乾貞治はデータのためなら!?
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あきらは朝机ですうすうと寝息を立てて寝ていると携帯の振動で僅かにうっすらと目蓋を開けた。
ぼんやりとしながら振動の元の携帯に手を伸ばし電話に出る。
「もしもし……」
『乾だ』
「いぬい……?」
半覚醒を察したのか向こうは状況を説明するべく手短に話した。
「五十嵐今何時だ?」
「今……?」
机の上に置いてある時計をみると、そこには既に10時を過ぎていた。
10時、10時……?
さあああ、と顔が真っ青になる。
「っっっっ、ごめん!!!
今すぐに行く!!」
「分かった、部長に伝えておくが……
気をつけてこいよ」
あきらは乾に謝り電話を切った。
急いで出掛けなければ、ああもう何だってこういう日に限って寝坊なんてしてしまうのか。
いや、後悔してももう遅い、とにかく着替えなければ。
今日は大会当日だっていうのに……!!
自分の不甲斐なさに腹を立てる。
「あ、いけないいけない、これ持ってかなきゃ」
着替え終わったあきらは部屋を出ようとして一つ忘れている事に気づき机に置いてある一冊のノートを鞄にいれて家を出た。
「五十嵐おはよう」
「い、乾、おはよう……」
「こってり怒られた?」
「そりゃあ、もう……」
五十嵐は試合会場に着くと真っ先に部長の元へと急いだ。
予想通りめちゃくちゃ怒られた。
「ほんっとごめん、電話までかけてもらって……」
「ああ、いいよ
うっかりは誰にでもあることだ
それで五十嵐、遅刻の理由は何?」
「き、聞いたところで評価が変わるわけでもなし……それに言い訳にしか……」
「五十嵐は理由なしに寝坊するタイプでもない
何か訳があったんだろう?」
聞かせてくれ、と乾は言う。
乾は責めているわけではなさそうだった。
その声色が優しかったせいかあきらは正直に話す。
「……これ、書いてたの」
あきらは鞄から一冊のノートを取り出す。
乾はそのノートを受け取りパラパラと捲ると意外そうに驚いた。
「これは……」
「乾のやつを参考に自分なりに纏めてみたの
っていってもそんな上出来じゃないと思うけど……」
「そんなことない、これはいいデータだ
勿論まだ未完成なところはあるが……突き詰めれればいい物になると思うよ」
「…………そ、そう?ありがとう」
あきらは恥ずかしそうに目をそらした。
「……で、これを書いてたらいつの間に寝てて寝坊したってわけか」
「面目ない……
こないだ乾にちゃんと寝てって言ったのに書いてたらなんか時間忘れちゃって……」
乾はあるあるそういうの、と笑った。
「でも急にどうしたんだ」
「どうって……自分でやろうかなって」
「どうして?」
あきらは乾から視線を外す。
「こないだ……乾が寝る間も惜しんでやってたから……
その、肩代わりっていうか……乾の負担減らせないかなって……」
「五十嵐……」
てっきり部長にでも指示を受けたかと予想していた乾はぽかんと口を開ける。
「俺の……為?」
「あ、いや、乾っていうか、部、全体の為っていうか……ね!?」
わたわたとあきらが慌てる。
恥ずかしさからか顔が真っ赤だ。
「でも俺別にこれは苦でもないよ?
好きでやってる事だからね」
「あーーそ、そっか……」
でも……と乾は続ける。
「俺を気遣ってくれた事はすごく嬉しい
ありがとう五十嵐」
あきらはちらりと乾を見て良かったと、微笑んだ。
ぼんやりとしながら振動の元の携帯に手を伸ばし電話に出る。
「もしもし……」
『乾だ』
「いぬい……?」
半覚醒を察したのか向こうは状況を説明するべく手短に話した。
「五十嵐今何時だ?」
「今……?」
机の上に置いてある時計をみると、そこには既に10時を過ぎていた。
10時、10時……?
さあああ、と顔が真っ青になる。
「っっっっ、ごめん!!!
今すぐに行く!!」
「分かった、部長に伝えておくが……
気をつけてこいよ」
あきらは乾に謝り電話を切った。
急いで出掛けなければ、ああもう何だってこういう日に限って寝坊なんてしてしまうのか。
いや、後悔してももう遅い、とにかく着替えなければ。
今日は大会当日だっていうのに……!!
自分の不甲斐なさに腹を立てる。
「あ、いけないいけない、これ持ってかなきゃ」
着替え終わったあきらは部屋を出ようとして一つ忘れている事に気づき机に置いてある一冊のノートを鞄にいれて家を出た。
「五十嵐おはよう」
「い、乾、おはよう……」
「こってり怒られた?」
「そりゃあ、もう……」
五十嵐は試合会場に着くと真っ先に部長の元へと急いだ。
予想通りめちゃくちゃ怒られた。
「ほんっとごめん、電話までかけてもらって……」
「ああ、いいよ
うっかりは誰にでもあることだ
それで五十嵐、遅刻の理由は何?」
「き、聞いたところで評価が変わるわけでもなし……それに言い訳にしか……」
「五十嵐は理由なしに寝坊するタイプでもない
何か訳があったんだろう?」
聞かせてくれ、と乾は言う。
乾は責めているわけではなさそうだった。
その声色が優しかったせいかあきらは正直に話す。
「……これ、書いてたの」
あきらは鞄から一冊のノートを取り出す。
乾はそのノートを受け取りパラパラと捲ると意外そうに驚いた。
「これは……」
「乾のやつを参考に自分なりに纏めてみたの
っていってもそんな上出来じゃないと思うけど……」
「そんなことない、これはいいデータだ
勿論まだ未完成なところはあるが……突き詰めれればいい物になると思うよ」
「…………そ、そう?ありがとう」
あきらは恥ずかしそうに目をそらした。
「……で、これを書いてたらいつの間に寝てて寝坊したってわけか」
「面目ない……
こないだ乾にちゃんと寝てって言ったのに書いてたらなんか時間忘れちゃって……」
乾はあるあるそういうの、と笑った。
「でも急にどうしたんだ」
「どうって……自分でやろうかなって」
「どうして?」
あきらは乾から視線を外す。
「こないだ……乾が寝る間も惜しんでやってたから……
その、肩代わりっていうか……乾の負担減らせないかなって……」
「五十嵐……」
てっきり部長にでも指示を受けたかと予想していた乾はぽかんと口を開ける。
「俺の……為?」
「あ、いや、乾っていうか、部、全体の為っていうか……ね!?」
わたわたとあきらが慌てる。
恥ずかしさからか顔が真っ赤だ。
「でも俺別にこれは苦でもないよ?
好きでやってる事だからね」
「あーーそ、そっか……」
でも……と乾は続ける。
「俺を気遣ってくれた事はすごく嬉しい
ありがとう五十嵐」
あきらはちらりと乾を見て良かったと、微笑んだ。