本編
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「ゲームウォンバイ!五十嵐あきら!!」
4月になり二年生になったあきらはレギュラー入りすべく校内ランキング戦に挑んでいた。
先ほどやっと2勝したところだ。
(海堂勝ってるかな…………)
噂によると男テニの校内ランキング戦には通常二、三年生のみのところ何故か今年は一年生が出ているとか。
(どうしよう)
試合が早めに終わったので今から行けば見れるかもしれない。
(でもなあ)
試合はよっぽどじゃないと観に行かないと言った手前行きづらい。
悩んだ後あきらは男テニのテニスコートに来ていた。
「スコアボード見るだけ……スコアボード見るだけ……え…………??」
そこに書かれていたのは海堂がその一年生に負けていたということだった。
試合が終わった直後なのか周りはあの海堂が敗けたとざわついている。
海堂の姿は既になかった。
終わった直後ならそう遠くに行っていないはずと思い周囲を探すと海堂がいた。
しかし海堂の膝からは血が出ていた。
「海堂!!その膝どうしたの!?」
「これは……自分でやった」
「はあ!?」
よくよくラケットを見れば先端に赤い血がついている。
自分で、自分のラケットで自分の膝を傷つけたのか。
「とりあえず、手当てしないと」
理由は後で聞くとしてまずは血を洗い流さなければ。
保健室に引っ張って連れていくと先生は生憎不在だった。
簡単な処置をしてあきらは持っていたハンカチを膝に巻いた。
今日は一回も使ってないから大丈夫なはず。
「で、海堂なんであんなことしたの?」
「…………」
海堂は淡々と話す。
自分が優位にたっていたはずが逆に体力を奪われ足が追いつかなくなるほど惨めな試合だったと。
己の弱さに苛立ってしまった結果ラケットで膝を痛め付けた……と。
「はっ、笑えよ」
「……笑わないよ、笑えるわけないじゃん……」
お互い無言のまま数秒が経つ。
「気持ちは痛いほど分かるよ
でも……自分で自分を傷つけるのは間違ってると思う」
「…………つうかてめー自分の試合はどうした
観にいかないっつってたのはどこのどいつだ」
「今日の試合は終わったよ
きょ、今日はたまたま通りかかっただけ
別に海堂の試合が心配でとかで来たわけじゃない」
「心配?他人の心配なんかよりてめーの心配しやがれ!あと一回負けたら五十嵐もおしまいだろうが!!」
「だから!!!観に来たわけじゃ……ん?」
そこであきらは違和感に気づいた。
「なんで海堂私が一回負けてるの知ってるの?言ってなかったよね……?」
「あっっっ、あ、いや、これは、その
ぶ、部活のやろーが言ってたんだよ!!!」
二人とも顔を赤くしながら言い合う。
「か、海堂ひ、人のこと言えないじゃん!」
「う、うるせぇ!!!
てめーだってなんで観にきてんだ!!」
「っ、き、気になった、から……」
顔を赤くした海堂は更に真っ赤になった。
「み、観に来ちゃ……だ、駄目?」
「……!!!か、勝手にしろ!!!じゃあな!」
ずんずんと保健室の戸を開くとテニス部のレギュラー勢がこぞって押し流されるように出てきた。
「もー!!バレちゃったじゃんかー!!
桃が押すからだろーー!」
「英二先輩こそのりだしすぎっスよ!」
「や、やあ、海堂」
「あんたら何やってんスか……!!!」
そこ退いてくださいと海堂は憤り保健室から出ていった。
あきらも海堂を追うべく三人に軽く頭を下げて出ていった。
海堂を追いかけていく少女を三人は眺めている。
「へーー、あれが例の子かあ」
「そうっす
マムシのやろー毎週あの子と練習してるらしいですよ」
「海堂も風上におけんな……メモメモ」
4月になり二年生になったあきらはレギュラー入りすべく校内ランキング戦に挑んでいた。
先ほどやっと2勝したところだ。
(海堂勝ってるかな…………)
噂によると男テニの校内ランキング戦には通常二、三年生のみのところ何故か今年は一年生が出ているとか。
(どうしよう)
試合が早めに終わったので今から行けば見れるかもしれない。
(でもなあ)
試合はよっぽどじゃないと観に行かないと言った手前行きづらい。
悩んだ後あきらは男テニのテニスコートに来ていた。
「スコアボード見るだけ……スコアボード見るだけ……え…………??」
そこに書かれていたのは海堂がその一年生に負けていたということだった。
試合が終わった直後なのか周りはあの海堂が敗けたとざわついている。
海堂の姿は既になかった。
終わった直後ならそう遠くに行っていないはずと思い周囲を探すと海堂がいた。
しかし海堂の膝からは血が出ていた。
「海堂!!その膝どうしたの!?」
「これは……自分でやった」
「はあ!?」
よくよくラケットを見れば先端に赤い血がついている。
自分で、自分のラケットで自分の膝を傷つけたのか。
「とりあえず、手当てしないと」
理由は後で聞くとしてまずは血を洗い流さなければ。
保健室に引っ張って連れていくと先生は生憎不在だった。
簡単な処置をしてあきらは持っていたハンカチを膝に巻いた。
今日は一回も使ってないから大丈夫なはず。
「で、海堂なんであんなことしたの?」
「…………」
海堂は淡々と話す。
自分が優位にたっていたはずが逆に体力を奪われ足が追いつかなくなるほど惨めな試合だったと。
己の弱さに苛立ってしまった結果ラケットで膝を痛め付けた……と。
「はっ、笑えよ」
「……笑わないよ、笑えるわけないじゃん……」
お互い無言のまま数秒が経つ。
「気持ちは痛いほど分かるよ
でも……自分で自分を傷つけるのは間違ってると思う」
「…………つうかてめー自分の試合はどうした
観にいかないっつってたのはどこのどいつだ」
「今日の試合は終わったよ
きょ、今日はたまたま通りかかっただけ
別に海堂の試合が心配でとかで来たわけじゃない」
「心配?他人の心配なんかよりてめーの心配しやがれ!あと一回負けたら五十嵐もおしまいだろうが!!」
「だから!!!観に来たわけじゃ……ん?」
そこであきらは違和感に気づいた。
「なんで海堂私が一回負けてるの知ってるの?言ってなかったよね……?」
「あっっっ、あ、いや、これは、その
ぶ、部活のやろーが言ってたんだよ!!!」
二人とも顔を赤くしながら言い合う。
「か、海堂ひ、人のこと言えないじゃん!」
「う、うるせぇ!!!
てめーだってなんで観にきてんだ!!」
「っ、き、気になった、から……」
顔を赤くした海堂は更に真っ赤になった。
「み、観に来ちゃ……だ、駄目?」
「……!!!か、勝手にしろ!!!じゃあな!」
ずんずんと保健室の戸を開くとテニス部のレギュラー勢がこぞって押し流されるように出てきた。
「もー!!バレちゃったじゃんかー!!
桃が押すからだろーー!」
「英二先輩こそのりだしすぎっスよ!」
「や、やあ、海堂」
「あんたら何やってんスか……!!!」
そこ退いてくださいと海堂は憤り保健室から出ていった。
あきらも海堂を追うべく三人に軽く頭を下げて出ていった。
海堂を追いかけていく少女を三人は眺めている。
「へーー、あれが例の子かあ」
「そうっす
マムシのやろー毎週あの子と練習してるらしいですよ」
「海堂も風上におけんな……メモメモ」