前略、息子の千空が家に彼女を連れ込んでいました。

「よお、百夜」
「た、ただいま千空ってそんなことよりだな……！」
千空はやけに父親の困惑様にまぁ、そうだよなと察した。
「あーー悪い、てっきり分かってるかと思ってたんだがやっぱ知らなかったか」
「知ってるはずないだろ！？
まさか彼女がいるなんて露にも……」
と言う百夜に千空はあ“ーー勘違いしてやがると笑った。
「待て待て、勘違いしてるとこ悪ぃんだがこいつは彼女でもなんでもねぇ
百夜がさっき言ったあきらっていうのがこいつだ」
「はじめまして五十嵐あきらです」
「え？？？？」
再度ぺこりと頭を下げるあきらに百夜はぽかんと口を空けて固まってしまった。


「はあ～～～すまねぇ！！！
名前からしててっきり男かと思ってたんだがまさか女の子だったとは……！！」
「いえ、気にしなくて大丈夫ですよ
度々間違われる事はあるので……」
誤解が解けた百夜は彼女ではないことは分かったもののまた一つ問題が増えてしまった事に頭を悩ました。
友人が困っているというから居候を承諾したがそれはあくまで男だからというのもある。
それが今さらになって男ではなく女の子だったとなれば話は別だ。
これがまだ引っ越し前なら何とかできたかもしれないがもう引っ越しはとうに終え１ヶ月以上も経っている。
千空の性格上何かが起こるとは思えないが男子高校生を息子に持つ父親としては年頃の女の子と居候させるのはいかがものか……
しかし今から急に引っ越しといっても……

(どうしたもんか……)
百夜はこの問題をどうすべきか、と腕を組み困り果てた。