ぁーーー!?!?」
「落ち着いたかい、太陽」
「え、ええ……なんとか……
正直まだ困惑してますけど……」
二刃にお茶を淹れられ落ち着いた太陽に六美が声をかけた。
「ごめんね、太陽
紹介したかったんだけどあきらお義姉ちゃん任務で居なくて」
絶叫した太陽の声によりなんだなんだと兄妹がリビングに大集合していた、ちなみに凶一郎のみ任務で不在である。
「そんなに不思議かい?」
「あ、いや婚約者っていうよりかは凶一郎義兄さんにそういう人がいるという方が……」
「まぁ気持ちはわかるさね」
夜桜家の長男凶一郎は超が大量につくほどのシスコンだ、しかも六美限定で。
そのシスコンぶりは度を超しておりそのせいで太陽も殺されそうになったほどである。
今は六美と結婚し家庭内は殺しは厳禁というルールの元殺されることはないが六美と結婚した太陽を親の敵といかんばかりに執拗に嫌がらせをしてくる。
そんな凶一郎に婚約者がいる……と聞いてもあまり想像が出来ない。
「まぁ、あんたの想像通りこの婚約は親が決めたものでね
六美が産まれる前……確か三つだったか四つだっかか覚えてないけど唐突に決まったのさ、理由は知らないけどね
しかもこうなる事を想定していたのか当主の許しなしでは勝手に婚約を破棄できないことになってるんだよ」
「そうだったんですか……
つまり今は六美が許可しないと破棄出来ないってことですか?」
「まぁそうなるさね
ていっても六美が許可することはないけどね」
ちらりと二刃は六美の方を見た。
六美達はあきらと楽しく談笑している。
しばらく外国で任務をしていたらしくそのお土産を持ってくるついでに訪れていたらしい。
「ごめんね、六美
しばらく居なかった間にあんな事が起きるだなんて」
「ううん、いいの、大変だったけど……
私、太陽となら一緒に乗り越えられるって信じてるから、?あきらお義姉ちゃん?」
あきらは目頭を押さえている。
「あのちっちゃかった六美が結婚かあって思ってたら何か嬉しくて……
旦那さんいい人じゃん、幸せに……」
なるんだよ、と言おうとしたあきらの口を黒い手袋が抑えた。
「~~~~!?」
「あ、凶一郎お兄ちゃん、お、おかえり」
「ただいま♥️六美♥️」
あきらはもがもがともがきやっとのこさ凶一郎の手を離した。
「凶一郎……おかえり」
「ああ、お前も丁度帰ってきたみたいだな
俺としてはもう少し向こうにいてもらっても良かったんだが」
「やっぱ早めに帰ってといて正解だった
私を向こうに飛ばしたの邪魔されない為だったんでしょ?」
「何の話か皆目見当もつかないな」
ハハハと笑う凶一郎と睨み付けるあきらに太陽はこっそり二刃に耳打ちをする。
「あの……喧嘩になりそうな雰囲気なんですけど……止めなくていいんですか?
婚約者ってことはルールは適用されないんですよね?大丈夫なんですか?」
二刃はのんびりとお茶を飲んでいる。
その他の兄妹も特に気にする素振りは見せない。
「ああ、大丈夫だよ
凶一郎はともかく……あきらはあいつに対して刃を向けることはしないよ」
「どうしてですか?」
「単純だよ、あの子があれにベタ惚れだからさ」
その後二人が戦いに発展することはなくあきらは実家に帰る時間になった。
夜桜邸に泊まる事もあるらしいが基本は実家暮らしらしい。
「凶一郎送ってやんな」
「なぜ?WHY?」
「とぼけんじゃない、あんた婚約者だろ
あきらを夜道一人で帰らす気かい?」
凶一郎は非常に納得しない顔だったが六美が晩御飯に凶一郎の好物を作ると言った途端手のひらを返すようにころっと意を変えた。
「分かった♥️六美♥️
さて、あきら俺は一刻も早く六美の手料理が食いたい、分かるな?」
「分かったから、急かないで!
じゃ、皆またね!」
あきらは凶一郎に急かされ夜桜邸を出ていった。
「今度ね、妹が産まれるんだ」
「へぇー、でも凶一郎くんたくさん兄妹いるよね、何人目?」
「んーーと、5人目だよ」
あきらはいいなあ…、と呟く。
「私一人っ子だから兄妹多いの羨ましいな」
悲しそうに目を伏せたあきらに凶一郎はとある事を思い付いた。
「じゃあ、僕と結婚しよう!」
「けっこん?戦いでもするの?」
「血痕じゃないよ、結婚
僕と夫婦になるって意味だよ」
ふうふ……とあきらはいまいち意図が掴めていないようだ。
それも仕方ない、まだ幼いあきらにとって想像しにくい事なのだから。
「何て言ったらいいのかな……
えーととりあえずずっと一緒にいる……とか?
それと結婚するとね、皆家族になるから義理だけど二刃達とも兄妹になるんだよ」
「凶一郎くん……」
あきらはさっき兄妹が羨ましいと言ったからだ、と思った。
その気遣いは嬉しいけれど……
「でも凶一郎くん
けっこんは好きな人とするもんだってお父さんが言ってたの、なら……」
「?僕はあきらちゃんの事好きだよ?
あきらがもし僕のお嫁さんになってくれたら嬉しいな」
凶一郎はあきらの手を両手で握った。
好き、と言われたあきらは顔を真っ赤にしてこくんと頷いた。
良かった、と顔を綻ばせた凶一郎はつけている指輪を見る。
「夜桜家に伝わるこの指輪……
この片方を伴侶に渡すことで結婚成立……らしいんだけどお父さんにまだそれは早いって言われたから……」
凶一郎は鋼蜘蛛の糸を器用に編み指輪をかたちどった。
「いつか僕が大きくなったら……
本当の指輪を受け取ってくれる?」
「うん」
あきらは頷き鋼蜘蛛糸の指輪を受け取った。
「あきら?」
「ごめん、ちょっと昔のこと思い出してた」
送ってもらう道中あきらは婚約した時の事を思い出していた。
あれから色々あったけれどとりあえず婚約は継続されている、本当に結婚するかは置いといて。
「昔?」
「婚約した時のこと、六美と太陽見てたら懐かしくなって
覚えてる?凶一郎は」
「さあな」
けたたましい鳥形の目覚まし時計に気づき慌てて太陽はベットから身を起こし時計を止めた。
爆発しない時計に安堵しつつ身支度をしてリビングに下りると見知らぬ女性が座っていた。
我が家同然といわんばかりに寛ぐその女性は髪の色は茶髪、長さはセミロングで黒を主体とした服装に身を包んでいて太陽は思わず義理の長男を連想し身震いを起こす。
しかしこんな人は見たことがない。
六美と結婚し敵から六美を守る為特訓してもらう為に一ヶ月間夜桜邸に住むことになった太陽だが今までこの人とは一度も顔を合わしたことはない。(ちなみに現在2週間目)
六美の家族とは既に全員会っているし……もしや入り込んだ敵か……!?と思った太陽に緊張感が走る。
そんな太陽の様子に気づいたのか女性はすっと椅子から立ち上がり僅かながらも口角を上げてにこりと笑った。
「おはよう、いや初めまして……かな?太陽くん?」
「!どうして俺の名前を……!?」
と驚く太陽。
するとリビングのドアが開き義理の姉である二刃が入ってきた。
二刃は太陽……ではなく茶髪の女性の元へとかつかつと靴を鳴らして歩いていき柔らかに微笑んだ。
「おかえり、あきら」
「ただいま、二刃」
出張ご苦労様、労いの言葉をかける二刃を他所に太陽は頭がこんがらがっていた。
もしや自分が知らないだけで他にも兄妹が?
「ああ、そうだ
太陽にも説明しないとね
こっちはあきら
あのクソ長男……もとい凶一郎の婚約者だよ」
「改めてまして、太陽くん
凶一郎の婚約者のあきらです」
「ああ、そうだったんですか
凶一郎義兄さんの……え??えー!!!?
こ、こ、婚約者ぁーーー!?!?」
「落ち着いたかい、太陽」
「え、ええ……なんとか……
正直まだ困惑してますけど……」
二刃にお茶を淹れられ落ち着いた太陽に六美が声をかけた。
「ごめんね、太陽
紹介したかったんだけどあきらお義姉ちゃん任務で居なくて」
絶叫した太陽の声によりなんだなんだと兄妹がリビングに大集合していた、ちなみに凶一郎のみ任務で不在である。
「そんなに不思議かい?」
「あ、いや婚約者っていうよりかは凶一郎義兄さんにそういう人がいるという方が……」
「まぁ気持ちはわかるさね」
夜桜家の長男凶一郎は超が大量につくほどのシスコンだ、しかも六美限定で。
そのシスコンぶりは度を超しておりそのせいで太陽も殺されそうになったほどである。
今は六美と結婚し家庭内は殺しは厳禁というルールの元殺されることはないが六美と結婚した太陽を親の敵といかんばかりに執拗に嫌がらせをしてくる。
そんな凶一郎に婚約者がいる……と聞いてもあまり想像が出来ない。
「まぁ、あんたの想像通りこの婚約は親が決めたものでね
六美が産まれる前……確か三つだったか四つだっかか覚えてないけど唐突に決まったのさ、理由は知らないけどね
しかもこうなる事を想定していたのか当主の許しなしでは勝手に婚約を破棄できないことになってるんだよ」
「そうだったんですか……
つまり今は六美が許可しないと破棄出来ないってことですか?」
「まぁそうなるさね
ていっても六美が許可することはないけどね」
ちらりと二刃は六美の方を見た。
六美達はあきらと楽しく談笑している。
しばらく外国で任務をしていたらしくそのお土産を持ってくるついでに訪れていたらしい。
「ごめんね、六美
しばらく居なかった間にあんな事が起きるだなんて」
「ううん、いいの、大変だったけど……
私、太陽となら一緒に乗り越えられるって信じてるから、?あきらお義姉ちゃん?」
あきらは目頭を押さえている。
「あのちっちゃかった六美が結婚かあって思ってたら何か嬉しくて……
旦那さんいい人じゃん、幸せに……」
なるんだよ、と言おうとしたあきらの口を黒い手袋が抑えた。
「~~~~!?」
「あ、凶一郎お兄ちゃん、お、おかえり」
「ただいま♥️六美♥️」
あきらはもがもがともがきやっとのこさ凶一郎の手を離した。
「凶一郎……おかえり」
「ああ、お前も丁度帰ってきたみたいだな
俺としてはもう少し向こうにいてもらっても良かったんだが」
「やっぱ早めに帰ってといて正解だった
私を向こうに飛ばしたの邪魔されない為だったんでしょ?」
「何の話か皆目見当もつかないな」
ハハハと笑う凶一郎と睨み付けるあきらに太陽はこっそり二刃に耳打ちをする。
「あの……喧嘩になりそうな雰囲気なんですけど……止めなくていいんですか?
婚約者ってことはルールは適用されないんですよね?大丈夫なんですか?」
二刃はのんびりとお茶を飲んでいる。
その他の兄妹も特に気にする素振りは見せない。
「ああ、大丈夫だよ
凶一郎はともかく……あきらはあいつに対して刃を向けることはしないよ」
「どうしてですか?」
「単純だよ、あの子があれにベタ惚れだからさ」
その後二人が戦いに発展することはなくあきらは実家に帰る時間になった。
夜桜邸に泊まる事もあるらしいが基本は実家暮らしらしい。
「凶一郎送ってやんな」
「なぜ?WHY?」
「とぼけんじゃない、あんた婚約者だろ
あきらを夜道一人で帰らす気かい?」
凶一郎は非常に納得しない顔だったが六美が晩御飯に凶一郎の好物を作ると言った途端手のひらを返すようにころっと意を変えた。
「分かった♥️六美♥️
さて、あきら俺は一刻も早く六美の手料理が食いたい、分かるな?」
「分かったから、急かないで!
じゃ、皆またね!」
あきらは凶一郎に急かされ夜桜邸を出ていった。
「今度ね、妹が産まれるんだ」
「へぇー、でも凶一郎くんたくさん兄妹いるよね、何人目?」
「んーーと、5人目だよ」
あきらはいいなあ…、と呟く。
「私一人っ子だから兄妹多いの羨ましいな」
悲しそうに目を伏せたあきらに凶一郎はとある事を思い付いた。
「じゃあ、僕と結婚しよう!」
「けっこん?戦いでもするの?」
「血痕じゃないよ、結婚
僕と夫婦になるって意味だよ」
ふうふ……とあきらはいまいち意図が掴めていないようだ。
それも仕方ない、まだ幼いあきらにとって想像しにくい事なのだから。
「何て言ったらいいのかな……
えーととりあえずずっと一緒にいる……とか?
それと結婚するとね、皆家族になるから義理だけど二刃達とも兄妹になるんだよ」
「凶一郎くん……」
あきらはさっき兄妹が羨ましいと言ったからだ、と思った。
その気遣いは嬉しいけれど……
「でも凶一郎くん
けっこんは好きな人とするもんだってお父さんが言ってたの、なら……」
「?僕はあきらちゃんの事好きだよ?
あきらがもし僕のお嫁さんになってくれたら嬉しいな」
凶一郎はあきらの手を両手で握った。
好き、と言われたあきらは顔を真っ赤にしてこくんと頷いた。
良かった、と顔を綻ばせた凶一郎はつけている指輪を見る。
「夜桜家に伝わるこの指輪……
この片方を伴侶に渡すことで結婚成立……らしいんだけどお父さんにまだそれは早いって言われたから……」
凶一郎は鋼蜘蛛の糸を器用に編み指輪をかたちどった。
「いつか僕が大きくなったら……
本当の指輪を受け取ってくれる?」
「うん」
あきらは頷き鋼蜘蛛糸の指輪を受け取った。
「あきら?」
「ごめん、ちょっと昔のこと思い出してた」
送ってもらう道中あきらは婚約した時の事を思い出していた。
あれから色々あったけれどとりあえず婚約は継続されている、本当に結婚するかは置いといて。
「昔?」
「婚約した時のこと、六美と太陽見てたら懐かしくなって
覚えてる?凶一郎は」
「さあな」
1/30ページ