今吉短編
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「……先輩、今吉先輩、聞いてますか?」
「ん、おお、すまん、ちょっと考え事しとって聞いてなかったわ」
それに対してあきらは少しむっとした表情になった。
今吉が大学に進学して少し経ち、独り暮らしも慣れてきたというので今日はちょっとお邪魔していたのだが。
大学生と高校生、中々会うタイミングがなくようやくデートできたというのに、この男は。
「それで何の話やったっけ?」
「……別に大した事じゃないのでいいです
あの差し支えなかったらでいいのですが考え事って何ですか?」
んーと今吉は悩む素振りをして素直に答えた。
「いや、自分のことなんやけどな」
「?私のことですか?」
「そうそう、あ、そんな固くせんで大丈夫やで
で、本題やねんけどな
あきら、普段わしのこと呼ぶ時どう呼んどる?」
「そんなの今吉先輩に決まって……あ」
といいかけてからずっと苗字呼びをしていたことに気づく。
「あんまあきらってわしのこと名前で呼んだことないやろ」
「そうですね、前から先輩呼び慣れしてたのでそれに慣れてしまったからでしょうか……
つまり名前で呼んでほしいってことですか?」
「せや、付き合って数ヶ月経つしそろそろ呼んでほしいちゅーか」
あきらの性格は承知の上で今吉は話を切り出している。
名前を呼ぶのが恥ずかしい事も分かった上で呼んでほしいのだ。
「……まさかわしの名前知らんってことはないよな?」
知ってますよ、しょ……といいかけ今吉がニコニコしているのに気づき口を閉じた。
今吉は惜しい、と言わんばかりにあちゃーと言っている。
「……翔ぶと一って書くんですよね」
「そうそう、それでしょういちって読むんやけど……ってちゃうわ」
「ひっかけようとしても無駄ですよ」
「名前があかんならあだ名はどうや?
しょうくんでもしょうちゃんなんでもかまへんで」
あきらは軽く考えてみたがあまり良い案が浮かばない。
強いて言うならどこかの霧崎にいる人がよく言っている妖怪悟り眼鏡が一番しっくりくるけれど……
「それはあかん、いくらなんでも傷つくわー」
「何にも言ってませんて
あと、目開くのやめてください」
だからああいうあだ名がつくのである。
ふう、と空気をはいて背筋を直す。
「まぁ無理とはいわんし気長に呼んでくれるの待ってるわ」
え、と目を見開く。
「あの、今日じゃなくていいんですか?」
「ええよ、急かしてもしゃあないしな
あ、もしかしてどさくさに紛れて呼ぶつもりやったか?」
「ははは」
というものの目線が泳いでいるあきらに今吉はくすりと笑う。
「……じゃあいつどのタイミングで言ってもいいって事ですよね、翔一さん」
「………………」
「………………」
今吉は口元に手をおいたまま沈黙してしまいあまりにもそれが長かった為あきらは痺れを切らした。
「あの……?」
すると今吉はせきをきったかのように笑いだした。
「すまんすまん
予想以上にあかんかったわ」
「そ、それって嬉しくないってことですか、」
「あーちゃうちゃう
めっちゃ嬉しいで、嬉しすぎて衝撃がな……
てか自分そこでいうか?」
「い、いいじゃないですか、どこで言おうと」
あきらはふてくれたのかぷいっと顔を横に曲げた。
「あきら」
「……なんですか」
ちらりと横目でみると今吉は人差し指をぴんとたてる。
「もっかい名前で呼んでくれへん?」
「……いやです」
「えーけちやな、お願いて」
「駄目です、また今度」
「今度ゆうことは次名前呼んでくれるのは確定事項ということやな」
ありがとう、と微笑まれあきらは顔を赤くした。
「ん、おお、すまん、ちょっと考え事しとって聞いてなかったわ」
それに対してあきらは少しむっとした表情になった。
今吉が大学に進学して少し経ち、独り暮らしも慣れてきたというので今日はちょっとお邪魔していたのだが。
大学生と高校生、中々会うタイミングがなくようやくデートできたというのに、この男は。
「それで何の話やったっけ?」
「……別に大した事じゃないのでいいです
あの差し支えなかったらでいいのですが考え事って何ですか?」
んーと今吉は悩む素振りをして素直に答えた。
「いや、自分のことなんやけどな」
「?私のことですか?」
「そうそう、あ、そんな固くせんで大丈夫やで
で、本題やねんけどな
あきら、普段わしのこと呼ぶ時どう呼んどる?」
「そんなの今吉先輩に決まって……あ」
といいかけてからずっと苗字呼びをしていたことに気づく。
「あんまあきらってわしのこと名前で呼んだことないやろ」
「そうですね、前から先輩呼び慣れしてたのでそれに慣れてしまったからでしょうか……
つまり名前で呼んでほしいってことですか?」
「せや、付き合って数ヶ月経つしそろそろ呼んでほしいちゅーか」
あきらの性格は承知の上で今吉は話を切り出している。
名前を呼ぶのが恥ずかしい事も分かった上で呼んでほしいのだ。
「……まさかわしの名前知らんってことはないよな?」
知ってますよ、しょ……といいかけ今吉がニコニコしているのに気づき口を閉じた。
今吉は惜しい、と言わんばかりにあちゃーと言っている。
「……翔ぶと一って書くんですよね」
「そうそう、それでしょういちって読むんやけど……ってちゃうわ」
「ひっかけようとしても無駄ですよ」
「名前があかんならあだ名はどうや?
しょうくんでもしょうちゃんなんでもかまへんで」
あきらは軽く考えてみたがあまり良い案が浮かばない。
強いて言うならどこかの霧崎にいる人がよく言っている妖怪悟り眼鏡が一番しっくりくるけれど……
「それはあかん、いくらなんでも傷つくわー」
「何にも言ってませんて
あと、目開くのやめてください」
だからああいうあだ名がつくのである。
ふう、と空気をはいて背筋を直す。
「まぁ無理とはいわんし気長に呼んでくれるの待ってるわ」
え、と目を見開く。
「あの、今日じゃなくていいんですか?」
「ええよ、急かしてもしゃあないしな
あ、もしかしてどさくさに紛れて呼ぶつもりやったか?」
「ははは」
というものの目線が泳いでいるあきらに今吉はくすりと笑う。
「……じゃあいつどのタイミングで言ってもいいって事ですよね、翔一さん」
「………………」
「………………」
今吉は口元に手をおいたまま沈黙してしまいあまりにもそれが長かった為あきらは痺れを切らした。
「あの……?」
すると今吉はせきをきったかのように笑いだした。
「すまんすまん
予想以上にあかんかったわ」
「そ、それって嬉しくないってことですか、」
「あーちゃうちゃう
めっちゃ嬉しいで、嬉しすぎて衝撃がな……
てか自分そこでいうか?」
「い、いいじゃないですか、どこで言おうと」
あきらはふてくれたのかぷいっと顔を横に曲げた。
「あきら」
「……なんですか」
ちらりと横目でみると今吉は人差し指をぴんとたてる。
「もっかい名前で呼んでくれへん?」
「……いやです」
「えーけちやな、お願いて」
「駄目です、また今度」
「今度ゆうことは次名前呼んでくれるのは確定事項ということやな」
ありがとう、と微笑まれあきらは顔を赤くした。
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