番外編
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三学期の期末試験を終え、卒業式を控えた2月頃。
試験も終わり、テニス部を引退したこともありしばしの自由を得た海堂はとある遊園地のチケットを手に昼休み中、あきらのいる教室を訪れた。
教室の戸を前に海堂は深呼吸して言うべき言葉を脳内で繰り返す。
(偶然遊園地のチケット手に入ったから……
いや、ここは堂々と言うべきか??)
立ち止まった海堂を不審げに見る周りの生徒の視線に気づき、ともかく人気のない場所に来てもらおう、と戸を開けると。
なんとその目に映ったのはあきらと楽しげに話している桃城の姿だった。
(な…………!?!?桃城!?)
そういえば、三年からは桃城はあきらと同じクラスだった。
しかし、あきらには一年からの友人がいて普段はその友人と昼食を食べていたはずだが……(部長相談会という名の海堂と話す日を除いて)
あきらの真向かいの席に座りなにやら楽しそうに談笑している桃城とふと目が合い、慌ててチケットをポケットに入れる。
桃城はそのままニヤリと笑い海堂を無視して話を続けた。
(野郎!!!!!)
怒りのあまり、持っていたチケットをぐしゃりと握りつぶす。
このままじっとしていられるはずもなく、ずかずかと大股であきらの席へと向かう。
「おい」
「あれ?海堂、どうしたの?」
あきらは弁当を既に食べ終わっていて片付けているところだった。
「ちょっとこい」
「えっ、ちょ、」
海堂に手を引っ張られ、ふと桃城を見るとヒラヒラ手を振りいってら~~~とへらへら笑っていた。
人気のない場所に連れてこられたあきらは海堂に壁に追い詰められていた。
「か、海堂……?どうしたの?」
「……どうしたもこうもしねぇ
なんで桃城のヤローと飯食ってたんだ」
しかも楽しそうに、と思い出すとイライラして海堂は拳を握りしめる。
それに対しあきらは少し言いづらそうな表情をして、海堂は胸に何か刺さったような感覚がした。
そんな、いい淀むようなことなのか、とショックを受けた海堂にあきらはぽつりと事情を話した。
「……ちゃん、高校受験するんだって」
「は??」
何故唐突にあきらの友人の話が出てくるのかと怪訝な表情にあきらはちゃんと関連あるから、と付け足した。
「それで、今日のお昼先生と面接の練習するらしくて私一人でご飯食べてたんだけど
高校からはもしかしてずっと一人で食べることになるのかなって思ってたら……なんか急に悲しくなってきちゃって
そもそも高校いくのだって知らなかったし
そんなで何か泣きそうになってたら……
急に桃城が一緒に飯食おーぜ!!って無理やり前の席座りだしてね」
桃城はその辺の事情に気づいていたらしく、自分の先輩も似たような事が起こっていたと話していたらしい。
それは恐らく自分の一個上の先輩である大石先輩と菊丸先輩の事だろう。
「多分励まそうとしてくれてたのかな
あんまり気を負わないように直接関係しないこと話してくれて」
「……何を話してたんだ?」
と聞くとあきらはちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「……その、テニス部の普段の海堂の様子……とか」
「……!」
「桃城は、えーーとなんでそんなの俺が話さなきゃいけねーんだよ、的なこと言ってたけど
しぶしぶ話してくれてたよ」
「そ、そうか……」
まさか自分について話していたのは露にも思わず海堂は顔を背けた。
「あ、そうだ
わざわざ教室に来たってことは何か用事あった?」
「あ……」
当初の目的を思いだし海堂はズボンのポケットの中のチケットを取りだしたがその肝心のチケットは握りつぶしてしまった為くしゃくしゃになっていた。
「その、悪ぃ
春休み遊園地にでもと思ったんだが……
こんなくしゃくしゃじゃ……」
再びポケットに戻そうとした海堂の手をあきらは両手で包み込んだ。
「別にくしゃくしゃでもいいよ
……それにこんなのになったのって
私が桃城と話してるの見て嫉妬してくれたんだよね?」
「っ」
気恥ずかしくて海堂はつい目線をそらしてしまう。
「……悪いか」
「ううん、全然、むしろ嬉しいよ
ありがとう、薫」
「なっ」
名前を呼ばれた海堂は目を大きく見開き顔を真っ赤にした。
「お、お前っ、学校じゃ言わない約束だろうがっ」
「それは二人きりじゃないからって話だったよね?
今は二人きりだけど……嫌?」
じっと上目遣いのあきらに海堂は更に湯気が出かねないほど顔を赤める。
「好きにしろ
……で、遊園地……行くか?……あきら」
「……!うん!行く!」
試験も終わり、テニス部を引退したこともありしばしの自由を得た海堂はとある遊園地のチケットを手に昼休み中、あきらのいる教室を訪れた。
教室の戸を前に海堂は深呼吸して言うべき言葉を脳内で繰り返す。
(偶然遊園地のチケット手に入ったから……
いや、ここは堂々と言うべきか??)
立ち止まった海堂を不審げに見る周りの生徒の視線に気づき、ともかく人気のない場所に来てもらおう、と戸を開けると。
なんとその目に映ったのはあきらと楽しげに話している桃城の姿だった。
(な…………!?!?桃城!?)
そういえば、三年からは桃城はあきらと同じクラスだった。
しかし、あきらには一年からの友人がいて普段はその友人と昼食を食べていたはずだが……(部長相談会という名の海堂と話す日を除いて)
あきらの真向かいの席に座りなにやら楽しそうに談笑している桃城とふと目が合い、慌ててチケットをポケットに入れる。
桃城はそのままニヤリと笑い海堂を無視して話を続けた。
(野郎!!!!!)
怒りのあまり、持っていたチケットをぐしゃりと握りつぶす。
このままじっとしていられるはずもなく、ずかずかと大股であきらの席へと向かう。
「おい」
「あれ?海堂、どうしたの?」
あきらは弁当を既に食べ終わっていて片付けているところだった。
「ちょっとこい」
「えっ、ちょ、」
海堂に手を引っ張られ、ふと桃城を見るとヒラヒラ手を振りいってら~~~とへらへら笑っていた。
人気のない場所に連れてこられたあきらは海堂に壁に追い詰められていた。
「か、海堂……?どうしたの?」
「……どうしたもこうもしねぇ
なんで桃城のヤローと飯食ってたんだ」
しかも楽しそうに、と思い出すとイライラして海堂は拳を握りしめる。
それに対しあきらは少し言いづらそうな表情をして、海堂は胸に何か刺さったような感覚がした。
そんな、いい淀むようなことなのか、とショックを受けた海堂にあきらはぽつりと事情を話した。
「……ちゃん、高校受験するんだって」
「は??」
何故唐突にあきらの友人の話が出てくるのかと怪訝な表情にあきらはちゃんと関連あるから、と付け足した。
「それで、今日のお昼先生と面接の練習するらしくて私一人でご飯食べてたんだけど
高校からはもしかしてずっと一人で食べることになるのかなって思ってたら……なんか急に悲しくなってきちゃって
そもそも高校いくのだって知らなかったし
そんなで何か泣きそうになってたら……
急に桃城が一緒に飯食おーぜ!!って無理やり前の席座りだしてね」
桃城はその辺の事情に気づいていたらしく、自分の先輩も似たような事が起こっていたと話していたらしい。
それは恐らく自分の一個上の先輩である大石先輩と菊丸先輩の事だろう。
「多分励まそうとしてくれてたのかな
あんまり気を負わないように直接関係しないこと話してくれて」
「……何を話してたんだ?」
と聞くとあきらはちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「……その、テニス部の普段の海堂の様子……とか」
「……!」
「桃城は、えーーとなんでそんなの俺が話さなきゃいけねーんだよ、的なこと言ってたけど
しぶしぶ話してくれてたよ」
「そ、そうか……」
まさか自分について話していたのは露にも思わず海堂は顔を背けた。
「あ、そうだ
わざわざ教室に来たってことは何か用事あった?」
「あ……」
当初の目的を思いだし海堂はズボンのポケットの中のチケットを取りだしたがその肝心のチケットは握りつぶしてしまった為くしゃくしゃになっていた。
「その、悪ぃ
春休み遊園地にでもと思ったんだが……
こんなくしゃくしゃじゃ……」
再びポケットに戻そうとした海堂の手をあきらは両手で包み込んだ。
「別にくしゃくしゃでもいいよ
……それにこんなのになったのって
私が桃城と話してるの見て嫉妬してくれたんだよね?」
「っ」
気恥ずかしくて海堂はつい目線をそらしてしまう。
「……悪いか」
「ううん、全然、むしろ嬉しいよ
ありがとう、薫」
「なっ」
名前を呼ばれた海堂は目を大きく見開き顔を真っ赤にした。
「お、お前っ、学校じゃ言わない約束だろうがっ」
「それは二人きりじゃないからって話だったよね?
今は二人きりだけど……嫌?」
じっと上目遣いのあきらに海堂は更に湯気が出かねないほど顔を赤める。
「好きにしろ
……で、遊園地……行くか?……あきら」
「……!うん!行く!」
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