乾短編夢
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(乾……乾……)
ざわざわと混雑する生徒の波をかき分け私は同級生の乾貞治を探していた。
乾貞治とは一年時同じクラスメイトの友達だ。
二年に上がりクラスが割り振られたのだが奇跡的にもまた同じクラスだった。
また同じクラスになれたのが嬉しくてその姿を探しているのだが中々見つからない。
あの特徴的な髪型だ、後ろから見ても見つかるはずなのだが……
もしかして既に教室に行ってしまったのだろうか?と思っていると後ろから背中をつんつんとつつかれた。
振り返ると視界に映ったのは何かの黒だった。
思わず後ずさるとそれが学ランであることに気付きその上を見上げると背の高い男子が立ったっていた。
「やあ」
「わあーー!!!」
急にデカイのが現れ思わず声をあげてしまう。
「誰!?」
「落ち着いて、俺だよ、俺」
俺?と呼吸を落ち着けてまじまじを見るとどこから見ても透けない眼鏡が一つ。
「い、乾?」
「おはよう」
「まじで気がつかなかった……」
姿も声も変わっていた。
最後あった時は年度末のはずだがこんな短期間で伸びるとは、タケノコな何かか?
「今君が俺のことタケノコか何かと思っている確率……100%」
「ごめんって……
にしてもほんと伸びたね……」
元々身長の高かった方の乾だがそれにしても高い。
「成長期だからね、あっでもまだ伸びると思うよ」
「え、まだ……?」
もう十分高いのにまだ伸びるというのか。
もしかして電柱くらいまで伸びたり……して。
「……流石に電柱までは伸びないよ」
乾は眼鏡をくいっと押している。
どうやらふざけすぎてしまったようだ。
謝りつつ教室に行こうと誘うと乾は足を止めた。
「乾?」
気付けば周りにいた生徒はもう教室に向かっていて乾と私、二人だけが取り残されていた。
「俺のこと、怖く、ない?」
そう言った乾はどこか不安そうなように見えた。
どこか世界に一人だけポツンと取り残された人物のような。
そんな彼の不安を取り除きたい、と私は乾の手を両手で握っていた。
「怖くないよ」
「本当……?」
「うん、どれだけ身長が高くなろうと……乾は乾だよ、それ以外の何ものでもない
もっと身長が伸びたとしても乾に対する思いは変わらない」
真っ直ぐに乾の目を見つめていうと乾は、そうか、とほっとしたような顔をした。
「ところで……」
「うん?」
「その、」
俺に対する思いってーー何なのかと問いただそうとすると学校のチャイムが鳴り出した。
きんこーんかんこーんと鳴ると同時に残っていた生徒を発見した教員がこちらに走ってきた。
「まずい……乾、急ごう!」
「あっ、ちょっ」
そのまま乾の手を引っ張って走る彼女に乾は頬を僅かに緩めた。
今はまだこの曖昧な関係のままで。
ざわざわと混雑する生徒の波をかき分け私は同級生の乾貞治を探していた。
乾貞治とは一年時同じクラスメイトの友達だ。
二年に上がりクラスが割り振られたのだが奇跡的にもまた同じクラスだった。
また同じクラスになれたのが嬉しくてその姿を探しているのだが中々見つからない。
あの特徴的な髪型だ、後ろから見ても見つかるはずなのだが……
もしかして既に教室に行ってしまったのだろうか?と思っていると後ろから背中をつんつんとつつかれた。
振り返ると視界に映ったのは何かの黒だった。
思わず後ずさるとそれが学ランであることに気付きその上を見上げると背の高い男子が立ったっていた。
「やあ」
「わあーー!!!」
急にデカイのが現れ思わず声をあげてしまう。
「誰!?」
「落ち着いて、俺だよ、俺」
俺?と呼吸を落ち着けてまじまじを見るとどこから見ても透けない眼鏡が一つ。
「い、乾?」
「おはよう」
「まじで気がつかなかった……」
姿も声も変わっていた。
最後あった時は年度末のはずだがこんな短期間で伸びるとは、タケノコな何かか?
「今君が俺のことタケノコか何かと思っている確率……100%」
「ごめんって……
にしてもほんと伸びたね……」
元々身長の高かった方の乾だがそれにしても高い。
「成長期だからね、あっでもまだ伸びると思うよ」
「え、まだ……?」
もう十分高いのにまだ伸びるというのか。
もしかして電柱くらいまで伸びたり……して。
「……流石に電柱までは伸びないよ」
乾は眼鏡をくいっと押している。
どうやらふざけすぎてしまったようだ。
謝りつつ教室に行こうと誘うと乾は足を止めた。
「乾?」
気付けば周りにいた生徒はもう教室に向かっていて乾と私、二人だけが取り残されていた。
「俺のこと、怖く、ない?」
そう言った乾はどこか不安そうなように見えた。
どこか世界に一人だけポツンと取り残された人物のような。
そんな彼の不安を取り除きたい、と私は乾の手を両手で握っていた。
「怖くないよ」
「本当……?」
「うん、どれだけ身長が高くなろうと……乾は乾だよ、それ以外の何ものでもない
もっと身長が伸びたとしても乾に対する思いは変わらない」
真っ直ぐに乾の目を見つめていうと乾は、そうか、とほっとしたような顔をした。
「ところで……」
「うん?」
「その、」
俺に対する思いってーー何なのかと問いただそうとすると学校のチャイムが鳴り出した。
きんこーんかんこーんと鳴ると同時に残っていた生徒を発見した教員がこちらに走ってきた。
「まずい……乾、急ごう!」
「あっ、ちょっ」
そのまま乾の手を引っ張って走る彼女に乾は頬を僅かに緩めた。
今はまだこの曖昧な関係のままで。
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