(な、何でこいつらメイド喫茶に来てんの！？！？)


留三郎へのプレゼント代を稼ぐ為、やむを得くアルバイトは始めたのだがよりによってこの六人に見られるなど穴でも掘って入りたい気分だ。

「それにしても以外だな、お前はこういうふりふりした服だけは絶対着ないと思っていたのだが」

仙蔵はメイド服を着たあきらを上から下までじろじろ見ている。


「別に着たくて着てるわけじゃない、アルバイト目的だし…」

あきらは一刻もここをさりたいと思った。

特に留三郎に見られるなんて耐えられない。

アルバイト…と仙蔵は反復し、ああと納得した。

あれかと留三郎の方をちらりと見て、残りの四人も把握した。


(留三郎へのプレゼント代稼ぎか…)


「そっか、あきらちゃん、目的のためにアルバイト頑張ってね」

「？？？伊作、目的って何だよ？？？」

留三郎だけが気づかず癪だったのだが、他が注文し始めた為あきらに聞くタイミングを失ってしまった。


各々自由に注文してあきらは足早に奥へと退散した。

(はーーー、びっくりした…)

何とか冷静を保とうとしたが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。

(赤くなってたのバレてないといいんだけど…)


一方注文を待っている六人一行だが、どうも留三郎の反応が鈍い。

もしかしてあきらのメイド姿にどぎまぎしてるのかな？と伊作が
聞いたところ。

「…いや何も思わない…て事もないんだが…

一人隠れて何かやってんのがもやもやするというか…」

どうも隠し事をされてるというのが引っかかるらしい。

「困ってんなら俺に相談しろっつーんだよ」

眉間をよせ留三郎は若干不機嫌気味だ。

はははと適当に流しつつ伊作は余計な事を言わぬようただ微笑んだ。

(そりゃ、留三郎には相談できないでしょ…)