本編
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病院に着いたあきらは受付に聞いて乾の部屋にまっすぐ向かった。
受付の人にほんとに知り合いか、と若干怪しまれたものの何とか病室を教えてくれたので良かった。
乾貞治と書かれた病室についてあきらはノックしてから入ると……
椅子に座った海堂と……それとベッドには包帯ぐるぐる巻きの謎の男がいた。
突然の光景に困っているとこちらに気づいた海堂が立ち上がる。
「な、五十嵐!?なんでここに!?」
「竜崎先生に聞いてやってきた確率……80%ってとこかな、それか大石かな?」
包帯男から発せられた声であきらは我にかえった。
この人は多分乾先輩本人だ、聞いたことのある声と眼鏡からしてそうなんだろうけど……呼吸には困らないのだろうか……?
「は、はい」
あきらは海堂の隣に近寄った。
「あの……お体の方は大丈夫ですか?」
「心配してくれてありがとう
まぁとりあえず大丈夫だよ」
「海堂も顔の傷大丈夫?」
「こんなの乾先輩に比べたら大したことねぇ」
海堂の頬には医療用の絆創膏が貼ってあった。
お互い見合っていたところ乾の視線に気付き二人とも慌てて顔をそらした。
「その何か買ってきましょうか?喉渇いてません?」
「そうだな……ちょっとお願いしようかな」
「……!か、買いものは俺が行ってきますので……!!五十嵐お前は座ってろ」
「え、いや、私が行ってくるよ
海堂こそ残ってなよ」
同じ学校の先輩とはいえ二人になるのはちょっと気がひける。
「……そうか、なら……頼む」
「うん、ちょっと待っててね」
すぐ戻ってくるからと出ていったのを見て乾はベッドから下りた。
「乾先輩……?まだ寝てないと」
駄目です、と言おうとした海堂を乾は制止する。
「今のうちに会場に向かうぞ
あの子に見られたら止められそうだからな」
「遅くなっちゃった」
好みを知らないから何を持っていったらいいか悩み時間をとってしまった。
海堂に怒られるかな、と思いながら病室のドアを開けるとそこには誰もおらずもぬけの殻だった。
「…………ええ…」
まさか抜け出すとは露にも思わなかったあきらはあんぐりと口を開け呆気にとられたのだった。
過去対戦したことのある選手達と再び戦ったことで越前リョーマは記憶を取り戻し立海部長の幸村と戦い……勝ったことで青学テニス部の優勝が決まった。
その後の閉会式やらで終わったころには夕方になっていた。
各自家に帰宅……となったところで海堂は家族に連絡しようと携帯を開き病院に置いてきたあきらの存在に気づいた。
携帯電話には数回の着信とメールがいくつか届いていた。
間違いなく怒っている、と感じ取った海堂は慌ててあきらに電話しようとしたところ。
「やっと気づいた?」
「!」
いつの間にか後ろにあきらが立っていた。
帰りながら海堂はあきらに経緯を話した。
居なくなった海堂を探していたらしくあきらはそっぽをむいてこちらを見てくれない。
「ふーーんそういうこと」
「悪ぃ、急に居なくなっちまって」
あきらは病院の人困ってたよ、と話す。
「まぁ海堂は巻き込まれた側だからあんまり責めるのもあれなんだけど……会場行くなら行くで連絡欲しかったな」
「うっ、その……悪かった」
「いいよ、もう過ぎたことだし」
改めて……とあきらは海堂に向き直った。
「全国大会優勝おめでとう」
「ああ、ありがとう」
おめでとうと言われ海堂は足を止めた。
「海堂?どうしたの?」
「優勝したらお前に言おうと思ってた事がある」
夕陽のせいかあきらの頬が赤く染まっている。
「……思っている、じゃなくて思ってた?」
「ああ、まだ言えねぇ
俺には……その資格がない」
試合に負けて、かつ自分の怒りに負けて我を見失いかけたこと。
その二つが待ったをかけている。
「俺は……まだまだ未熟者だ
来年もう一回全国大会で優勝したら……その時はまた聞いてくれねぇか」
「……何を言おうとしてるかは教えてくれないの?」
「駄目だ」
そう言うとあきらはしょうがないなあ、と困ったように笑った。
「それと、一つ頼み事聞いてくれねぇか」
「何?」
「……彼氏は来年の夏まで作るんじゃねぇぞ、絶対」
あきらは意外そうに少し驚いて、海堂も彼女作ったら駄目だからね、とはにかんだ。
あれから一年ほどが経った。
お互いテニス部の部長に任命された時は驚いたものだ。
隣を歩く海堂は更に身長が伸びて顔つきもちょっと変わったけど内面はあまり変わっていない。
今日は全国大会決勝戦の日だった。
惜しくもあきらが属する女子テニス部はベスト8止まりになってしまったがあまり後悔はしていない。
これでもよくやれた方だと思う。
海堂とはいうときっちり全国大会優勝を決めてきた。
部長に任命されてから何回か部活内で揉めたことがあったらしいけど全国大会では部員からちゃんと信頼されているようでほっとしたのを覚えている。
ふと海堂が去年と同じ場所で足を止めた。
「五十嵐」
あきらは知らない素振りで何?と返答し海堂の言葉を待った。
受付の人にほんとに知り合いか、と若干怪しまれたものの何とか病室を教えてくれたので良かった。
乾貞治と書かれた病室についてあきらはノックしてから入ると……
椅子に座った海堂と……それとベッドには包帯ぐるぐる巻きの謎の男がいた。
突然の光景に困っているとこちらに気づいた海堂が立ち上がる。
「な、五十嵐!?なんでここに!?」
「竜崎先生に聞いてやってきた確率……80%ってとこかな、それか大石かな?」
包帯男から発せられた声であきらは我にかえった。
この人は多分乾先輩本人だ、聞いたことのある声と眼鏡からしてそうなんだろうけど……呼吸には困らないのだろうか……?
「は、はい」
あきらは海堂の隣に近寄った。
「あの……お体の方は大丈夫ですか?」
「心配してくれてありがとう
まぁとりあえず大丈夫だよ」
「海堂も顔の傷大丈夫?」
「こんなの乾先輩に比べたら大したことねぇ」
海堂の頬には医療用の絆創膏が貼ってあった。
お互い見合っていたところ乾の視線に気付き二人とも慌てて顔をそらした。
「その何か買ってきましょうか?喉渇いてません?」
「そうだな……ちょっとお願いしようかな」
「……!か、買いものは俺が行ってきますので……!!五十嵐お前は座ってろ」
「え、いや、私が行ってくるよ
海堂こそ残ってなよ」
同じ学校の先輩とはいえ二人になるのはちょっと気がひける。
「……そうか、なら……頼む」
「うん、ちょっと待っててね」
すぐ戻ってくるからと出ていったのを見て乾はベッドから下りた。
「乾先輩……?まだ寝てないと」
駄目です、と言おうとした海堂を乾は制止する。
「今のうちに会場に向かうぞ
あの子に見られたら止められそうだからな」
「遅くなっちゃった」
好みを知らないから何を持っていったらいいか悩み時間をとってしまった。
海堂に怒られるかな、と思いながら病室のドアを開けるとそこには誰もおらずもぬけの殻だった。
「…………ええ…」
まさか抜け出すとは露にも思わなかったあきらはあんぐりと口を開け呆気にとられたのだった。
過去対戦したことのある選手達と再び戦ったことで越前リョーマは記憶を取り戻し立海部長の幸村と戦い……勝ったことで青学テニス部の優勝が決まった。
その後の閉会式やらで終わったころには夕方になっていた。
各自家に帰宅……となったところで海堂は家族に連絡しようと携帯を開き病院に置いてきたあきらの存在に気づいた。
携帯電話には数回の着信とメールがいくつか届いていた。
間違いなく怒っている、と感じ取った海堂は慌ててあきらに電話しようとしたところ。
「やっと気づいた?」
「!」
いつの間にか後ろにあきらが立っていた。
帰りながら海堂はあきらに経緯を話した。
居なくなった海堂を探していたらしくあきらはそっぽをむいてこちらを見てくれない。
「ふーーんそういうこと」
「悪ぃ、急に居なくなっちまって」
あきらは病院の人困ってたよ、と話す。
「まぁ海堂は巻き込まれた側だからあんまり責めるのもあれなんだけど……会場行くなら行くで連絡欲しかったな」
「うっ、その……悪かった」
「いいよ、もう過ぎたことだし」
改めて……とあきらは海堂に向き直った。
「全国大会優勝おめでとう」
「ああ、ありがとう」
おめでとうと言われ海堂は足を止めた。
「海堂?どうしたの?」
「優勝したらお前に言おうと思ってた事がある」
夕陽のせいかあきらの頬が赤く染まっている。
「……思っている、じゃなくて思ってた?」
「ああ、まだ言えねぇ
俺には……その資格がない」
試合に負けて、かつ自分の怒りに負けて我を見失いかけたこと。
その二つが待ったをかけている。
「俺は……まだまだ未熟者だ
来年もう一回全国大会で優勝したら……その時はまた聞いてくれねぇか」
「……何を言おうとしてるかは教えてくれないの?」
「駄目だ」
そう言うとあきらはしょうがないなあ、と困ったように笑った。
「それと、一つ頼み事聞いてくれねぇか」
「何?」
「……彼氏は来年の夏まで作るんじゃねぇぞ、絶対」
あきらは意外そうに少し驚いて、海堂も彼女作ったら駄目だからね、とはにかんだ。
あれから一年ほどが経った。
お互いテニス部の部長に任命された時は驚いたものだ。
隣を歩く海堂は更に身長が伸びて顔つきもちょっと変わったけど内面はあまり変わっていない。
今日は全国大会決勝戦の日だった。
惜しくもあきらが属する女子テニス部はベスト8止まりになってしまったがあまり後悔はしていない。
これでもよくやれた方だと思う。
海堂とはいうときっちり全国大会優勝を決めてきた。
部長に任命されてから何回か部活内で揉めたことがあったらしいけど全国大会では部員からちゃんと信頼されているようでほっとしたのを覚えている。
ふと海堂が去年と同じ場所で足を止めた。
「五十嵐」
あきらは知らない素振りで何?と返答し海堂の言葉を待った。