「留三郎、メイドカフェ行かない？」

突然伊作が誘ってきた。
どうやら皆行く気らしい。
あの文次郎までもだ。

「メイドカフェ？」

まぁ、暇だし行ってもいいが……。

「あきらはどうしたんだよ」

「あー、何か用事あるってさ
誘おうと思ったんだけど……」

男子の中に女子が紛れ込んだグループがメイドカフェに行ったら周りからヒソヒソ言われそうだが、この6人は特に気にしていなかった。

あきらに関してはまた今度誘えばいいと流れでメイドカフェに行くことになった。

「何で急にメイドカフェなんて言い出したんだよ」

伊作に聞くと何でもこの最近オープンしたてらしい。

「後は……普通に行ってみたかったよね」

「可愛いメイドさんいるかなあ～」

各々予想していると、店の前に着いた。

店に入るとメイドの衣装を来た店員が現れお約束の言葉を言う。

「お帰りなさいませ！ご主人様！」

ご主人様とよばれ6人はおお……と喜びの声をあげる。

6人はテーブルに案内され、メニューを渡された。


「ヤバい、もう既にヤバいんだけど……」

「ご主人の破壊力は高いな……」

「私、通っちゃうかも……」

伊作、仙蔵、小平太はメイドを凝視する。

「…………普通にいい店だな、もそ」

メイドカフェだが、それなりに落着きのある店で騒がしくない。

「そうだな……俺としては喫茶店の方が良さそうな気がするが……」

それに落ち着かないし……と文次郎はメイドの方をあまり見ないようにしている。

「ふっ、文次郎、お前可愛い子ばっかりで緊張しているな？」

「ばっ、誰が……！違うわ！！」

仙蔵は文次郎を見ながらニヤニヤしたが、留三郎が静かな事に気付いた。

「留三郎、やけに静かだな
誰か可愛い子でもいたか？」

「あ？……まぁ、それなりに可愛い方じゃねーの？」

留三郎はあまり興味を引かれないらしい。

「ほら……留三郎きっとちっちゃい子じゃないと興奮しないんだよ」

伊作はヒソヒソ仙蔵に話す。

「ああ……なるほど」

「何か失礼な事言ってねえ？」

すると、注文を取りにメイドが一人やってきた。

「ご主人様、ご注文はお決まり……ですか……は？」

「はーい、決まってます……え？」

伊作が振り返って答えようとしたところ、全員が固まった。

「……あきら……何やってんだよ……」

何と注文を取りにきたメイドはどうみてもあきらだった。