とある科学の読心能力
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暗く寝静まった学園都市を歩くあきらは目的地に向かって淡々と歩いていた。
数時間前まで賑やかだったのが嘘みたいに静まっていた。
それも当然今時刻は午前0時を回ったばっかりである。
この時間に彷徨いているのは荒くれ者か自分と似たような境遇の者だろう。
と考えながら歩いていると目的地に着いたようだ。
そしてあきらはポケットから携帯を出しある番号に電話をかけた。
「着きました」
『何か痕跡らしき物はありますか?』
あきらは小型の懐中電灯を点け地面を照らし携帯を耳に当てながら路地裏を観察した。
「もう大方証拠隠滅……って感じですけど…あ」
と言いかけて名前は路地裏の隅っこに黒ずんだ欠片を見つける。
もしや……と思い手袋を外して触ってみると……ビンゴ。
「…………火炎放射の能力者の事件ですね
無能力者を狙ったみたいですが……
これはアンチスキルか風紀委員向けでは?」
『そこで問題にされるとまずいのですよ
逃走先は分かりますか?』
ここでいう逃走先とは加害者ではなく被害者の方だ。
恐らく問題を起こした側の学生がどこぞのお偉いさんの子供なのだろう、そこでこちらに回ってきたということだ。
あきらはぺたぺたと地面や壁を触って無能力者が行きそうな候補を上げた。
そして電話の男は短く、ご苦労様でした、とだけ言うと通話は切れてしまった。
これで本来法観点なら保護されるべき人物はあきらの知らないところで人知れず姿を消すだろう、永久に。
「……公にされると問題だから資金を打ち止めにするとか多分そんな感じだろうけど……」
と呟いてあきらはその場を後にした。
暗部。
それは学園都市に存在する闇だ。
表沙汰には出来ない事件を揉み消したり色々したり……とまぁろくでもないところである。
あきらはそんなろくでもない所から依頼を受けていた。
とはいえ暗部組織の正規メンバーではなくあくまでもそのサポートの下働きである。
そんな下働きでも結構金払いはよくこの仕事のおかけで生活面は結構余裕がある。
しかし……疲れた。
能力を行使すると脳に大量の情報が流れこんでくる上にどの情報が必要なのかピックアップしないといけない為非常に疲れるのだ。
時計を見ればもう午前2時を回っていた……もう寝てしまいたい……。
部屋に帰ると一方通行が居たらしき痕跡が残っていた。
しかしリビングは真っ暗だし既に帰ってしまったのだろうか、と考えてあきらは欠伸をした。
「寝よう」
もう一秒も待ってられないとベッドに向かうと何と一方通行が先に寝ていた。
「…………何で?」
何故自分の部屋じゃないのにこうぐーすかと寝ているのかと文句を言いたくなるが一方通行の目覚めは実はあまり良くない。
下手に刺激するといけないと判断してソファで寝ようと踵を返すとむくりと一方通行が起きた。
おはようと返すよりも前に一方通行はぽつりと呟く。
「枕……」
服を引っ張られベッドにぼすん、と落ちる。
「あ、あの、一方通行……さん?」
一方通行に抱きしめたまま聞くが当の本人はまたもや寝てしまった。
白い上着を着ていたせいか抱き枕と間違えられたらしい。
一方通行さんはもしや萌え天然ボケキャラか何かなのでしょうか、と心の中で突っ込む。
本人の目の前では絶対に言わないけどそう思った。
あとあきらも年頃の女子である。
向こうに全く意識はないとはいえ……こうベッドで抱きしめられるのは恥ずかしいと思うのと同時にうとうとと睡魔がやってくる。
(だめ……起きなきゃ……)
と抵抗するも虚しくあきらはあっという間に寝てしまった。
「あ?」
窓からの日差しで目が覚めた一方通行は隣にあきらが寝ているのに気づきしかめっ面をした。
「こいつまた潜り込んでやがる」
ちなみに先ほど呟いた言葉をそのままあきらに言うとむすっとした顔で『いやそうかもしれないんだけどそもそも今日はーー』と不服だと諸に感情が謙虚に出る。
昨日あきらがあまりにも帰ってくるのが遅い為不機嫌になった一方通行は自室に戻らずあきらのベッドで寝ていたことについては全く反省してるよしもない。
実は今回のようなパターンは初めてではない。
今回は一方通行が寝ぼけた事が原因だがあきらも寝ぼけていた事もあった。
そうそれは今日みたいな夜遅くに帰ってくる時のことで。
(またアルバイトか)
一方通行は名前の顔に手を伸ばし頬を引っ張ったがそれでも起きる様子はまるでない。
脳を酷使したのかこうなると恐らく半日は起きないだろう。
ぐにぐにと触りながら一方通行はそのアルバイトとやらについて考えていた。
あきらはそのアルバイトについて一方通行に聞かれると探し物と軽く誤魔化した。
犬やら猫の捜索みたいなもんだよ、と答えたあきらだったが一方通行は嘘だと見抜いた。
(アンチスキルか風紀委員の協力か?
アンチスキルはまずねェな、あいつらは学生の協力は求めねェ
なら風紀委員か?いや風紀委員ならそう言えばいい、となると……)
一方通行は自分がかつて育った環境を連想した。
思い付くのはそこだ、あきらの生い立ちからして手伝っている理由も予想がつく。
問題はそのアルバイトとやらの内容だ。
(あいつは戦闘向きの能力じゃねェ
任されてんのは情報収集か?)
学園都市の闇は深い、非戦闘員のこいつが戦闘に巻き込まれないといいが……と思って一方通行は舌打ちした。
(ンなことどうして俺が心配しなきゃならねェんだ
こいつがどうなろうと俺には全く……)
どうでもいいと思っているはずなのに一方通行の手はあきらから離れなかった。
(つーか俺も大概じゃねェか)
口外禁止の参加している実験、当然あきらにも言っていない。
(もしあれを知られたら)
あきらはどんな顔をするだろうか。
一方通行はあの実験の事を最強の更に上レベル6になるための必要な事だと感じていたしその上で犠牲者も全く顧みていなかったはずなのに。
無意識に、怖い、と感じていた。
真実を知ってあきらが自分の事を拒絶して離れていくんじゃないかと恐れていた。
(くそ、なンだ、これー)
心臓を捕まれたように胸が痛い。
「チッ」
一方通行は寝そべり衝動的にあきらの体を引き寄せてあきらの頭を自分の胸に埋める。
あきらからは少しくぐもった声が聞こえたが一方通行は気にせず彼女の体を抱きしめた。
するとさっきまで痛かった痛みが少し和らいだ気がした。
出会った頃にはとても考えられない感情に一方通行は戸惑いつつあった。
その感情の答えに気づかないまま一方通行はあきらと出会った時を思い出す。
数時間前まで賑やかだったのが嘘みたいに静まっていた。
それも当然今時刻は午前0時を回ったばっかりである。
この時間に彷徨いているのは荒くれ者か自分と似たような境遇の者だろう。
と考えながら歩いていると目的地に着いたようだ。
そしてあきらはポケットから携帯を出しある番号に電話をかけた。
「着きました」
『何か痕跡らしき物はありますか?』
あきらは小型の懐中電灯を点け地面を照らし携帯を耳に当てながら路地裏を観察した。
「もう大方証拠隠滅……って感じですけど…あ」
と言いかけて名前は路地裏の隅っこに黒ずんだ欠片を見つける。
もしや……と思い手袋を外して触ってみると……ビンゴ。
「…………火炎放射の能力者の事件ですね
無能力者を狙ったみたいですが……
これはアンチスキルか風紀委員向けでは?」
『そこで問題にされるとまずいのですよ
逃走先は分かりますか?』
ここでいう逃走先とは加害者ではなく被害者の方だ。
恐らく問題を起こした側の学生がどこぞのお偉いさんの子供なのだろう、そこでこちらに回ってきたということだ。
あきらはぺたぺたと地面や壁を触って無能力者が行きそうな候補を上げた。
そして電話の男は短く、ご苦労様でした、とだけ言うと通話は切れてしまった。
これで本来法観点なら保護されるべき人物はあきらの知らないところで人知れず姿を消すだろう、永久に。
「……公にされると問題だから資金を打ち止めにするとか多分そんな感じだろうけど……」
と呟いてあきらはその場を後にした。
暗部。
それは学園都市に存在する闇だ。
表沙汰には出来ない事件を揉み消したり色々したり……とまぁろくでもないところである。
あきらはそんなろくでもない所から依頼を受けていた。
とはいえ暗部組織の正規メンバーではなくあくまでもそのサポートの下働きである。
そんな下働きでも結構金払いはよくこの仕事のおかけで生活面は結構余裕がある。
しかし……疲れた。
能力を行使すると脳に大量の情報が流れこんでくる上にどの情報が必要なのかピックアップしないといけない為非常に疲れるのだ。
時計を見ればもう午前2時を回っていた……もう寝てしまいたい……。
部屋に帰ると一方通行が居たらしき痕跡が残っていた。
しかしリビングは真っ暗だし既に帰ってしまったのだろうか、と考えてあきらは欠伸をした。
「寝よう」
もう一秒も待ってられないとベッドに向かうと何と一方通行が先に寝ていた。
「…………何で?」
何故自分の部屋じゃないのにこうぐーすかと寝ているのかと文句を言いたくなるが一方通行の目覚めは実はあまり良くない。
下手に刺激するといけないと判断してソファで寝ようと踵を返すとむくりと一方通行が起きた。
おはようと返すよりも前に一方通行はぽつりと呟く。
「枕……」
服を引っ張られベッドにぼすん、と落ちる。
「あ、あの、一方通行……さん?」
一方通行に抱きしめたまま聞くが当の本人はまたもや寝てしまった。
白い上着を着ていたせいか抱き枕と間違えられたらしい。
一方通行さんはもしや萌え天然ボケキャラか何かなのでしょうか、と心の中で突っ込む。
本人の目の前では絶対に言わないけどそう思った。
あとあきらも年頃の女子である。
向こうに全く意識はないとはいえ……こうベッドで抱きしめられるのは恥ずかしいと思うのと同時にうとうとと睡魔がやってくる。
(だめ……起きなきゃ……)
と抵抗するも虚しくあきらはあっという間に寝てしまった。
「あ?」
窓からの日差しで目が覚めた一方通行は隣にあきらが寝ているのに気づきしかめっ面をした。
「こいつまた潜り込んでやがる」
ちなみに先ほど呟いた言葉をそのままあきらに言うとむすっとした顔で『いやそうかもしれないんだけどそもそも今日はーー』と不服だと諸に感情が謙虚に出る。
昨日あきらがあまりにも帰ってくるのが遅い為不機嫌になった一方通行は自室に戻らずあきらのベッドで寝ていたことについては全く反省してるよしもない。
実は今回のようなパターンは初めてではない。
今回は一方通行が寝ぼけた事が原因だがあきらも寝ぼけていた事もあった。
そうそれは今日みたいな夜遅くに帰ってくる時のことで。
(またアルバイトか)
一方通行は名前の顔に手を伸ばし頬を引っ張ったがそれでも起きる様子はまるでない。
脳を酷使したのかこうなると恐らく半日は起きないだろう。
ぐにぐにと触りながら一方通行はそのアルバイトとやらについて考えていた。
あきらはそのアルバイトについて一方通行に聞かれると探し物と軽く誤魔化した。
犬やら猫の捜索みたいなもんだよ、と答えたあきらだったが一方通行は嘘だと見抜いた。
(アンチスキルか風紀委員の協力か?
アンチスキルはまずねェな、あいつらは学生の協力は求めねェ
なら風紀委員か?いや風紀委員ならそう言えばいい、となると……)
一方通行は自分がかつて育った環境を連想した。
思い付くのはそこだ、あきらの生い立ちからして手伝っている理由も予想がつく。
問題はそのアルバイトとやらの内容だ。
(あいつは戦闘向きの能力じゃねェ
任されてんのは情報収集か?)
学園都市の闇は深い、非戦闘員のこいつが戦闘に巻き込まれないといいが……と思って一方通行は舌打ちした。
(ンなことどうして俺が心配しなきゃならねェんだ
こいつがどうなろうと俺には全く……)
どうでもいいと思っているはずなのに一方通行の手はあきらから離れなかった。
(つーか俺も大概じゃねェか)
口外禁止の参加している実験、当然あきらにも言っていない。
(もしあれを知られたら)
あきらはどんな顔をするだろうか。
一方通行はあの実験の事を最強の更に上レベル6になるための必要な事だと感じていたしその上で犠牲者も全く顧みていなかったはずなのに。
無意識に、怖い、と感じていた。
真実を知ってあきらが自分の事を拒絶して離れていくんじゃないかと恐れていた。
(くそ、なンだ、これー)
心臓を捕まれたように胸が痛い。
「チッ」
一方通行は寝そべり衝動的にあきらの体を引き寄せてあきらの頭を自分の胸に埋める。
あきらからは少しくぐもった声が聞こえたが一方通行は気にせず彼女の体を抱きしめた。
するとさっきまで痛かった痛みが少し和らいだ気がした。
出会った頃にはとても考えられない感情に一方通行は戸惑いつつあった。
その感情の答えに気づかないまま一方通行はあきらと出会った時を思い出す。