「えっ、先輩の家で食事！？！？！？」

作兵衛は驚きのあまり持っていた箱を落とした。


「さ、作兵衛、箱落としてるけど、大丈夫？」

あきらは心配して声をかけた。

「は、はい！！大丈夫です！！」

この通り私は怪我してません！！と言う作兵衛に対しあきらは。

(いや、箱の事を心配したんだけれども……)

用具委員会の所有物である箱を心配したようだ。



その週の日曜作兵衛はあきらの家の前に来ていた。

(せ、先輩の家で……)ゴクリ


話を要約するとこないだの留三郎の騒動で作兵衛に色々任せてしまったからそのお礼に……という事で家に招かれたのだ。

(な、何食べさせて貰えるんだろう……はっ)

「作兵衛、あーんしてあげるよ」

つい作兵衛は妄想してしまった。

(何考えてんだ、俺！！)

しかし、その妄想は止まらない。

(料理だから……エプロン姿の先輩……とか？)

「作兵衛、裸エプロンは恥ずかしいかな……」

(いやいや、だから俺は何を考えてるんだ！！！)

このまま考えてたらとんでもない事まで想像しかねない、作兵衛は深呼吸をしてチャイムを押した。

すると、パタパタと足音がしてドアが開くと。


「おっ、作兵衛流石早いな！」

出てきたのは食満先輩だった。

「へ…………？？食満先輩？？」

何であきら先輩の家のはずなのに食満先輩が出てきたのか。

(もしかして、付き合ってるらっしゃる！？！？)

そんな……と憔悴する作兵衛に気付かず留三郎は奥にいるあきらを呼んだ。

「おーい、あきら、作兵衛来たぞー」

すると、エプロンをしたあきらが出てきた。

(え、エプロンした先輩可愛い……)

「おはよう、作兵衛
上がって、色々準備中だからまだ全部は出来てないけど」

ほら、留三郎も手伝って、と言ってあきらはキッチンへと向かった。

居間に向かうと既に用意されたお菓子や食べ物が置かれている。

(どう見ても二人分以上あるよな……)


「そうだ、作兵衛、守一郎達もあと30分くらいで着くからね」

(浜先輩達…………？？？)

どうやら俺はとんだ勘違いをしていたらしい。