乾貞治はデータのためなら!?
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「それで話とは何だ?貞治」
とある喫茶店に乾に呼び出された柳はコーヒーカップを机に置き聞いた。
「蓮二、実は……」
乾は神妙な表情で経緯を説明した。
「なるほど……」
概要を聞いた柳は顎に手をかけてどう助言したものか……と思案した。
どうやら乾はテニス部のマネージャーであるあきらが柳に恋をしているのではと思っているらしい。
「つまり彼女が俺のことを好きだと言っていたのか?」
「いや、本人の口からは聞いていない
あくまで俺の推察だ」
キリッと答える乾だがその推察は間違っているのでは……?と柳は思った。
他の学校の偵察や全国大会で顔は合わせた事はあるが何か特別な好意を受け取った記憶はない。
その後に気になった……というのならまだ可能性はあるが……。
「なぜそう思ったんだ?」
「この一週間周りの人間関係を調べたが俺の知る限り青学には当てはまる人物はいなかった
なら学校外ということで蓮二が当てはまったたいうことだ」
「そうか」
(自分は数にはカウントしていないのか貞治……)
「それで貞治
それを俺に言ってどうするんだ?」
と言われ乾はその先の事を全く考えていない事に気づいた。
「あ、いや……それは……考えていなかったな」
これは重症だ、と柳は思った。
本人は単にデータの収集の為に気になっていると思い込んでいるようだが柳は違うと感じた。
友の鈍感さにくすりと笑いつつ柳はあえてゆさぶりをかけてみることにした。
「例えば俺が彼女の好意に答えると言ったらどうする?」
「それはおうえ」
応援するよ、と言おうとした乾だったが言葉に詰まってしまった。
「?」
どうしても途中までしか言えず乾は混乱した。
同級生であるあきらと親友が付き合う、こんなにも喜ばしいはずなのに想定しただけで胸がざわつく理由が分からない。
「貞治どうした」
「……すまない、蓮二
親友なら喜ぶのが当たり前なのに俺は……その一言がどうしても言えない」
「その理由が分からない、か?」
「ああ、蓮二は分かるのか?」
柳は頷く。
「この答えに名前をつけるのは些かあれだが……
仕方あるまい
それはな……恋というものだ」
恋?そんなの乾だって知っている。
蓮二は俺が五十嵐に恋してるって言いたいのか?
そんな乾にふいに声がかかった。
「乾?」
喫茶店のガラス越しに少しくぐもった聞き覚えのある声。
声の方向にはマネージャーであるあきらが店の外側に立っていた。
恐らく買い物の途中だったのだろう、制服でも体操服でもない私服の姿に乾は胸が締め付けられる感覚を覚えた。
そしてガラスに映る自分の姿を見て。
改めて自分の思いに気づいた。
(そうか、そういうことだったのか
それにしても俺はこういう表情をしていたのか)
なるほど蓮二が時折妙な表情をしているわけだ。
「貞治、お前の推察だかな
あれは間違っていると思うぞ」
柳は確信と共に答える。
(目の前にいる男に夢中だからな)
と柳は胸の中で付け足した。
とある喫茶店に乾に呼び出された柳はコーヒーカップを机に置き聞いた。
「蓮二、実は……」
乾は神妙な表情で経緯を説明した。
「なるほど……」
概要を聞いた柳は顎に手をかけてどう助言したものか……と思案した。
どうやら乾はテニス部のマネージャーであるあきらが柳に恋をしているのではと思っているらしい。
「つまり彼女が俺のことを好きだと言っていたのか?」
「いや、本人の口からは聞いていない
あくまで俺の推察だ」
キリッと答える乾だがその推察は間違っているのでは……?と柳は思った。
他の学校の偵察や全国大会で顔は合わせた事はあるが何か特別な好意を受け取った記憶はない。
その後に気になった……というのならまだ可能性はあるが……。
「なぜそう思ったんだ?」
「この一週間周りの人間関係を調べたが俺の知る限り青学には当てはまる人物はいなかった
なら学校外ということで蓮二が当てはまったたいうことだ」
「そうか」
(自分は数にはカウントしていないのか貞治……)
「それで貞治
それを俺に言ってどうするんだ?」
と言われ乾はその先の事を全く考えていない事に気づいた。
「あ、いや……それは……考えていなかったな」
これは重症だ、と柳は思った。
本人は単にデータの収集の為に気になっていると思い込んでいるようだが柳は違うと感じた。
友の鈍感さにくすりと笑いつつ柳はあえてゆさぶりをかけてみることにした。
「例えば俺が彼女の好意に答えると言ったらどうする?」
「それはおうえ」
応援するよ、と言おうとした乾だったが言葉に詰まってしまった。
「?」
どうしても途中までしか言えず乾は混乱した。
同級生であるあきらと親友が付き合う、こんなにも喜ばしいはずなのに想定しただけで胸がざわつく理由が分からない。
「貞治どうした」
「……すまない、蓮二
親友なら喜ぶのが当たり前なのに俺は……その一言がどうしても言えない」
「その理由が分からない、か?」
「ああ、蓮二は分かるのか?」
柳は頷く。
「この答えに名前をつけるのは些かあれだが……
仕方あるまい
それはな……恋というものだ」
恋?そんなの乾だって知っている。
蓮二は俺が五十嵐に恋してるって言いたいのか?
そんな乾にふいに声がかかった。
「乾?」
喫茶店のガラス越しに少しくぐもった聞き覚えのある声。
声の方向にはマネージャーであるあきらが店の外側に立っていた。
恐らく買い物の途中だったのだろう、制服でも体操服でもない私服の姿に乾は胸が締め付けられる感覚を覚えた。
そしてガラスに映る自分の姿を見て。
改めて自分の思いに気づいた。
(そうか、そういうことだったのか
それにしても俺はこういう表情をしていたのか)
なるほど蓮二が時折妙な表情をしているわけだ。
「貞治、お前の推察だかな
あれは間違っていると思うぞ」
柳は確信と共に答える。
(目の前にいる男に夢中だからな)
と柳は胸の中で付け足した。
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