とある科学の読心能力
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遠い昔の事。
あきらがまだ暗部の研究所にいた時の話だ。
『君に頼みがあるんだ』
そう言って研究者の男はあきらをとある一室の前に連れ出した。
『ここに君と同い年くらいの子供がいる
その子と仲良くなってもらいたいんだ』
幼かったあきらはどうして私なの?と聞いた。
『君は心を読める能力を持っている
その力で言ってもらいたい言葉とかを読みとるんだ』
そして男はタッチパネルを操作して厳密に管理された分厚い扉を開ける。
それは最早扉ではなくまるで銀行にあるような金庫のような形をしていた。
今から思えば齢10歳ほどの子供を閉じ込めるにしては不釣り合いなほど。
中は非常にただっ広く軽く倉庫ほどの大きさでぽつんと真ん中に私と同い年くらいの子供が一人居た。
『あの子だ
あの子は周りを拒絶してしまって誰の声も届かない
何を考えているのか誰にも分からない
独りぼっちなんだ、それは寂しくは思わないか?』
それを聞いてあきらは「ああ、私と一緒だ」と思ったのだった。
研究者の男はあきらを中に入れるとあっという間に外へと出ていってしまった。
手を繋いでいたから分かることだけれどこの男もあの子供を凄く恐怖していた。
出来ればここに近寄りたくないくらい。
あきらはその子供に向かって広い部屋を歩いた。
「こんにちは」
返事はなかった。
子供は暇そうに本を捲っている。
同い年とは聞いていたけど少年なのか少女かどっちか分からなかった。
「ねぇ、君男の子?女の子?どっち」
「見りゃわかンだろ」
視線は合わせないままだけどようやく答えてくれた。
「名前は?」
無視である。
いくら呼び掛けても返事がなく痺れを切らしたあきらは真正面に座って顔を覗き込むと白い髪に紛れて赤い瞳と視線があった。
日本人らしくない容姿にあきらはキレイと思って思わず手を伸ばしかけて弾かれた。
ばちん!と反動であきらは尻餅をついて何も脳内に流れ込んでこないことに疑問を抱いた。
そして少年?も接触した時に何か起った事に気づき自嘲気味に笑った。
「あーーーそういうことか
あいつら俺が何考えてるから分かンねェからガキ寄越してきやがったのかよ
しかも自分達は安全圏って事ですかァ?」
少年はパタンと本を閉じて私に近づいた。
「で、てめェは何の能力者だ?」
「読心能力」
「へェ」
「でもさっき何も感じなかった
ねぇもっかい試させて」
少年?は嫌そうに顔を歪ませたが、ああそういや俺には関係ねェんだった、と思い出したかのように手のひらを差し出した。
それをあきらはまるで握手するみたいに手を重ねる。
「やっぱり何も感じない……」
「はっ、能力が通じなくてショックですかァ?……あ?」
少年?はあきらがショックで震えていると思ったようだが、それは違った。
ぎゅっと両手で少年?の手を握りしめてあきらは満面の笑みを浮かべて目を輝かせた。
「すごい!!何も読みとれないの初めて!」
「オマエ……頭イカれてんのか?」
少年?は呆れている。
「ねぇねぇ、何であなただけは能力通らないの?」
「あ?……読心能力の事はよく知らねェが……
まぁ皮膚を通してるとこ見ると何かしらで脳波とリンクさせたりして読みとってンだろ?」
「……えっとよく分かんない
自然と流れ込んでくるものだったから」
「はあ……とにかくオレの能力の前じゃ意味はなさねェ」
少年?は残念だったな、と恐ろしいほどの笑みを浮かべたが私がまだニコニコしているのに舌打ちする。
「どうして能力も通じねェのにそんなニコニコしてられるンだ?」
「……だって心を読みとってもいい事ないから」
あきらはいわゆる原石と呼ばれる特殊な出で立ちだった。
能力開発をしなくても能力を行使する事が出来そしてあきらはそれをセーブする事が出来なかった。
少し触れあうだけで読みとってもしまうので心の中の本音を幼いあきらは言っても良くないという事を理解出来ずにぺらぺらと喋ってしまい孤立するようになった。
そして学園都市で能力開発するようになったに決まったのだったのだが。
両親と三人で手を繋いで帰っている途中。
「お父さん、◯◯さんって誰?」
と母がいる目の前で聞いてしまった。
父はみるみるうちに青ざめてやがて両親は離婚、母親も勝手に心を読む娘を受け入れられずついには居なくなってしまった。
身寄りをなくしたあきらは暗部の研究所に預けられ今に至る。
通常心が読めないという事は何を考えているか分からないという事で不安に思うのが普通かもしれない。
しかしあきらにとって心を読む=苦しみだった為初めてそれが出来ないという事は彼女にとって安らぎに近い現象だった。
「……オマエオレの事を読みに来たンだろ、喜んでていいのか?」
「うん、まぁそうなんだけど
でも……いいの」
役割を果たせないことで研究者がどう判断を下すかも分からないのに微笑むあきらを見て少年?は変な奴だ、と思った。
これがあきらと一方通行の出会いである。
あきらがまだ暗部の研究所にいた時の話だ。
『君に頼みがあるんだ』
そう言って研究者の男はあきらをとある一室の前に連れ出した。
『ここに君と同い年くらいの子供がいる
その子と仲良くなってもらいたいんだ』
幼かったあきらはどうして私なの?と聞いた。
『君は心を読める能力を持っている
その力で言ってもらいたい言葉とかを読みとるんだ』
そして男はタッチパネルを操作して厳密に管理された分厚い扉を開ける。
それは最早扉ではなくまるで銀行にあるような金庫のような形をしていた。
今から思えば齢10歳ほどの子供を閉じ込めるにしては不釣り合いなほど。
中は非常にただっ広く軽く倉庫ほどの大きさでぽつんと真ん中に私と同い年くらいの子供が一人居た。
『あの子だ
あの子は周りを拒絶してしまって誰の声も届かない
何を考えているのか誰にも分からない
独りぼっちなんだ、それは寂しくは思わないか?』
それを聞いてあきらは「ああ、私と一緒だ」と思ったのだった。
研究者の男はあきらを中に入れるとあっという間に外へと出ていってしまった。
手を繋いでいたから分かることだけれどこの男もあの子供を凄く恐怖していた。
出来ればここに近寄りたくないくらい。
あきらはその子供に向かって広い部屋を歩いた。
「こんにちは」
返事はなかった。
子供は暇そうに本を捲っている。
同い年とは聞いていたけど少年なのか少女かどっちか分からなかった。
「ねぇ、君男の子?女の子?どっち」
「見りゃわかンだろ」
視線は合わせないままだけどようやく答えてくれた。
「名前は?」
無視である。
いくら呼び掛けても返事がなく痺れを切らしたあきらは真正面に座って顔を覗き込むと白い髪に紛れて赤い瞳と視線があった。
日本人らしくない容姿にあきらはキレイと思って思わず手を伸ばしかけて弾かれた。
ばちん!と反動であきらは尻餅をついて何も脳内に流れ込んでこないことに疑問を抱いた。
そして少年?も接触した時に何か起った事に気づき自嘲気味に笑った。
「あーーーそういうことか
あいつら俺が何考えてるから分かンねェからガキ寄越してきやがったのかよ
しかも自分達は安全圏って事ですかァ?」
少年はパタンと本を閉じて私に近づいた。
「で、てめェは何の能力者だ?」
「読心能力」
「へェ」
「でもさっき何も感じなかった
ねぇもっかい試させて」
少年?は嫌そうに顔を歪ませたが、ああそういや俺には関係ねェんだった、と思い出したかのように手のひらを差し出した。
それをあきらはまるで握手するみたいに手を重ねる。
「やっぱり何も感じない……」
「はっ、能力が通じなくてショックですかァ?……あ?」
少年?はあきらがショックで震えていると思ったようだが、それは違った。
ぎゅっと両手で少年?の手を握りしめてあきらは満面の笑みを浮かべて目を輝かせた。
「すごい!!何も読みとれないの初めて!」
「オマエ……頭イカれてんのか?」
少年?は呆れている。
「ねぇねぇ、何であなただけは能力通らないの?」
「あ?……読心能力の事はよく知らねェが……
まぁ皮膚を通してるとこ見ると何かしらで脳波とリンクさせたりして読みとってンだろ?」
「……えっとよく分かんない
自然と流れ込んでくるものだったから」
「はあ……とにかくオレの能力の前じゃ意味はなさねェ」
少年?は残念だったな、と恐ろしいほどの笑みを浮かべたが私がまだニコニコしているのに舌打ちする。
「どうして能力も通じねェのにそんなニコニコしてられるンだ?」
「……だって心を読みとってもいい事ないから」
あきらはいわゆる原石と呼ばれる特殊な出で立ちだった。
能力開発をしなくても能力を行使する事が出来そしてあきらはそれをセーブする事が出来なかった。
少し触れあうだけで読みとってもしまうので心の中の本音を幼いあきらは言っても良くないという事を理解出来ずにぺらぺらと喋ってしまい孤立するようになった。
そして学園都市で能力開発するようになったに決まったのだったのだが。
両親と三人で手を繋いで帰っている途中。
「お父さん、◯◯さんって誰?」
と母がいる目の前で聞いてしまった。
父はみるみるうちに青ざめてやがて両親は離婚、母親も勝手に心を読む娘を受け入れられずついには居なくなってしまった。
身寄りをなくしたあきらは暗部の研究所に預けられ今に至る。
通常心が読めないという事は何を考えているか分からないという事で不安に思うのが普通かもしれない。
しかしあきらにとって心を読む=苦しみだった為初めてそれが出来ないという事は彼女にとって安らぎに近い現象だった。
「……オマエオレの事を読みに来たンだろ、喜んでていいのか?」
「うん、まぁそうなんだけど
でも……いいの」
役割を果たせないことで研究者がどう判断を下すかも分からないのに微笑むあきらを見て少年?は変な奴だ、と思った。
これがあきらと一方通行の出会いである。