「ぶぇっくしょい！！！！」


留三郎は大きくくしゃみをして、身震いを起こした。

留三郎は伊作と乱太郎の薬草詰みを手伝うついでに自分のトレーニングもかねて出かけていたが、不運に巻き込まれ3人で川に落ちてしまい
ずぶ濡れで帰ってきた。

当然3人とも風邪を引き寝込んでいる最中
である。

本来3人部屋で寝ている乱太郎だが、他の二人に迷惑をかけたくないと留三郎と伊作の部屋で寝ている。


(あーーくそ、くしゃみ止まらねえし、頭いてえ……)

すると、戸が開きあきらがお盆をを持って入ってきた。

薬草詰みの事を聞こうと思ったあきらが訪れ風邪を引いたと分かるとすぐに出ていってしまった。

てっきり移されたくないと思って逃げていったのかと留三郎は思っていたが、どうやら違うようだ。

「留三郎、風邪大丈夫？
食堂のおばちゃんに頼んでお粥作ってもらったけど、食べれる？」

あきらは3人分の粥を乗せたお盆を置き聞いた。

「あきらちゃん、僕たちの事はいいから、留三郎の方お願い出来る？」

僕らは自分で食べれるから……と伊作と乱太郎は遠慮した。

留三郎は食べれると言いかけたが。

「…………あー、やっぱ自分で食べれねえかも」

留三郎はあーんして食べさせて貰えるように誘導した。

「え、何食べさせろって事？
まぁ元気ないならいいけど…………」

しぶしぶあきらはれんげに粥を乗せ留三郎の口に近づける。

留三郎はパクりと食べるとうまいと言った。

それを聞いたあきらは何故か嬉しそうである。

「風邪治ったらおばちゃんに礼を言わなきゃな……」

「あーそれ、私が代わりに礼言っとくから大丈夫」

(なるほど、これおばちゃんが作ったんじゃなくてあきらちゃんが作ったのか……
相変わらず不器用だなあ、
自分で作ったって言えばいいのに……)

伊作は毎度素直になれないあきらを見つつお粥を食べた。