とある科学の読心能力
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それからあきらは定期的に一方通行(まだそう呼ばれていないが)と会話をすることになった。
会話と呼べるほど一方通行が喋りに応答する事はあまりなかったけれどこの静かな空間があきらにとっては唯一の心の安らぎだった。
原石を分析して能力者を産み出そうとするこの地獄に比べれば。
一方通行はこちらが敵対行為をとらなければ危害を加えてくる事はない。
周りが必要以上に警戒するから一方通行がかえって拒絶してしまう。
あきらは直接触れては思考を読み取れないけど一方通行が座っていた場所など物を通して残留思念は読み取れる。
一方通行の心の中は空っぽだった。
周りへの不信感、そして強さへの圧倒的執着心、そして何かに飢えていた。
それが何かかはあきらには分からなかった。
同じくあきらも無意識にそれを欲していたからである。
分からないなりに名前はこう思った。
『この人の力になりたい』と。
ちなみにあきらには一方通行の思考を読み取り危険思考などを報告する義務があったのだが途中からそれはなくなった。
というのもこの会話が監視も兼ねられていると気づいた一方通行が研究者を脅したからである。
それから一方通行は更に恐怖の視線で見られることになり時々感情の暴走により一方通行は研究所を転々とした。
あきらは数少ないコミュニケーションがとられる人物というのもあって一方通行の移動に伴って移動を余儀なくされた。
「やぁ、一方通行調子はどう?」
部屋の中心に声をかけたが当然返事はないのと同時にあきらは周りに視線をむけた。
荒れていたのか所々壁が壊れている。
これは近々移動かなーと思いつつ一方通行に近寄って取り囲む壁がある事に気づいた。
これ以上近づくな、のサインである。
こればかりはしょうがないのでギリギリのラインで居座る。
度々話しかけるもののやはり返事はなく直前に実験があったというものもあってあきらは欠伸をする。
恐らく反射してるから寝てもバレないかな?と思いあきらは床に寝っ転がって寝始めた。
誰かが自分に触れている感触であきらは目を覚ますと一方通行があきらのほっぺたを引っ張っていた。
「……私おもちゃじゃないんだけど」
「人の横で勝手に寝てる方が悪ィ」
いつの間に反射を解いていたのかあきらが寝ている事に気づいたらしい。
むくりと身を起こすと一方通行が自重気味に笑う。
「しかしこんなところで寝るなンてテメェはどっかイカれてんのか?
正気の沙汰じゃねェな」
今にも崩れそうな室内で一方通行は手を広げた。
ここで能力を使ったらどうなるのか分かってるよな?と。
「あーー寝てる間に怪我するんじゃないかって?
でも万が一起きたとして一方通行が隣にいるなら大丈夫でしょ?」
と言うと一方通行は顔を歪めた。
そういう事じゃないと。
「思いっきり危険人物が目の前にいるじゃねェか
オイ……オレの後ろ見ても誰もいねェよ、は?幽霊?チッとぼけんな!
オレの機嫌次第じゃテメェなんざ簡単にぶっ殺せるンだ」
「うん知ってる
でも……出来てもしないでしょ?」
「っ」
一方通行は顔を背ける。
「する気があるんだったら既に私は死んでるはずだし……」
「気が変わるかもしれねェ」
「そこはほら、信じてるから」
子供らしく無邪気な笑顔であきらは答えた。
あれから研究所が解体され実験から解放された後も一方通行との関わりは続いた。
もう強制されることも会いに行く理由はないけれどそれでも会いたくて無理やり理由を作っては会いに行った。
一方通行の方も気まぐれに時折あきらの部屋を訪れるようになった。
けれど一つ変わったことがある。
思春期に入って少しあきらは接し方を変えた。
まず一方通行の思考を出来る限り読み取らないように気をつけた。
要するに少し距離をとったのである。
元々近くもなく遠くもない距離感だったが少し一方通行の奥深くに触れない方がいいと思ってしまったからである。
あきらは恐れた。
一方通行が自分の事をどう思っているのか知りたくなかった、踏み込んで嫌われたくない。
もし一方通行にとってどうでもいい存在だったらと考えると足が止まる。
今現在完全には拒絶されてはいないが何をきっかけでそうなるかは分からない。
けれどこの時の決断を数年後あきらは後悔した。
何がなんでも踏みいるべきだったととある光景を目にして思ったのだった。
会話と呼べるほど一方通行が喋りに応答する事はあまりなかったけれどこの静かな空間があきらにとっては唯一の心の安らぎだった。
原石を分析して能力者を産み出そうとするこの地獄に比べれば。
一方通行はこちらが敵対行為をとらなければ危害を加えてくる事はない。
周りが必要以上に警戒するから一方通行がかえって拒絶してしまう。
あきらは直接触れては思考を読み取れないけど一方通行が座っていた場所など物を通して残留思念は読み取れる。
一方通行の心の中は空っぽだった。
周りへの不信感、そして強さへの圧倒的執着心、そして何かに飢えていた。
それが何かかはあきらには分からなかった。
同じくあきらも無意識にそれを欲していたからである。
分からないなりに名前はこう思った。
『この人の力になりたい』と。
ちなみにあきらには一方通行の思考を読み取り危険思考などを報告する義務があったのだが途中からそれはなくなった。
というのもこの会話が監視も兼ねられていると気づいた一方通行が研究者を脅したからである。
それから一方通行は更に恐怖の視線で見られることになり時々感情の暴走により一方通行は研究所を転々とした。
あきらは数少ないコミュニケーションがとられる人物というのもあって一方通行の移動に伴って移動を余儀なくされた。
「やぁ、一方通行調子はどう?」
部屋の中心に声をかけたが当然返事はないのと同時にあきらは周りに視線をむけた。
荒れていたのか所々壁が壊れている。
これは近々移動かなーと思いつつ一方通行に近寄って取り囲む壁がある事に気づいた。
これ以上近づくな、のサインである。
こればかりはしょうがないのでギリギリのラインで居座る。
度々話しかけるもののやはり返事はなく直前に実験があったというものもあってあきらは欠伸をする。
恐らく反射してるから寝てもバレないかな?と思いあきらは床に寝っ転がって寝始めた。
誰かが自分に触れている感触であきらは目を覚ますと一方通行があきらのほっぺたを引っ張っていた。
「……私おもちゃじゃないんだけど」
「人の横で勝手に寝てる方が悪ィ」
いつの間に反射を解いていたのかあきらが寝ている事に気づいたらしい。
むくりと身を起こすと一方通行が自重気味に笑う。
「しかしこんなところで寝るなンてテメェはどっかイカれてんのか?
正気の沙汰じゃねェな」
今にも崩れそうな室内で一方通行は手を広げた。
ここで能力を使ったらどうなるのか分かってるよな?と。
「あーー寝てる間に怪我するんじゃないかって?
でも万が一起きたとして一方通行が隣にいるなら大丈夫でしょ?」
と言うと一方通行は顔を歪めた。
そういう事じゃないと。
「思いっきり危険人物が目の前にいるじゃねェか
オイ……オレの後ろ見ても誰もいねェよ、は?幽霊?チッとぼけんな!
オレの機嫌次第じゃテメェなんざ簡単にぶっ殺せるンだ」
「うん知ってる
でも……出来てもしないでしょ?」
「っ」
一方通行は顔を背ける。
「する気があるんだったら既に私は死んでるはずだし……」
「気が変わるかもしれねェ」
「そこはほら、信じてるから」
子供らしく無邪気な笑顔であきらは答えた。
あれから研究所が解体され実験から解放された後も一方通行との関わりは続いた。
もう強制されることも会いに行く理由はないけれどそれでも会いたくて無理やり理由を作っては会いに行った。
一方通行の方も気まぐれに時折あきらの部屋を訪れるようになった。
けれど一つ変わったことがある。
思春期に入って少しあきらは接し方を変えた。
まず一方通行の思考を出来る限り読み取らないように気をつけた。
要するに少し距離をとったのである。
元々近くもなく遠くもない距離感だったが少し一方通行の奥深くに触れない方がいいと思ってしまったからである。
あきらは恐れた。
一方通行が自分の事をどう思っているのか知りたくなかった、踏み込んで嫌われたくない。
もし一方通行にとってどうでもいい存在だったらと考えると足が止まる。
今現在完全には拒絶されてはいないが何をきっかけでそうなるかは分からない。
けれどこの時の決断を数年後あきらは後悔した。
何がなんでも踏みいるべきだったととある光景を目にして思ったのだった。