ふと気がつくとあきらがいなかった。
展望台から僅かに身を乗りだすとゲンと話しているのが見えた。
(何話してんだ？)
何か話しているのは聞こえるが肝心の話の内容は分からなかった。
あきらが一人なところにゲンが話しかけたのか、それとも最初から二人で話す為に離れたのか。
どちらにせよこの状況は千空にとって好ましくない。
しかし間に割りいることは出来ずみているとあきらは寝床の方へと走っていった。
結局何を話しているのかは分からないままだなと思っているとこちらに気づいたゲンが手をふってきた。
(チッ、バレたか……)
そのまま見ているのもあれなので奥へと戻るとコハクが腕を組み言う。
「他の男と話しているのが気にくわないか？」
「あ”？何の話だ」
すっとぼけているとクロムが望遠鏡を片手にやってきた。
「千空！！！この望遠鏡ってのは……やべーーーな！！！
ふつーに見ても見えねぇのが……望遠鏡通すと見えんだよ！！！」
「あ”ーー望遠鏡つーのはそういうもんだ」
千空は空に浮かぶ星をこれは◯◯の星でーーとクロムやスイカに語り聞かせた。

「千空ちゃん……あれお勉強会始まっちゃってるか
あきらちゃんのことについて聞きたかったんだけどー」
「ああも生徒が集っては聞けなさそうだな、ゲン
生憎その機会はくれなさそうだ、やれやれ」