秘密の代償(明智長編夢)
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逃げられないよう、明智はあきらを壁に追い詰め質問する。
「君、どうして僕がその養護施設にいたって知ってるの?」
母が幼少期に失くなり、親戚にたらい回しされ明智は養護施設に追いやられた。
追いやられた先でも明智の居場所はなく、大人に愛想をふりまく振りをして、母を捨てた獅童への憎悪を積み重ねる毎日だった。
そんな明智は高校進学を機に養護施設を出たが、今現在明智が養護施設出身である事を知る人物はいない。
データを改竄し、知る者はこの夏までに少しずつ消してきたのだから。(殺したり精神暴走させたり)
獅童に接触する上で自分の出自に関することは悟られぬよう、葬ってきたはずだが思わぬハプニングに明智は内心舌打ちする。
「どうして……って
昔私もそこにいたことあるから、短い間だけど……」
そう呟くあきらの横顔に明智は思い出した。
そうか、あの時の子供だったのか。
昔、ほんの一週間ほど自分と同じ年くらいの少女が養護施設に預けられたことがあった。
なんでも両親を交通事故で失くしたとかで、頼れる親戚もおらず明智と同じように養護施設へと預けられた子供だった。
ただ、唯一異なる点はその少女は両親に愛されていただろう事。
年が同じことから大人どもから気にかけてやってくれ、と頼まれたが正直明智はその少女の事が嫌いだった。
親に愛されていたというのもしゃくだが、夜になると親の事を思い出してわんわんと泣きじゃくる。
最初は宥めていたが、泣き止まないその声を聞くと明智は無性にいらいらして堪らず、何度かぶちきれその度に更に泣かせていた。
ほどなくして、不妊に悩まされる夫婦に養子として迎えられることになりもう面倒を見なくていいとほっとしたのを覚えている。
流石にそこまで昔の事までは気を回していなかった。
さて、あとはこいつをどうするかだが……
(あの泣き虫がこいつ???性格変わりすぎだろ)
泣き虫の他、大人に誉められるとにこにこと笑っていたが、面影は見る影もない。
「思い出した、あきらちゃんだね
昔と違いすぎて全然気づかなかったよ」
と笑う明智にちゃん付けされ不快に思ったのかは眉間に皺を寄せる。
「……そういうあんたはえらく優等生って感じだけど、裏では昔みたく泣かせてたりするの?暴言吐いたりとか」
「はっ、んな事したら炎上案件だ
誰がするかよ」
乱雑な言葉遣いに変わったことにあきらは1ミリも反応せず、本題に入った。
「……で、わざわざ人気のない屋上に連れてきて何するの?口封じ?」
「察しが早くて助かるよ
単刀直入に今の話黙っててくれる?」
こいつを始末してもいいが今すると厄介だ。
直前に接しているのが自分だと割れているし疑われかねない。
ひとまず、ここは金銭でも渡してやりすごそう。
「それは別にいいけど」
「良かった
あ、何か欲しい物はある?ネックレスとか」
「いらない、いいよ特に貰わなくても黙っとくから」
明智はめんどくせぇ、と顔をしかめた。
こういう無償でもなんでもやります、タイプが一番気にくわない。
「それだとこっちが困る
他人に借りを作るのは主義に合わないんでね
他に何かないの?趣味の物とか何でもいいから」
「自分の欲しい物は自分で買うからいい」
参ったな、とため息をついた明智にあきらはしばし考えこれなら、と条件を出した。
「……強いていうなら勉強教えてほしい、時々でいいから
先生に聞いたよ、学年一位って」
勉強?と明智は首を傾げる。
明智の通う学校は有名進学校だ。
途中編入にしろ学力はある程度ないと合格は厳しいはず。
「うちちょっと諸事情で国公立しか選択肢なくなっちゃって
流石に自力じゃ無理そうだから」
「それなら塾があるだろ」
「……金銭的に無理」
高校一年の夏から編入を見るに中々の事情があるようだ。
しかし、勉強を見るとすると定期的に接する機会を作ってしまう。
そうなると、裏で消すのは難しくなる。
(どうする?)
と考えた明智のスマホに着信がかかる。
その相手の名前を見て明智は舌打ちした。
会話を聞かれるのは厄介だ、かといってこの電話を放置するのはまずい。
「分かった、それで手を打とう
これは取引だ、もし破りでもしたらただじゃおかないからな」
と釘をさし、明智は屋上から立ち去った。
かくして、明智はあきらに勉強を教えることになったのだった。
「君、どうして僕がその養護施設にいたって知ってるの?」
母が幼少期に失くなり、親戚にたらい回しされ明智は養護施設に追いやられた。
追いやられた先でも明智の居場所はなく、大人に愛想をふりまく振りをして、母を捨てた獅童への憎悪を積み重ねる毎日だった。
そんな明智は高校進学を機に養護施設を出たが、今現在明智が養護施設出身である事を知る人物はいない。
データを改竄し、知る者はこの夏までに少しずつ消してきたのだから。(殺したり精神暴走させたり)
獅童に接触する上で自分の出自に関することは悟られぬよう、葬ってきたはずだが思わぬハプニングに明智は内心舌打ちする。
「どうして……って
昔私もそこにいたことあるから、短い間だけど……」
そう呟くあきらの横顔に明智は思い出した。
そうか、あの時の子供だったのか。
昔、ほんの一週間ほど自分と同じ年くらいの少女が養護施設に預けられたことがあった。
なんでも両親を交通事故で失くしたとかで、頼れる親戚もおらず明智と同じように養護施設へと預けられた子供だった。
ただ、唯一異なる点はその少女は両親に愛されていただろう事。
年が同じことから大人どもから気にかけてやってくれ、と頼まれたが正直明智はその少女の事が嫌いだった。
親に愛されていたというのもしゃくだが、夜になると親の事を思い出してわんわんと泣きじゃくる。
最初は宥めていたが、泣き止まないその声を聞くと明智は無性にいらいらして堪らず、何度かぶちきれその度に更に泣かせていた。
ほどなくして、不妊に悩まされる夫婦に養子として迎えられることになりもう面倒を見なくていいとほっとしたのを覚えている。
流石にそこまで昔の事までは気を回していなかった。
さて、あとはこいつをどうするかだが……
(あの泣き虫がこいつ???性格変わりすぎだろ)
泣き虫の他、大人に誉められるとにこにこと笑っていたが、面影は見る影もない。
「思い出した、あきらちゃんだね
昔と違いすぎて全然気づかなかったよ」
と笑う明智にちゃん付けされ不快に思ったのかは眉間に皺を寄せる。
「……そういうあんたはえらく優等生って感じだけど、裏では昔みたく泣かせてたりするの?暴言吐いたりとか」
「はっ、んな事したら炎上案件だ
誰がするかよ」
乱雑な言葉遣いに変わったことにあきらは1ミリも反応せず、本題に入った。
「……で、わざわざ人気のない屋上に連れてきて何するの?口封じ?」
「察しが早くて助かるよ
単刀直入に今の話黙っててくれる?」
こいつを始末してもいいが今すると厄介だ。
直前に接しているのが自分だと割れているし疑われかねない。
ひとまず、ここは金銭でも渡してやりすごそう。
「それは別にいいけど」
「良かった
あ、何か欲しい物はある?ネックレスとか」
「いらない、いいよ特に貰わなくても黙っとくから」
明智はめんどくせぇ、と顔をしかめた。
こういう無償でもなんでもやります、タイプが一番気にくわない。
「それだとこっちが困る
他人に借りを作るのは主義に合わないんでね
他に何かないの?趣味の物とか何でもいいから」
「自分の欲しい物は自分で買うからいい」
参ったな、とため息をついた明智にあきらはしばし考えこれなら、と条件を出した。
「……強いていうなら勉強教えてほしい、時々でいいから
先生に聞いたよ、学年一位って」
勉強?と明智は首を傾げる。
明智の通う学校は有名進学校だ。
途中編入にしろ学力はある程度ないと合格は厳しいはず。
「うちちょっと諸事情で国公立しか選択肢なくなっちゃって
流石に自力じゃ無理そうだから」
「それなら塾があるだろ」
「……金銭的に無理」
高校一年の夏から編入を見るに中々の事情があるようだ。
しかし、勉強を見るとすると定期的に接する機会を作ってしまう。
そうなると、裏で消すのは難しくなる。
(どうする?)
と考えた明智のスマホに着信がかかる。
その相手の名前を見て明智は舌打ちした。
会話を聞かれるのは厄介だ、かといってこの電話を放置するのはまずい。
「分かった、それで手を打とう
これは取引だ、もし破りでもしたらただじゃおかないからな」
と釘をさし、明智は屋上から立ち去った。
かくして、明智はあきらに勉強を教えることになったのだった。
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