「あ～～もう年末ね～～」
ゲンはしみじみと呟く。
「蕎麦ないから年越しラーメンになるとして……
おせちは流石に材料もないし無理だな……」
「お雑煮もね～～」
居合わせたコハクがおせちとはなんだと聞いてくるのでゲンは簡単に説明した。
「正月にね縁起がいい物を食べるんだけど
最近はけっこう人ん家によって違うよね～
俺のとこは洋モノ多かったりしたけど……
あきらちゃん家は？」
「三日間朝昼晩おせちと雑煮」
あきらの解答にゲンはひえええーーーと青ざめた。
「わーーー……それ結構飽きない？」
「飽きる、ゲンは違うの？」
「夕食は別の食べること多いかなあ」
「まぁうちそういうの厳しいからしゃあないんだけども……」
と話す二人をコハクは特にリアクションすることなく淡々と聞いていた。
「それがどうしたのだ？？
三日同じ物が続くなど大したことないだろう」
「あっ、そうか……」
これまでの石神村の食事の内容を振り替えれば当然の反応だったとゲンとあきらは先ほどまでの会話が恥ずかしく思えてきたのだった。