番外編
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背景、お父さんお母さん。
今、私は……
修学旅行先の香港で迷子になっています。
…………
中学2年の秋、あきらは修学旅行で香港にやってきていた。
初めての空港、初めての飛行機……初めての海外に胸踊らせ滞在2日目の今日は香港を観光する予定になっていた。
友達と見たことない景色に談笑しながらあきらはこの場にいない海堂の事を思い浮かべた。
「やっぱり海堂くんと一緒に回りたかった?」
「えっ」
「ごめんね
……あきらはさ、一緒にいる機会多いだろうから怖くないんだろうけど……」
香港観光出来たらそりゃ海堂と一緒に回れる方が嬉しい。
でも修学旅行は団体行動だし名前がいる班はほとんど女子が占めていてそこに入ってほしい……なんてあきらは海堂に到底言えなかったし友達にも打ち明けていなかったけれど。
「……よく気づいたね」
「そりゃ顔に書いてあるもん
あと誰だって彼氏と回りたいに決まってんでしょー」
「か、彼氏じゃないって
それに気にしなくていいよ、友達と回るのだって楽しいし」
「えーーほんとー?」
「ほんとだって!!もー」
によによ笑みを浮かべている友達に羞恥心であきらは顔を真っ赤に染めた。
「んーこれとこっちどっちしようかなー」
「まだ決まらない?」
「もうちょっとだけ待って!」
「しょうがないなー」
お土産屋で家族用に見ていたのだが友達が中々候補が決まりそうになくあきらはぷらぷらと店の出入口の方まで出てきた。
すると明らかに見知った姿が視界の端に映った。
(んん??)
海堂だ、しかも確か同じテニス部の桃城と一緒である。
二人は口論しながら道をずんずん進んでいる。
(え?え?)
キョロキョロと周りを見渡したが同じ青学の生徒がいる気配はない。
何で違うクラスであるはずの二人が何故一緒に行動しているのか気になってあきらは思わず二人を追いかけた。
しかし二人の歩くスピードは速くあきらは急いで二人に追い付いた。
「海堂!」
「五十嵐」
「何してるの、はあ、他の班の人たちは……?」
すると海堂と桃城はお互いを指差した。
「「こいつのせいで迷子になった」」
お互いに原因を擦り付けた二人はぎっと睨み会う。
「おい、こらマムシ!
原因はそっちだろうが!」
「あぁ!?喧嘩吹っ掛けてきたのはてめえだろうが!!!」
すると二人は再びいがみあってしまった。
これでは最初に逆戻りだ。
「ちょっと、二人とも止めてよ」
あきらは海堂と桃城の間に割って入ると流石に二人とも口論をやめてくれた。
「……悪ぃ」
「まぁあんま続けちゃ周りの迷惑になるよな」
とりあえず話は聞いてくれるようだ。
「ともかく班の人と合流しなきゃ
この近くに私の班がいるからとりあえず一緒にいる先生に連絡してもらってーー」
と言ったところであきらは周りをくるりと見渡した。
「ん?どうかしたか?」
「……………………」
あきらはぎこちなく笑うと。
「私……今どっちの方角から来たっけ……?」
今、私は……
修学旅行先の香港で迷子になっています。
…………
中学2年の秋、あきらは修学旅行で香港にやってきていた。
初めての空港、初めての飛行機……初めての海外に胸踊らせ滞在2日目の今日は香港を観光する予定になっていた。
友達と見たことない景色に談笑しながらあきらはこの場にいない海堂の事を思い浮かべた。
「やっぱり海堂くんと一緒に回りたかった?」
「えっ」
「ごめんね
……あきらはさ、一緒にいる機会多いだろうから怖くないんだろうけど……」
香港観光出来たらそりゃ海堂と一緒に回れる方が嬉しい。
でも修学旅行は団体行動だし名前がいる班はほとんど女子が占めていてそこに入ってほしい……なんてあきらは海堂に到底言えなかったし友達にも打ち明けていなかったけれど。
「……よく気づいたね」
「そりゃ顔に書いてあるもん
あと誰だって彼氏と回りたいに決まってんでしょー」
「か、彼氏じゃないって
それに気にしなくていいよ、友達と回るのだって楽しいし」
「えーーほんとー?」
「ほんとだって!!もー」
によによ笑みを浮かべている友達に羞恥心であきらは顔を真っ赤に染めた。
「んーこれとこっちどっちしようかなー」
「まだ決まらない?」
「もうちょっとだけ待って!」
「しょうがないなー」
お土産屋で家族用に見ていたのだが友達が中々候補が決まりそうになくあきらはぷらぷらと店の出入口の方まで出てきた。
すると明らかに見知った姿が視界の端に映った。
(んん??)
海堂だ、しかも確か同じテニス部の桃城と一緒である。
二人は口論しながら道をずんずん進んでいる。
(え?え?)
キョロキョロと周りを見渡したが同じ青学の生徒がいる気配はない。
何で違うクラスであるはずの二人が何故一緒に行動しているのか気になってあきらは思わず二人を追いかけた。
しかし二人の歩くスピードは速くあきらは急いで二人に追い付いた。
「海堂!」
「五十嵐」
「何してるの、はあ、他の班の人たちは……?」
すると海堂と桃城はお互いを指差した。
「「こいつのせいで迷子になった」」
お互いに原因を擦り付けた二人はぎっと睨み会う。
「おい、こらマムシ!
原因はそっちだろうが!」
「あぁ!?喧嘩吹っ掛けてきたのはてめえだろうが!!!」
すると二人は再びいがみあってしまった。
これでは最初に逆戻りだ。
「ちょっと、二人とも止めてよ」
あきらは海堂と桃城の間に割って入ると流石に二人とも口論をやめてくれた。
「……悪ぃ」
「まぁあんま続けちゃ周りの迷惑になるよな」
とりあえず話は聞いてくれるようだ。
「ともかく班の人と合流しなきゃ
この近くに私の班がいるからとりあえず一緒にいる先生に連絡してもらってーー」
と言ったところであきらは周りをくるりと見渡した。
「ん?どうかしたか?」
「……………………」
あきらはぎこちなく笑うと。
「私……今どっちの方角から来たっけ……?」