第一章
夢小説設定
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荒小屋からしばらく走り続けるとうっそうとした森を抜け見晴らしがよい平地が見えてきた。
走っていたあきらは足を止め周囲を警戒する。
追ってきた敵はいつのまにか先回りしていて囲まれたようだ。
「お嬢ちゃん、あまり怪我を負わせたくないんだ、素直にその文書を渡してくれないか?」
追手の内の頭と見られる男が声をかけてきた。
「こっちは男が6人、対して女が一人でら勝目はないだろう?」
確かに、この見晴らしのよい場所では不利だ。
あきらは敵のおおよその位置と状況を把握した。
(……風はあまり吹いていない、か)
「それはやってみないと分からないだろう……!?」
あきらは懐から何かを取り出し地面に叩きつけると、一帯に煙が立ち込めた。
「しまった!煙玉だ!!」
あきらが投げつけたのは煙玉という投げ道具で導火線に火をつけ煙を出すといった具合だ。
煙で前が見えない敵が慌てるのを頭が一喝する。
「落ち着け!見えないのは向こうも同じだ!
風で煙が流れるまでじっとしてろ!」
無風だった事を警戒してなかった自分に腹を立てていると突然部下の悲鳴が聞こえた。
「どうした!!おい!返事しろ!」
しかし、返事は返ってこず増えていく。
その悲鳴が合計5つ越えたところで突如風が吹いて煙が晴れていった。
「さて、あと一人か」
煙が晴れるとそこに立っていたのは追手5人を倒したあきらだった。
「……っ、随分と実力のある女だな」
あきらは涼しい顔をしていたが、僅かに息が上り首もとには汗をかいている。
今日は学園長の手伝いやらで疲れていて、長丁場の戦いは避けたかった。
弱点を悟られぬよう煙玉で動揺させようとしたが、幸いこちらの様子には気付いていないらしい。
(あと一人っ!)
ここを乗りきれれば後は忍術学園に戻って伊作を呼ぶだけだと安堵したあきらは足下に伸びている敵が意識ある事に気付かなかった。
一気にけりを着けようとした瞬間足に激痛が走り思わず膝をついてしまった。
(…………っ!!!しまった……っ
苦無で足をっ!)
あきらは命を奪わず気絶させる程度にしていたのだが、一人だけ気絶させられなかったらしい。
あえて気絶したふりをして隙を突かれたという事だ。
慌てて刺してきた敵を今度こそは気絶させたが、既に頭の持つ刃が迫っていた。
(間に合わない……)
とその時だった。
「間に合った……」
何か鈍い音がしたと思ったら目の前にいた敵がぐらりと倒れ
代わりに立っていたのは留三郎だった。
「良かった、無事だな…」
そう言うと、留三郎の体が倒れ掛かるのを見てあきらは慌てて駆け寄り体を支えた。
「留三郎…!!何で…!!」
「悪い、無茶してんのは分かってんだ
動けば傷口が開くのも…、でも…あきらが心配だったんだ」
「…ありがとう」
お礼を言うの同時に体にかかる重みが増し、あきらは一瞬体を強張せたが体力がつき眠りに入ったようだ。
(血が滲んできてる)
簡単な応急措置をしたが、恐らく走ってきたのだろう。
このまま放置は良くない、かといってあきらは医療にはさほど詳しくない。
(早いとこ、伊作に診せないと…!)
幸いここから走れば忍術学園は遠くない場所にある。
だが、留三郎を担ぎ歩くとなると時間はかかるだろう。
(少しでも早く帰らないと)
あきらは留三郎を担ぎ歩き出した。
歩く度に先ほどの戦闘で敵に刺された足が痛み今すぐにでも歩くのを止めたい衝動に駆られたがあきらは歯を食いしばり堪えた。
こんな痛みなど大したことないと自分に言い聞かせながら。
留三郎がこんな大けがな状態にも関わらず走ってきたのだ。
どれほど痛かっただろうか。
片足くらい怪我してたくらいで根を上げたようでは留三郎の横を歩けない……!!
(あ………)
気づけば馴染み深い学園が目に見えてきた。
走っていたあきらは足を止め周囲を警戒する。
追ってきた敵はいつのまにか先回りしていて囲まれたようだ。
「お嬢ちゃん、あまり怪我を負わせたくないんだ、素直にその文書を渡してくれないか?」
追手の内の頭と見られる男が声をかけてきた。
「こっちは男が6人、対して女が一人でら勝目はないだろう?」
確かに、この見晴らしのよい場所では不利だ。
あきらは敵のおおよその位置と状況を把握した。
(……風はあまり吹いていない、か)
「それはやってみないと分からないだろう……!?」
あきらは懐から何かを取り出し地面に叩きつけると、一帯に煙が立ち込めた。
「しまった!煙玉だ!!」
あきらが投げつけたのは煙玉という投げ道具で導火線に火をつけ煙を出すといった具合だ。
煙で前が見えない敵が慌てるのを頭が一喝する。
「落ち着け!見えないのは向こうも同じだ!
風で煙が流れるまでじっとしてろ!」
無風だった事を警戒してなかった自分に腹を立てていると突然部下の悲鳴が聞こえた。
「どうした!!おい!返事しろ!」
しかし、返事は返ってこず増えていく。
その悲鳴が合計5つ越えたところで突如風が吹いて煙が晴れていった。
「さて、あと一人か」
煙が晴れるとそこに立っていたのは追手5人を倒したあきらだった。
「……っ、随分と実力のある女だな」
あきらは涼しい顔をしていたが、僅かに息が上り首もとには汗をかいている。
今日は学園長の手伝いやらで疲れていて、長丁場の戦いは避けたかった。
弱点を悟られぬよう煙玉で動揺させようとしたが、幸いこちらの様子には気付いていないらしい。
(あと一人っ!)
ここを乗りきれれば後は忍術学園に戻って伊作を呼ぶだけだと安堵したあきらは足下に伸びている敵が意識ある事に気付かなかった。
一気にけりを着けようとした瞬間足に激痛が走り思わず膝をついてしまった。
(…………っ!!!しまった……っ
苦無で足をっ!)
あきらは命を奪わず気絶させる程度にしていたのだが、一人だけ気絶させられなかったらしい。
あえて気絶したふりをして隙を突かれたという事だ。
慌てて刺してきた敵を今度こそは気絶させたが、既に頭の持つ刃が迫っていた。
(間に合わない……)
とその時だった。
「間に合った……」
何か鈍い音がしたと思ったら目の前にいた敵がぐらりと倒れ
代わりに立っていたのは留三郎だった。
「良かった、無事だな…」
そう言うと、留三郎の体が倒れ掛かるのを見てあきらは慌てて駆け寄り体を支えた。
「留三郎…!!何で…!!」
「悪い、無茶してんのは分かってんだ
動けば傷口が開くのも…、でも…あきらが心配だったんだ」
「…ありがとう」
お礼を言うの同時に体にかかる重みが増し、あきらは一瞬体を強張せたが体力がつき眠りに入ったようだ。
(血が滲んできてる)
簡単な応急措置をしたが、恐らく走ってきたのだろう。
このまま放置は良くない、かといってあきらは医療にはさほど詳しくない。
(早いとこ、伊作に診せないと…!)
幸いここから走れば忍術学園は遠くない場所にある。
だが、留三郎を担ぎ歩くとなると時間はかかるだろう。
(少しでも早く帰らないと)
あきらは留三郎を担ぎ歩き出した。
歩く度に先ほどの戦闘で敵に刺された足が痛み今すぐにでも歩くのを止めたい衝動に駆られたがあきらは歯を食いしばり堪えた。
こんな痛みなど大したことないと自分に言い聞かせながら。
留三郎がこんな大けがな状態にも関わらず走ってきたのだ。
どれほど痛かっただろうか。
片足くらい怪我してたくらいで根を上げたようでは留三郎の横を歩けない……!!
(あ………)
気づけば馴染み深い学園が目に見えてきた。