とある科学の読心能力
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「このオレをわざわざ呼び出して一体なンの話だァ?」
普段あきらが一方通行に対して呼び立てることはない、いつも勝手に一方通行が来るかそれかあきらが自ら一方通行の家に行くかである。
遠回りに聞いてもはぐらかされるだろう、ならばここは直球に聞いた方がいい。
「絶対能力進化計画」
「……!!」
「一方通行は……なんでその計画に協力しようって思ったの?」
計画のという言葉があきらの口なら発せられるのを見て一方通行は一瞬驚いたように固まり自嘲するように笑みを浮かべた。
「アァそうか……
勝手にオレの記憶見やがったな」
「…………」
あきらは否定しなかった。
意図して見たものではなかったがそこを説明しても意味がない。
「答えて」
「はあ……ンなこと知ってどうすんだよ
まぁいい、教えてやるよ」
と一方通行は語り始めた。
自分は学園都市における第一位、最強にあたいする存在だがそれでもまだ足りない、と。
「……足りない?」
「アアそうだ、まだ足りねぇんだ
だから有象無象がオレに挑みにくる
それってよォ……最強って言えんのかァ?」
一方通行は自分に戦いを挑んでくる能力者達のことを自分よりも格下だと思っておりそれをぶちのめしても何の感慨も感じなかった。
むしろつまらないと思っている。
「オレに戦いなんて挑むなんて考えが浮かばないくらい……そう言う強さをオレは求めてンだ」
「……だから計画に参加したの?
進化するためならクローンも殺してもいいって……?」
「そもそもなァあれは人間じゃねェ、ただの、モノなんだよ、モノには命なんかねェよなァ?
ってことで回答は終わりだ」
と帰ろうとした一方通行の前をあきらは両腕を伸ばして引き留めた。
「ア?」
「……これから実験に行くつもりって事は分かってる、そんな事させない!!」
「ンなか弱い抵抗しても無駄って事がわかンねェのかァ?
レベル3のくせによォ、叶いっこしないって自分が一番よく知ってンだろ?」
「知ってるよ、そんなこと」
こんなことしても止められないことは分かっている、能力では叶わないし彼が能力を使えば自分は間違いなく死ぬ。
「オレがその気になりゃどうだって出来る
テメェをばらばらのパーツにだってすることだってなァ!!」
「っ」
震えそうな足を必死に固定して一方通行を睨む。
「……おい、ほんとにいい加減にしろ
そこどきゃいい話だろーが」
「いや、どかない」
「チッ、死んでもイイってか?とんだ自殺願望者だな」
「いいよ、一方通行に殺されても」
そう言ってあきらは一方通行にタックルしようとした。
一方通行はなっ、と小さく目を見開く。
一方通行には常に反射がかかっている。
距離的に大した運動力はなくても何かしら負荷はかかる。
このまま激突してしまえばどこかしら名前の体は骨が折れたりするだろう。
加減を間違えればあきらは、死ぬ。
それがどうした、こんな三下が死んだところでオレには何の関係もない。
(そうだ、何の関係もねェ
こいつが死んだところで……オレには何も……)
そしてどさ、と音がして少女の体が床に落ちた。
(いき……てる……?)
ぼんやりと目を開けると部屋は薄暗かった。
夜になってしまったのか、と起きようとしてあきらは身動きがとれないことに気づいた。
両手、両足に何か紐らしきものできつく縛られている、幸い口元には何も巻かれていないので呼吸は出来る。
とりあえず死んではなかったようだ、とあきらは一方通行に思いを馳せた。
一方通行はあきらを殺さなかった、あえて殺さなかったのではなく殺せなかった。
それなら、まだ希望はある、何かきっかけがあればまだ引き返せる。
(とりあえずこの枷を外さないと……)
床を這って移動しハサミを取り出して紐を切るのにだいぶ時間がかかってしまった。
あきらは走ってとある列車の操車場に向かった。
予定では第10032回目の実験が行われるはず。
しかしたどり着いた時には誰も居なかった。
「遅かった……」
操車場はひどい有り様だった。
能力を使った戦闘があったのかレールが不自然に突き刺さり折れ曲がっている。
せめて何があったのか見ようと思いあきらは手袋を外して地面に触れた。
「……!?!?」
開始された10032回目の実験、そしてそこに割り入む高校生くらいの少年の姿が見えた。
そのツンツン頭の少年は実験を止めようとして……ズタぼろになりながら必死に一方通行と戦った。
普通なら自殺紛いの行為だ、一方通行には誰も叶いはしない。
なのに……少年の拳は一方通行に通用した。
そして……一方通行は、負けた。
はっとあきらは周囲を見渡し走った。
一方通行は無惨にも操車場の隅っこで地面に転がっていた。
慌てて心音を確かめると気絶はしているものの命に別状はないようだ。
よく見れば顔に損傷はみられるもののそれ以外は怪我はない。
単に殴られたところだけダメージを受けたのか。
(でも反射を持ってる一方通行にダメージを通すなんてあの少年は一体……?)
と考えたものの今はそれどころではない。
とりあえずコンテナの近くまで運び着ていた上着を一方通行の上半身にかけた。
(一方通行……)
さっき手袋を外してたことを忘れていたのか一方通行の腕に一瞬触れてしまった。
一方通行は夢を見ていた。
去年の秋、オレはとあるイカれた研究者に声をかけられた。
同時期に進められていたクローン計画を利用した計画……2万体のクローンを殺せばオレは絶対能力者になれると機械が弾き出したらしい。
全く持ってイカれた計画だったがオレはその計画に乗った。
最強のその上になるために、けれど……
『俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ』
顔面に拳が突き刺さり意識が遠退く中どうしてその計画に乗ったのかを思い出した。
強さを求める為っていうのは勿論あった。
けどそれ以外に……
昔能力が通じないと分かってすごい、と目を光らせたヤツがいた。
けれどどうしてかそいつは時が経つとオレに対して少し距離を持つようになった、昔はあんなに無垢だったのに。
アアそうか、最強止まりだからか。
なら、その上を目指せばイイ、そうすればあいつは……
一方通行の夢を垣間見てあきらは閉じていた目を開けた。
普段なら出来ないことだが一方通行が極限まで疲れて気絶していたことが起因したのだろう。
「……バカ」
コツン、とあきらは一方通行の隣に寄り添った。
「そんなことしなくても……私は……一方通行の事が好きなのに
でも……私一方通行がやったことはいけないことだと思う、だから……止めたかった
たとえ……一方通行に嫌われても……」
一方通行の眉がピクリと動いたがあきらは気づかない。
「でもね、一方通行
あなたが例え間違ったことをしても……嫌いになったわけじゃないよ
それだけは……信じてほしい
何があっても離れないから」
例え聞いていないとしてもそれだけは言いたかった。
すると一方通行が僅かに身動きをした。
(まずい、起きちゃう!?)
今会うのは気まずいとあきらは慌てて隠れる。
「……っ」
起きたらしい一方通行は起き上がろうとして痛みで顔を歪め自身にかけられていた上着に気づくと掴んで覚束ない足取りで操車場から去っていった。
普段あきらが一方通行に対して呼び立てることはない、いつも勝手に一方通行が来るかそれかあきらが自ら一方通行の家に行くかである。
遠回りに聞いてもはぐらかされるだろう、ならばここは直球に聞いた方がいい。
「絶対能力進化計画」
「……!!」
「一方通行は……なんでその計画に協力しようって思ったの?」
計画のという言葉があきらの口なら発せられるのを見て一方通行は一瞬驚いたように固まり自嘲するように笑みを浮かべた。
「アァそうか……
勝手にオレの記憶見やがったな」
「…………」
あきらは否定しなかった。
意図して見たものではなかったがそこを説明しても意味がない。
「答えて」
「はあ……ンなこと知ってどうすんだよ
まぁいい、教えてやるよ」
と一方通行は語り始めた。
自分は学園都市における第一位、最強にあたいする存在だがそれでもまだ足りない、と。
「……足りない?」
「アアそうだ、まだ足りねぇんだ
だから有象無象がオレに挑みにくる
それってよォ……最強って言えんのかァ?」
一方通行は自分に戦いを挑んでくる能力者達のことを自分よりも格下だと思っておりそれをぶちのめしても何の感慨も感じなかった。
むしろつまらないと思っている。
「オレに戦いなんて挑むなんて考えが浮かばないくらい……そう言う強さをオレは求めてンだ」
「……だから計画に参加したの?
進化するためならクローンも殺してもいいって……?」
「そもそもなァあれは人間じゃねェ、ただの、モノなんだよ、モノには命なんかねェよなァ?
ってことで回答は終わりだ」
と帰ろうとした一方通行の前をあきらは両腕を伸ばして引き留めた。
「ア?」
「……これから実験に行くつもりって事は分かってる、そんな事させない!!」
「ンなか弱い抵抗しても無駄って事がわかンねェのかァ?
レベル3のくせによォ、叶いっこしないって自分が一番よく知ってンだろ?」
「知ってるよ、そんなこと」
こんなことしても止められないことは分かっている、能力では叶わないし彼が能力を使えば自分は間違いなく死ぬ。
「オレがその気になりゃどうだって出来る
テメェをばらばらのパーツにだってすることだってなァ!!」
「っ」
震えそうな足を必死に固定して一方通行を睨む。
「……おい、ほんとにいい加減にしろ
そこどきゃいい話だろーが」
「いや、どかない」
「チッ、死んでもイイってか?とんだ自殺願望者だな」
「いいよ、一方通行に殺されても」
そう言ってあきらは一方通行にタックルしようとした。
一方通行はなっ、と小さく目を見開く。
一方通行には常に反射がかかっている。
距離的に大した運動力はなくても何かしら負荷はかかる。
このまま激突してしまえばどこかしら名前の体は骨が折れたりするだろう。
加減を間違えればあきらは、死ぬ。
それがどうした、こんな三下が死んだところでオレには何の関係もない。
(そうだ、何の関係もねェ
こいつが死んだところで……オレには何も……)
そしてどさ、と音がして少女の体が床に落ちた。
(いき……てる……?)
ぼんやりと目を開けると部屋は薄暗かった。
夜になってしまったのか、と起きようとしてあきらは身動きがとれないことに気づいた。
両手、両足に何か紐らしきものできつく縛られている、幸い口元には何も巻かれていないので呼吸は出来る。
とりあえず死んではなかったようだ、とあきらは一方通行に思いを馳せた。
一方通行はあきらを殺さなかった、あえて殺さなかったのではなく殺せなかった。
それなら、まだ希望はある、何かきっかけがあればまだ引き返せる。
(とりあえずこの枷を外さないと……)
床を這って移動しハサミを取り出して紐を切るのにだいぶ時間がかかってしまった。
あきらは走ってとある列車の操車場に向かった。
予定では第10032回目の実験が行われるはず。
しかしたどり着いた時には誰も居なかった。
「遅かった……」
操車場はひどい有り様だった。
能力を使った戦闘があったのかレールが不自然に突き刺さり折れ曲がっている。
せめて何があったのか見ようと思いあきらは手袋を外して地面に触れた。
「……!?!?」
開始された10032回目の実験、そしてそこに割り入む高校生くらいの少年の姿が見えた。
そのツンツン頭の少年は実験を止めようとして……ズタぼろになりながら必死に一方通行と戦った。
普通なら自殺紛いの行為だ、一方通行には誰も叶いはしない。
なのに……少年の拳は一方通行に通用した。
そして……一方通行は、負けた。
はっとあきらは周囲を見渡し走った。
一方通行は無惨にも操車場の隅っこで地面に転がっていた。
慌てて心音を確かめると気絶はしているものの命に別状はないようだ。
よく見れば顔に損傷はみられるもののそれ以外は怪我はない。
単に殴られたところだけダメージを受けたのか。
(でも反射を持ってる一方通行にダメージを通すなんてあの少年は一体……?)
と考えたものの今はそれどころではない。
とりあえずコンテナの近くまで運び着ていた上着を一方通行の上半身にかけた。
(一方通行……)
さっき手袋を外してたことを忘れていたのか一方通行の腕に一瞬触れてしまった。
一方通行は夢を見ていた。
去年の秋、オレはとあるイカれた研究者に声をかけられた。
同時期に進められていたクローン計画を利用した計画……2万体のクローンを殺せばオレは絶対能力者になれると機械が弾き出したらしい。
全く持ってイカれた計画だったがオレはその計画に乗った。
最強のその上になるために、けれど……
『俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ』
顔面に拳が突き刺さり意識が遠退く中どうしてその計画に乗ったのかを思い出した。
強さを求める為っていうのは勿論あった。
けどそれ以外に……
昔能力が通じないと分かってすごい、と目を光らせたヤツがいた。
けれどどうしてかそいつは時が経つとオレに対して少し距離を持つようになった、昔はあんなに無垢だったのに。
アアそうか、最強止まりだからか。
なら、その上を目指せばイイ、そうすればあいつは……
一方通行の夢を垣間見てあきらは閉じていた目を開けた。
普段なら出来ないことだが一方通行が極限まで疲れて気絶していたことが起因したのだろう。
「……バカ」
コツン、とあきらは一方通行の隣に寄り添った。
「そんなことしなくても……私は……一方通行の事が好きなのに
でも……私一方通行がやったことはいけないことだと思う、だから……止めたかった
たとえ……一方通行に嫌われても……」
一方通行の眉がピクリと動いたがあきらは気づかない。
「でもね、一方通行
あなたが例え間違ったことをしても……嫌いになったわけじゃないよ
それだけは……信じてほしい
何があっても離れないから」
例え聞いていないとしてもそれだけは言いたかった。
すると一方通行が僅かに身動きをした。
(まずい、起きちゃう!?)
今会うのは気まずいとあきらは慌てて隠れる。
「……っ」
起きたらしい一方通行は起き上がろうとして痛みで顔を歪め自身にかけられていた上着に気づくと掴んで覚束ない足取りで操車場から去っていった。