2月上旬、六年一同は来るべく日に備えて
緊急会議を開いていた。

「さて……皆知っていると思うが、そろそろ
バレンタインデーがやってくる」

ゲンドウポーズをした仙蔵は神妙な表情で言った。
バレンタインデーは年頃の男子にとっては最も重要なイベントである。
日頃持てない六年は義理チョコでもいいなら欲しい！
特に可愛い女子から！！！と思っているのだが、現実はそんなに甘くなく今年もチョコが0コだった……という未来を避けるべく解決策を見いださなくてはならない。

「ちなみに去年貰ったやつはいるか？」

と、仙蔵が聞くと、長次、留三郎、文次郎が手をあげた。

「は！？！？嘘つけ！！！
長次はカメ子からとして、お前らは0個だろう！？！？」

仙蔵は思わず文次郎の胸倉を掴んだ。

「う、嘘じゃない、実際に貰ったぞ」
「うっっっ、それで、誰に貰ったんだ？？」
「そ、それはーー、で、」
「で？？？？」

周りが聞き返すと、文次郎は答えるのを躊躇ったが、言った。

「伝子さん……………………」
「それは！！！アウトだろう！！！！」

留三郎達は、爆笑している。

「本人が女性というからしょうがないじゃないか！！！！！
留三郎、お前はどうなんだ！！！」

「俺？フッ、俺だけ勝ち組だな」

とやけにムカつく表情だったので、他の六年は殴りたくのを堪えた。

「あきらだよ、いやー！！
今年も貰う事確定間違いなしだから
先に一抜けだな！すまん！」

留三郎は自慢げに話したが、誰も気にしてない様子だった。

「ほ、ほら、悔しがっていいんだぞ？？」
すると、伊作が答えた。
「悔しがるも何も僕ら毎年貰ってるから」
えっと驚く留三郎に周りがうんうんと頷いた。
「じゃ、じゃあ、一個確定じゃねーか！！
何で対策とか考える必要があるんだよ」
と言う留三郎に仙蔵がフッと笑った。
「留三郎、あいつからのチョコが果たして
可愛い女子！からのチョコにカウントされるか……？？あきらは確かに女子だが、我々から見ればほぼ男だ。
そんなやつに貰ってもチョコにはカウントされえええん！！！！！」
「そ、そんなーー！！！！！」

そして、話は振り出しに戻るのだった……